~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A

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46話

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「居た」

 そして歩くこと一分。俺たちはすぐにT字路に差し掛かり、左手にゴブリンが一体で居るのを見つけた。

「右には何も居ないね。じゃあそのまま歩いて正面から近づくよ」

「うん」

 ゴブリンが持っているのは剣で、長距離武器ではないと確認が取れたので素直に正面から近づくことにした。

「ゲギャッ!!!」

「亮、一旦下がってて。一方的に攻撃できる状況を作るから」

「分かったよ」

 俺はゴブリンが突然剣を投げたりしないかを警戒しつつ、正面から近づく。

「ギャッ!」

 剣の間合いに入るとゴブリンは俺を切り殺そうと剣を大きく振りかぶった。

 俺はそのタイミングで剣を殴り飛ばし、動揺したゴブリンを正面から組み伏せた。

「亮!こっちに来て!」

 完全に両手と両足が動かせないことを確認したうえで亮を呼んだ。

「俺が動かないように抑えておくから、亮はそのフライパンでゴブリンが死ぬまで頭を叩き続けて」

「うん」

 俺の指示通りに亮はゴブリンを何度も殴って倒した。

「亮、感触とかは大丈夫だった?」

「問題ないよ。それに、そういうこと言っている場合じゃないよ」

「ならよかった」

 亮が生き物を殺すことに抵抗があるタイプでは無かったようで、ひとまず安心だ。

「じゃあどんどん次に行くよ」

 それから俺たちは敵を探し回り、見つけたら俺が身動きを完全に封じて亮に殴り殺させた。

 どこからどう見ても実力が付きようのないパワーレベリングでしかないが、今回に限っては非常事態なので致し方ない。

 それに、レベル10とかレベル20とかまで上げているわけじゃないので、大した悪影響は無いと思う。

「レベル3になったよ」

「オッケー。じゃあ戻ろうか」

 そして何事もなくレベル3に上げることが出来たので俺たちはみんなの元に戻ることにした。


「じゃあ次は私たちが行ってくるわ」

 俺たちが戻ってきたので、次は杏奈さんと美月が二人でレベル上げに向かった。

「亮兄ちゃん!強くなった?」

「うん、強くなったよ。何かあるかな……これだ。これを一人で持ち上げられるくらいには強くなったよ」

「すげー!!」

「これでレベル3なんだ。ってことは飛鳥兄ちゃんは……!」

「片手で持ち上げられるね」

「「うおおおおかっけー!!!」」

 二人が戻ってくるまでの間、俺と亮は探索者の凄さを実演することで子供たちが不安に押しつぶれないように楽しませていた。




「ねえ飛鳥兄。二人やたらと遅くない?」

 そんな感じで1時間ほど過ごしていたが、一向に二人が戻ってくる気配が無い。

「うん。二人も俺たちみたいな戦法を取っている筈だろうから1時間もかからない筈なんだけど……」

 一対一での戦闘をさせていたらレベル3に上げるまでにとんでもない時間がかかってしまうので、今回は戦闘訓練は諦める以外無い筈なのだけれど。

 何か良くない事件でも起こっていたりするのか……?

 でも、そうならどっちも戻ってこないなんてことは無いと思う。最悪杏奈さんが美月を逃がして一人で戻らせるはずだし。

「とりあえず、後30分待って帰ってこなかったら二人を探しに行こうと思う」

「分かったよ。その時は任せて」

「ありがとう」

 万が一が無ければ良いのだけど……


 それから30分後、

「遅くなったわ」

 普通に二人は戻ってきた。

「お帰り。何があったの?」

「美月さんがちょっとね。ちょっと耳かしなさい」

 そう言って杏奈さんは俺の耳元に口を近づけて、

『美月さんもあなたと同じだったのよ』

「俺と……?」

 ってことはレベルが上がらず、スキルを無限に獲得できるってこと?

『ええ。とは言っても若干あなたとは違うみたいだけど』

「違う……?」

『スキルの選択肢が私たちと比べてかなり少なくて、代わりにとあるスキルの効果が通常とは違ったのよ』

「とあるスキル?」

『ええ。それは【聖者】よ』

「え?」

 スキル【聖者】。確かスキルの獲得条件は任意の宗教に属した状態で同じ宗教の教徒に心からの善意で救いを与えること。

 日本には無宗教の人が多く、美月も同様に何かしらの宗教に属しているわけでは無いのでそもそも取得できない筈である。

 そんなスキルを何故……?

『現状分かっている効果としては、一切の訓練をせずに回復魔法が使えるようになることと身体能力の向上。美月さんが言うにはまだスキルの全ては開放されていないらしいわ』

「何それ……?」

 記憶が正しければ、スキル【聖者】の効果は誰かを癒す際に等級に応じて1~5%のボーナスがかかるだけ。

 他のスキルも全体的にしょぼいが、特にこれは名前負けしているなと思って苦笑いした記憶がある。

『流石に即戦力とまではいかないけれど、戦闘中安心して任せられると思うわ』

「そうなんだ」

 恐らく杏奈さんはそこら辺の検証をしていたから時間がかかってしまっていたのだろう。

『とりあえず、安心して私たちは攻略に専念できることが分かった。後は攻略に挑むだけよ』

「そうだね」

「二人のレベル上げが済んだから、早速このダンジョンを攻略します。私たちについてきてください」

「「「はい!!」」」

 準備が終わったので大所帯でのダンジョン攻略が始まった。
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