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第一話 コレクター【事件編】
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わざわざ全てを聞かずとも巌鉄は知っている。遺体は目玉を綺麗にくり抜かれていることを。それこそ、マスコミ様がこぞって報道してくれているから、誰もが知っていることだろう。
「はい。現場からは被害者の体の一部……目玉は見つかっていません。持ち帰ったみたいです」
赤信号と渋滞。少し進んでは止まり、また少し流れては止まる。何本目か分からぬ煙草に火を点けつつ、巌鉄はぽつりと漏らした。
「倉科。そいつは、あくまでもマスコミ連中が言ってることだろ? 遺体に目玉が残されていなかった。きっと持ち帰ってコレクションにしているに違いない――ってのは、はっきり言って素人の考えだよ。もしかすると、何かしらの理由で目玉をくり抜いた犯人は、目玉をどこかに破棄しているのかもしれない。あまり考えたくないが、その場で喰ってる可能性だってゼロじゃねぇだろ。確かに、頭のおかしい殺人鬼の中には、殺人の証拠として遺体の一部を持ち去るやつもいるらしい。ただ、俺の読みだと、どうやらこの事件、そんなに簡単じゃねぇんだよなぁ――まぁ、いい。続けてくれ。2人目のガイシャは?」
現場に到着するまで、まだ時間はじっくりとあった。倉科から事件の概要を聞き出す時間は充分すぎるほどにあるだろう。手持ち無沙汰にならなくていい。
「あ、はい。2人目の被害者は小松翔子で、年齢は18歳。こちらもほとんど家には帰らず、雨立街に出入りしていたみたいです。こちらも遺体は路地裏にあるゴミ箱の中から発見。目立った外傷は腹部の刺し傷と、目玉がくり抜かれていることくらいです。最初の犠牲者と同じく、腹部を何度も刺されていますが、こちらは臓器損傷による多臓器機能不全により死亡。もちろん目玉はくり抜かれていました。そして、何よりも特筆すべきは、遺体の発見者がまたしても【グラウンドゼロ】のマスターだったってことです」
最初の事件と2番目の事件。遺体を発見した人物が同一人物というのは、どう考えたって怪しかった。この話が引っかからないわけがない。
「その【グラウンドゼロ】とかいう店のマスターについては調べてあるか?」
巌鉄の言葉に「少しお待ちを――」と資料をめくる倉科。しばらくすると「ありました」と漏らし、淡々と続ける。
「マスターの名前は新山剛蔵――25歳。持ち店である【グラウンドゼロ】は、昼間は喫茶店という体裁で営業しており、夜になるとバーみたいな様相になっていたみたいです。マスターが雨立街に店を開いたのは、今から5年ほど前だったみたいです」
「はい。現場からは被害者の体の一部……目玉は見つかっていません。持ち帰ったみたいです」
赤信号と渋滞。少し進んでは止まり、また少し流れては止まる。何本目か分からぬ煙草に火を点けつつ、巌鉄はぽつりと漏らした。
「倉科。そいつは、あくまでもマスコミ連中が言ってることだろ? 遺体に目玉が残されていなかった。きっと持ち帰ってコレクションにしているに違いない――ってのは、はっきり言って素人の考えだよ。もしかすると、何かしらの理由で目玉をくり抜いた犯人は、目玉をどこかに破棄しているのかもしれない。あまり考えたくないが、その場で喰ってる可能性だってゼロじゃねぇだろ。確かに、頭のおかしい殺人鬼の中には、殺人の証拠として遺体の一部を持ち去るやつもいるらしい。ただ、俺の読みだと、どうやらこの事件、そんなに簡単じゃねぇんだよなぁ――まぁ、いい。続けてくれ。2人目のガイシャは?」
現場に到着するまで、まだ時間はじっくりとあった。倉科から事件の概要を聞き出す時間は充分すぎるほどにあるだろう。手持ち無沙汰にならなくていい。
「あ、はい。2人目の被害者は小松翔子で、年齢は18歳。こちらもほとんど家には帰らず、雨立街に出入りしていたみたいです。こちらも遺体は路地裏にあるゴミ箱の中から発見。目立った外傷は腹部の刺し傷と、目玉がくり抜かれていることくらいです。最初の犠牲者と同じく、腹部を何度も刺されていますが、こちらは臓器損傷による多臓器機能不全により死亡。もちろん目玉はくり抜かれていました。そして、何よりも特筆すべきは、遺体の発見者がまたしても【グラウンドゼロ】のマスターだったってことです」
最初の事件と2番目の事件。遺体を発見した人物が同一人物というのは、どう考えたって怪しかった。この話が引っかからないわけがない。
「その【グラウンドゼロ】とかいう店のマスターについては調べてあるか?」
巌鉄の言葉に「少しお待ちを――」と資料をめくる倉科。しばらくすると「ありました」と漏らし、淡々と続ける。
「マスターの名前は新山剛蔵――25歳。持ち店である【グラウンドゼロ】は、昼間は喫茶店という体裁で営業しており、夜になるとバーみたいな様相になっていたみたいです。マスターが雨立街に店を開いたのは、今から5年ほど前だったみたいです」
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