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第一話 コレクター【事件編】
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がたいがでかく、とにかく圧がある。長さが揃っていない髭は、無精髭というやつだろう。楠野は知らない顔だった。
「俺だって暇じゃねぇんだよ。それに、まだ俺は30代だ。おっさんじゃねぇ」
巌鉄と呼ばれた男は、グレーのトレンチコートらしきものを羽織っており、それを脱がずに坂田の隣に着席。吸い殻が山盛りになった灰皿を眺めつつ、さっそく煙草に火を点けた。
「ったく、お前ら未成年だろうが。堂々と煙草吸いやがってよ」
そう言いながら、本人は実に美味そうに煙を吐き出す。呼び出しボタンというものがあるのだが、たまたま通りかかったウエイターに手を挙げて「ホットコーヒー」と一言。ウエイターが困ったような表情を浮かべているの見かねたのか「ドリンクバー追加だってよ」とオーダーする。
「ここは喫茶店じゃねぇんだよ。飲みもんは飲み放題を頼んで自分で持ってくるんだよ。マジで昭和だな。おっさん」
「うるせぇ――。自分で持ってくるのかよ。面倒臭い世の中になったもんだなぁ」
楠野の視線にやっと気づいてくれたのか、坂田が男のことを紹介してくれた。
「あぁ、こいつは巌鉄のおっさん。こう見えて、あー、なんていうか、ちょっと複雑なんだが」
「警察の関係者だと思ってもらっていい」
坂田の言葉を遮った巌鉄から、握手を求められる。楠野が握り返すと、かなり強い力で握手された。力加減というものが分かっていないらしい。しかめっ面を浮かべるのを我慢する。
「俺、楠野って言います。雨立街で坂田とつるんでます」
警察の人間というだけで、横柄な態度を取ったり、見せたりする仲間がいるが、そういうのはガキだと思っている楠野。常識的な受け答えを意識する。
「へぇ、俺も雨立街じゃ結構顔が知られてるんだがな。あそこにいながら俺のことを知らないってことは、かなりの優等生ってことになるか」
雨立街に出入りしている時点で、決して優等生ではない。おそらく、巌鉄の言うところの優等生とは、犯罪などに手を染めず、警察の世話になっていないことを指すのであろう。ギリギリのことはやったことがあるのだが、アウトになったことはない。
「まぁ、こんなことを言うと怒られそうだけど、うまいこと立ち回ってますから」
握手から解放されると楠野は立ち上がった。
「コーヒー、ブラックでいいっすか?」
「お、持って来てくれるのか。さすが、こいつとは違うなぁ」
巌鉄の言葉に「うっせぇよ。おっさん」と悪態をつく坂田。彼の交友関係までは知らなかったが、まさか警察関係者と知り合いだとは。銀山達から逃げる際に言っていた頼る先も、おそらく顔鉄のことなのであろう。
「俺だって暇じゃねぇんだよ。それに、まだ俺は30代だ。おっさんじゃねぇ」
巌鉄と呼ばれた男は、グレーのトレンチコートらしきものを羽織っており、それを脱がずに坂田の隣に着席。吸い殻が山盛りになった灰皿を眺めつつ、さっそく煙草に火を点けた。
「ったく、お前ら未成年だろうが。堂々と煙草吸いやがってよ」
そう言いながら、本人は実に美味そうに煙を吐き出す。呼び出しボタンというものがあるのだが、たまたま通りかかったウエイターに手を挙げて「ホットコーヒー」と一言。ウエイターが困ったような表情を浮かべているの見かねたのか「ドリンクバー追加だってよ」とオーダーする。
「ここは喫茶店じゃねぇんだよ。飲みもんは飲み放題を頼んで自分で持ってくるんだよ。マジで昭和だな。おっさん」
「うるせぇ――。自分で持ってくるのかよ。面倒臭い世の中になったもんだなぁ」
楠野の視線にやっと気づいてくれたのか、坂田が男のことを紹介してくれた。
「あぁ、こいつは巌鉄のおっさん。こう見えて、あー、なんていうか、ちょっと複雑なんだが」
「警察の関係者だと思ってもらっていい」
坂田の言葉を遮った巌鉄から、握手を求められる。楠野が握り返すと、かなり強い力で握手された。力加減というものが分かっていないらしい。しかめっ面を浮かべるのを我慢する。
「俺、楠野って言います。雨立街で坂田とつるんでます」
警察の人間というだけで、横柄な態度を取ったり、見せたりする仲間がいるが、そういうのはガキだと思っている楠野。常識的な受け答えを意識する。
「へぇ、俺も雨立街じゃ結構顔が知られてるんだがな。あそこにいながら俺のことを知らないってことは、かなりの優等生ってことになるか」
雨立街に出入りしている時点で、決して優等生ではない。おそらく、巌鉄の言うところの優等生とは、犯罪などに手を染めず、警察の世話になっていないことを指すのであろう。ギリギリのことはやったことがあるのだが、アウトになったことはない。
「まぁ、こんなことを言うと怒られそうだけど、うまいこと立ち回ってますから」
握手から解放されると楠野は立ち上がった。
「コーヒー、ブラックでいいっすか?」
「お、持って来てくれるのか。さすが、こいつとは違うなぁ」
巌鉄の言葉に「うっせぇよ。おっさん」と悪態をつく坂田。彼の交友関係までは知らなかったが、まさか警察関係者と知り合いだとは。銀山達から逃げる際に言っていた頼る先も、おそらく顔鉄のことなのであろう。
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