ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―

鬼霧宗作

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第一話 コレクター【事件編】

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【3】

「ってところかしらね。正直なところ、第一と第二の犠牲者を見つけたのは、たまたまね。買い出しに出ている最中に最初の子を見つけて、ゴミを捨てようとしたら2番目の子を見つけた――ってだけのことだから」

 おそらく、自分の知っているであろうことを吐き出した新山は、小さく溜め息をもらした。彼にとって今のが何度目の証言になるかは知らない。協力してくれるとは言ったものの、やはり同じ話ばかりを何度もしなければならないというのは苦痛だろう。

「最初の遺体は道端に転がってたんだから、たまたまだと言えるだろう。でも、次の犠牲者についてはどうだ? わざわざゴミ箱を開けているのに、それでもたまたま――偶然だと言えるのか?」

 巌鉄も容赦なく切り込んでいく。新山を疑っているというより、片っ端から不審点を洗い出しているといった具合だ。この辺りの所作は、さすが警察の人間といったところか。

「雨立街ではね、それぞれの地区に決まったゴミ箱があって、それを使わないといけないの。そのゴミ箱が――これ以上は言わなくても分かるでしょ? 刑事さん」

 巌鉄は少し考えるような様子を見せ「あ、いや。そういうことならいいんだ」と、煙草を取り出す。じっとりと冷たい高架下には、煙草の煙が蔓延している。ただ話を聞いているだけの立場となる楠野と坂田にいたっては、お互いに2箱目に手をつけたところだが、もはや巌鉄も何も言わなくなっていた。

「こう言うと気分を悪くされるかもしれんが、どうにも貴方を犯人にしたい誰かがいるとしか思えんな。特に第三の事件なんてそうだ。現場には、新山さんと、このガキ共しかいなかったんだろ?」

 例の事件のことは、今でも鮮明に思い出せる。横たわった紫衣流の虚空を見つめる瞳。それと目が合った時、全身から血の気が引いていったのを覚えている。

 事件当時、まだ【グラウンドゼロ】は開店準備中だった。ただ、外が雨だったりすると、開店時間前だろうがなんだろうが、客を店に入れたりする。それが、坂田と楠野、殺害された紫衣流だった。

「そうね。店は開店前だったから、店の出入り口はもちろんのこと、勝手口にも内側から鍵をかけておいたわ。で、私は仕込みを厨房でしていたんだけど、仁ちゃんと鐘ちゃんが血相を変えて厨房に入ってきたのよ」

 巌鉄の問いかけに淡々と答える新山だが、やはりオネェ言葉が邪魔をして、なんだか受け答えが滑稽に見えてしまう。

「で、お前らは店のほうにガイシャ――いや、殺害されてしまった犠牲者と一緒にいたんだろ? その時のことを詳しく話してみろ」
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