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第一話 コレクター【事件編】
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現場の状況はいたってシンプル。厨房では新山が開店の準備をしていた。店内には坂田、楠野、紫衣流がおり、それぞれ離れて眠っていたわけだ。店の出入り口は勝手口も含めて施錠されていたから、第三者が侵入したとは考えにくい。いや、もしかすると店内に入り込む手段があったのかもしれないが。
「それで、お前らが寝ている間にガイシャは殺された――と。マスター、何かその辺りの時間帯で気になることとかなかったか?」
名前で呼ぶのが面倒になったのだろう。新山に対して問いかける巌鉄。新山は記憶を引っ張り出すかのごとく宙に視線を投げた。
「確か、昨日の仕込みの都合で、ずっと水をシンクに出しっぱなしにしてたから、よほど大きな音でもしなきゃ気づけなかったかも。うちの厨房、位置関係の都合か、店内からの声が通りにくいのよ。一度厨房に入っちゃうと、お客さんに呼ばれても気づかないくらいだから」
新山が言う通り【グラウンドゼロ】の厨房は、客商売をするには構造が悪い。店があり、トイレと勝手口のある廊下を挟んだ向かい側に厨房があるのだ。トイレに行った際、厨房へと出入りする新山を何度か見たことがあるから間違いない。
「そいつは不便だな。客商売するにもやりにくそうだし」
巌鉄の言葉に楠野は小さく頷いた。あの店、忙しい時間帯であれば、一応お手伝いがいるからいいのだが、ピーク時以外は基本的に新山が1人で回している。ゆえに店員がいないなんてこともざらであり、だからこそ【グラウンドゼロ】は料金と料理の引き換え制なのだろうと楠野は思っていた。
「一応、店員を呼びつけるブザーが、店内と店の外に設置してあるの。インターフォンが店の外と中についてるみたいな感じね。それが厨房に繋がっているのよ」
前に新山から聞いた話だが、厨房にいると来客に気づかないこともあるらしい。それを解消するために、元は店の外にしか設置していなかったインターフォンを、店の中にも設置した。それは客であれば誰でも知っていることだが、実際に店の中のインターフォンは使ったことがなかった。オーダーがあれば、勝手に厨房へと向かって、新山に注文してしまうからだ。使うとしたら、開店前に店に入れてもらう際、外に設置されているインターフォンを鳴らすくらいだ。
「なるほど。つまり少しの物音がしたくらいじゃ、厨房にいたマスターには聞こえねぇってことか。それで、どっちがガイシャの遺体を発見した? 話の流れからすると、お前らが起きた時点でガイシャは殺されていたんだろ?」
「それで、お前らが寝ている間にガイシャは殺された――と。マスター、何かその辺りの時間帯で気になることとかなかったか?」
名前で呼ぶのが面倒になったのだろう。新山に対して問いかける巌鉄。新山は記憶を引っ張り出すかのごとく宙に視線を投げた。
「確か、昨日の仕込みの都合で、ずっと水をシンクに出しっぱなしにしてたから、よほど大きな音でもしなきゃ気づけなかったかも。うちの厨房、位置関係の都合か、店内からの声が通りにくいのよ。一度厨房に入っちゃうと、お客さんに呼ばれても気づかないくらいだから」
新山が言う通り【グラウンドゼロ】の厨房は、客商売をするには構造が悪い。店があり、トイレと勝手口のある廊下を挟んだ向かい側に厨房があるのだ。トイレに行った際、厨房へと出入りする新山を何度か見たことがあるから間違いない。
「そいつは不便だな。客商売するにもやりにくそうだし」
巌鉄の言葉に楠野は小さく頷いた。あの店、忙しい時間帯であれば、一応お手伝いがいるからいいのだが、ピーク時以外は基本的に新山が1人で回している。ゆえに店員がいないなんてこともざらであり、だからこそ【グラウンドゼロ】は料金と料理の引き換え制なのだろうと楠野は思っていた。
「一応、店員を呼びつけるブザーが、店内と店の外に設置してあるの。インターフォンが店の外と中についてるみたいな感じね。それが厨房に繋がっているのよ」
前に新山から聞いた話だが、厨房にいると来客に気づかないこともあるらしい。それを解消するために、元は店の外にしか設置していなかったインターフォンを、店の中にも設置した。それは客であれば誰でも知っていることだが、実際に店の中のインターフォンは使ったことがなかった。オーダーがあれば、勝手に厨房へと向かって、新山に注文してしまうからだ。使うとしたら、開店前に店に入れてもらう際、外に設置されているインターフォンを鳴らすくらいだ。
「なるほど。つまり少しの物音がしたくらいじゃ、厨房にいたマスターには聞こえねぇってことか。それで、どっちがガイシャの遺体を発見した? 話の流れからすると、お前らが起きた時点でガイシャは殺されていたんだろ?」
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