ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―

鬼霧宗作

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第二話 Q&A【プロローグ】

第二話 Q&A【プロローグ】1

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 そこまで雰囲気を出す必要もなかろうに――やりすぎなくらいピンクに包まれた部屋には、キングサイズのベッド。俗にいうラブホテルの一室。

 どこに行っても風呂場は広いくせに、浴槽は馬鹿みたいに小さい。もっとも、ここは風呂屋ではないから、文句を言っても仕方がないのだが。そもそも、浴槽なんてのは名前だけで、男女が性行為を致すために装置にすぎない。浴槽に湯をため始めたから、てっきりそういうつもりだとばかり思っていた彼女は、1人で浴槽に入ることになって拍子抜けしていた。いくら待っても相手が浴室に入ってくる気配はない。仕方がなく、ぬるくなってしまった湯船に無理矢理つかり、シャワーで洗い流して浴室を出た。素っ裸というわけにはいかないから、洗面所にあった白いガウンを羽織る。

「どうぞ、あんたもシャワー浴びてくれ……」

 部屋に戻った彼女は、その異様な光景に言葉を失った。一緒にホテルに入ったはずの相手は、なぜだか真っ黒なローブを身に纏っていた。顔は黒の目出し帽で隠しており、目出し帽の頭のところには【?】のマークが付けられていた。

「第一問。女は本当に愛した男にのみ股を開くべきである。まるかばつか?」

 手にはナタのようなものが黒光りしている。随分と大きなスーツケースを持っているなとは思っていたが、中にはローブとナタが入っていたようである。

「は? 何やってるの?」

 本能的な危険を感じた彼女は、苦笑いを浮かべつつ後退りをする。

「答えろ。まるかばつか?」

 後退りに合わせて相手は一歩足を踏み出す。残念ながら部屋の出入り口は向こう側。彼女が後退った先には浴室と――突き当たりに小さな窓があるだけ。

「――帰る。こういう変態みたいなプレイは聞いてない」

 相手がなんのつもりなのかは分からないが、ここは強気で押し切ったほうがいい。それに、もしこれがあちらなりのプレイなのであれば、こちらが本気で嫌がることを見せれば、やめてくれるかもしれない。そんな淡い期待は、残念ながら打ち砕かれてしまった。

「帰ることは許されない。さぁ、答えよ」

 明らかに様子がおかしい。どう表現していいのか分からないのだが、そう――こいつはイカれている。大体、その問いに答えたから何になるというのだろうか。ただ、相手がどうやら本気であるということは、ひしひしと伝わってきた。下手な反応を見せたら、何をされるか分かったものではない。

「ま……まる?」

 やや疑問形で答えてしまった背景には、今の自分の立場があった。金をもらって売春している身としては、ばつと答えるべきなのであろうが。
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