ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―

鬼霧宗作

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第二話 Q&A【事件編】

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 ラブホテルの一室で、女性の遺体が見つかったという事件。この事件は発生当初、その奇妙な様相から、マスコミがこぞって報道した。刑事をやって長い巌鉄ではあるが、つい最近【コレクター】が逮捕されたばかりだというのに、また身近で事件が起きてしまうなんて、物騒な世の中になったと思う。正直、殺人事件というものを取り上げるのであれば、実のところ頻繁に発生しているものだが、しかし異常性の高い事件となれば話は別だった。

 まだ今回の事件に名前はつけられていない。連続的に発生したものではなく、まだ被害者は千秋だけだった。それなのに、なぜゆえにマスコミがこぞって飛びついたのか。それは、現場の異様さにある。

 まず遺体の手首がなくなっていた。以前の【コレクター】事件のように持ち去っていた――まぁ、実際は喰っていたわけだが、そういうことはなく、切り落とされた手首は、両方とも現場から発見されている。しかも、鑑識の話だと、片方の手首には生活反応が見られたとか――すなわち、生きたまま手首を切り落とされたということになる。

 極めつけで異様なのは、遺体の首から上が切断されていたということ。こちらには生活反応が見られず、殺害した後に切断したのであろうとの見解らしいが、生きていようが死んでいようが、人間の首を切り落とすとは酔狂なものだ。

 挙げ句の果てにマスコミの餌となったのは、現場となった部屋の壁に残された血文字だった。この血は被害者の血で書かれていたことが分かっている。ただ、その内容が意味不明なのだ。

【第一問 体力のしっぽを切り取ったら何になる?】

 このメッセージこそ、マスコミが事件をこぞって取り上げた理由だ。そのうち【なぞなぞ殺人】とか名前がついてしまいそうだ。ただ、警察とて馬鹿ではないから、ある程度の箝口令は敷かれている。現場にはなぞなぞらしきメッセージが残されていたとは報道されているが、実際にどんな内容だったかまでは報道されてはいない。では、なぜ巌鉄がそれを知っているのか。言うまでもなく、研修中の一課刑事に懐かれているからである。

「被害者に付きまとっていた男か。そんな話、まだどこからも出ていないな。分かった、俺から捜査一課のほうに引き継ぎを――」

 いきなり巌鉄は右腕を強く掴まれた。舞香が両手で巌鉄の手首を掴み、首を強く横に振る。

「事件の犯人。私の手で暴いてやりたいんだ。そうじゃないと私の気が済まない」
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