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第二話 Q&A【事件編】
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自分達で勝手にやる。元より巌鉄はそのつもりでいたのであるが、坂田が言葉にしたことで改めて思い知らされる。巌鉄は刑事としてあるまじきことをしようとしている。前回の【コレクター】の事件だって、基本的に捜査一課が動いていたし、結果的に事件をフォローした形になっただけ。現状、特にお咎めはないが、しかし巌鉄のやったことは褒められたことではなかった。しかも、今回調べようとしているのは、被害者が相談に訪れていたにも関わらず起きてしまった事件。実際、どのように対応したのかは、対応した本人にしか分からないが、どんなに丁寧な対応をしていても、一度は追い返してしまっている以上、警察にとっては風当たりが強く、慎重に捜査を進めねばならない。間違っても巌鉄が首を突っ込んで、掻き回していい事件ではない。
「俺達で囮捜査? 大体、そんな危険なことを引き受けてくれる人間が――いや、心当たりがないわけじゃないか」
頭では分かっている。自分が関わるべき事件ではないと。いや、本能的にも察していた。この事件に首を突っ込むべきではないと。けれども、それとは裏腹に、巌鉄は真逆の行動を取る。机の上に鎮座する固定電話に手を伸ばした。隙をついて煙草を新たにくわえて火を点ける坂田。巌鉄が舌打ちをすると「かてぇこと言うなって」と開き直った。仕方がなく巌鉄は警察手帳を取り出す。葬式の時、ここに交換した番号を書いておいたはず。
巌鉄が11桁の番号を打ち込むと、何度か呼び出し音がしたのちに相手が電話に出た。
「はい橋本です」
携帯電話は固定電話と違い、家庭ではなく個人へと電話をかける。すなわち、かける相手が最初から決まっているがゆえに、名乗らない人も多い。だから先に名乗ってもらえると妙な安堵感のようなものがある。
「橋本さんか。俺だ、巌鉄だ。ちょっとお願いしたいことがあるんだが」
そう、巌鉄が電話をかけた相手は舞香だった。犯人を自分の手で捕まえたいという、明らかに無謀な願望に、しかし巌鉄はどこか心を打たれて彼女と手を組むことになった。危険であることは間違いないが、囮をお願いするのであれば、彼女ほどの適役はいないのではないだろうか。
「……いいじゃんそれ。やる! やるやる! やるよ!」
一応、危険を伴うものだし、本人が嫌ならば断ってもらってもいい――ということを伝えたのであるが、巌鉄の提案を聞くや否や、電話越しでも分かるくらい前のめりな返事をしてくる舞香。
「俺達で囮捜査? 大体、そんな危険なことを引き受けてくれる人間が――いや、心当たりがないわけじゃないか」
頭では分かっている。自分が関わるべき事件ではないと。いや、本能的にも察していた。この事件に首を突っ込むべきではないと。けれども、それとは裏腹に、巌鉄は真逆の行動を取る。机の上に鎮座する固定電話に手を伸ばした。隙をついて煙草を新たにくわえて火を点ける坂田。巌鉄が舌打ちをすると「かてぇこと言うなって」と開き直った。仕方がなく巌鉄は警察手帳を取り出す。葬式の時、ここに交換した番号を書いておいたはず。
巌鉄が11桁の番号を打ち込むと、何度か呼び出し音がしたのちに相手が電話に出た。
「はい橋本です」
携帯電話は固定電話と違い、家庭ではなく個人へと電話をかける。すなわち、かける相手が最初から決まっているがゆえに、名乗らない人も多い。だから先に名乗ってもらえると妙な安堵感のようなものがある。
「橋本さんか。俺だ、巌鉄だ。ちょっとお願いしたいことがあるんだが」
そう、巌鉄が電話をかけた相手は舞香だった。犯人を自分の手で捕まえたいという、明らかに無謀な願望に、しかし巌鉄はどこか心を打たれて彼女と手を組むことになった。危険であることは間違いないが、囮をお願いするのであれば、彼女ほどの適役はいないのではないだろうか。
「……いいじゃんそれ。やる! やるやる! やるよ!」
一応、危険を伴うものだし、本人が嫌ならば断ってもらってもいい――ということを伝えたのであるが、巌鉄の提案を聞くや否や、電話越しでも分かるくらい前のめりな返事をしてくる舞香。
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