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第二話 Q&A【事件編】
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「とにかく、実際に【アキト】とやらと接触してみるか。今後も俺が【アキト】とやり取りをして、今後の段取りを組む。詳細はおっさんに報せるからよ、そこからは勝手にやり取りしてくれ」
そう言いながら立ち上がる坂田。残ったコーヒーに口をつけると「くそ、やっぱり苦ぇなぁ」と一言。結局、半分くらい残したままカップをテーブルの上に戻してしまった。
「待って。あのね、私だって暇じゃないんだから、いきなり日取りが決まっても調整できない。事前にある程度の日取りが分かっていないと、決まった後になって無理なんてこともあり得るよ」
舞香が今なにをしているかは分からないが、常識的に考えて学生か社会人といったところだろう。坂田のように毎日ふらふらしているわけではないだろうから、時間的な制約もある。いつでもスタンバイというわけにはいかないのだろう。むろん、あくまでも非公式な捜査であるゆえ、少年課の刑事という立場がある巌鉄もまた、ある程度の時間調整が必要だが。
「それじゃあよ、相手とのやり取りを逐一おっさんに――」
「いやいや、巌鉄さんを間に挟む必要ないでしょ? その携帯電話はサイトで【アキト】とやり取りするためだけにあるの? 私と連絡先を交換したらいいじゃない。携帯、貸して」
連絡先の交換。もう少し先の時代になると当たり前になるのだが、まだ個人の電話番号が定着していない時代においては、どうしても連絡手段の発想がアナログになってしまう。坂田がわざわざ巌鉄を経由して舞香と連絡を取り合おうとしていた辺りも、その弊害といえよう。なかば無理矢理に坂田から携帯を取り上げた舞香は、慣れた手つきで携帯を操作する。坂田と舞香の携帯は同じような形だったから、操作も似ているのかもしれない。
「電話帳の登録ゼロ……あんた、友達いないの?」
携帯電話を操作しながら、舞香が小さく笑みを漏らすと「いないんじゃねぇ。いらねぇんだよ」と返す坂田。もし、彼が――鐘がこの場にいたら、きっといの一番に坂田の携帯に連絡先が登録されていたに違いない。
「これでよし。面倒をかけるかもしれないけど、日取りについては、まず私の予定を確認するようにしてくれない? 私だって心の準備が必要だから」
坂田と舞香が連絡先を交換したところで、今後の方針はほぼ決定したといえよう。今後も坂田が【アキト】とやり取りをし、日取りが決まったら囮捜査を実行に移す。
話がまとまったからか、解散の流れとなる。各々が立ち上がると、巌鉄はマスターが消えた扉のほうに向かって「御馳走さん」と声をかけ、千円札を2枚テーブルの上に置いた。
店の外に向かって歩き出した一同を尻目に、坂田の残したコーヒーカップには冷めた黒が佇んでいたのであった。
そう言いながら立ち上がる坂田。残ったコーヒーに口をつけると「くそ、やっぱり苦ぇなぁ」と一言。結局、半分くらい残したままカップをテーブルの上に戻してしまった。
「待って。あのね、私だって暇じゃないんだから、いきなり日取りが決まっても調整できない。事前にある程度の日取りが分かっていないと、決まった後になって無理なんてこともあり得るよ」
舞香が今なにをしているかは分からないが、常識的に考えて学生か社会人といったところだろう。坂田のように毎日ふらふらしているわけではないだろうから、時間的な制約もある。いつでもスタンバイというわけにはいかないのだろう。むろん、あくまでも非公式な捜査であるゆえ、少年課の刑事という立場がある巌鉄もまた、ある程度の時間調整が必要だが。
「それじゃあよ、相手とのやり取りを逐一おっさんに――」
「いやいや、巌鉄さんを間に挟む必要ないでしょ? その携帯電話はサイトで【アキト】とやり取りするためだけにあるの? 私と連絡先を交換したらいいじゃない。携帯、貸して」
連絡先の交換。もう少し先の時代になると当たり前になるのだが、まだ個人の電話番号が定着していない時代においては、どうしても連絡手段の発想がアナログになってしまう。坂田がわざわざ巌鉄を経由して舞香と連絡を取り合おうとしていた辺りも、その弊害といえよう。なかば無理矢理に坂田から携帯を取り上げた舞香は、慣れた手つきで携帯を操作する。坂田と舞香の携帯は同じような形だったから、操作も似ているのかもしれない。
「電話帳の登録ゼロ……あんた、友達いないの?」
携帯電話を操作しながら、舞香が小さく笑みを漏らすと「いないんじゃねぇ。いらねぇんだよ」と返す坂田。もし、彼が――鐘がこの場にいたら、きっといの一番に坂田の携帯に連絡先が登録されていたに違いない。
「これでよし。面倒をかけるかもしれないけど、日取りについては、まず私の予定を確認するようにしてくれない? 私だって心の準備が必要だから」
坂田と舞香が連絡先を交換したところで、今後の方針はほぼ決定したといえよう。今後も坂田が【アキト】とやり取りをし、日取りが決まったら囮捜査を実行に移す。
話がまとまったからか、解散の流れとなる。各々が立ち上がると、巌鉄はマスターが消えた扉のほうに向かって「御馳走さん」と声をかけ、千円札を2枚テーブルの上に置いた。
店の外に向かって歩き出した一同を尻目に、坂田の残したコーヒーカップには冷めた黒が佇んでいたのであった。
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