ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―

鬼霧宗作

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第二話 Q&A【事件編】

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 本当に、ここから先のはったりは通用しない。どうしても力業になってくるだろう。

「VIPルームの前にも見張りがいるな。数はちょうど2人。銀山、1人やれるか? できるだけ目立たないように」

 銀山に問うと、相変わらず気味悪い笑みを浮かべる銀山。

「不意打ちは俺の得意中の得意だ。目立たねぇようにやるくらい朝飯前よぉ」

 正直、銀山に全てを任せるつもりはなかった。けれども、銀山は坂田よりも先行し、フラフラとVIPルーム前へと到着。

「あ? お前見たことねぇ顔だな。ここはお前達みたいなのが近寄っていいところじゃ……」

 喋っている途中だというのに、相手はそこで言葉を失ってしまう。いいや、失ったのではない。喋りたくとも喋れないのだ。なんせ、銀山が首に手を伸ばしたまま、体を持ち上げたのだから。

 喉輪をかけられたまま宙に持ち上げられた形。当然、床に足はついておらず、宙ぶらりんの状態。苦しげに足をばたつかせていたが、急に静かになった。

「心配すんな。ちっと落としてやっただけだからよ」

 隣で仲間が吊し上げられ、抵抗することもできずに絞め落とされたような形になってしまった。横たわった仲間に驚いている様子の見張りの男に向かって、銀山は笑みを浮かべて続けた。

「俺は銀山。雨立街っていう、完全に治安が終わってるところで頭を張ってんだわ」

 仲間があっという間にやられたのを見て、どうしようかと迷ったのであろう。銀山はその隙を見逃さなかった。全く同じようにして、片腕だけで男に喉輪を決めると、意識を失った男を放り投げた。

「坂田ちゃん。ちょっと俺のこと、みくびってだろ?」

 坂田と銀山で手分けをするつもりだったが、銀山が単独で、しかも音もなく2人の人間を絞め落としてしまった。

「なるほど、雨立街で一目置かれてるのも理由があるってことだな。まぁ、俺は認めねぇけど」

 もう少し騒ぎになるかと思ったのだが、あっさりと銀山が解決してくれた。これはこれで結果オーライというやつであり、無駄な労力を使わずに問題を除けたのだから言うことなしだ。

「坂田ちゃんはつれねぇなぁ。これでも俺はお前を認めてんだぜ」

 以前から銀山との間には溝があったはずなのだが、例の【コレクター】の事件を解決して以来、銀山のほうが坂田に擦り寄ってきている印象があった。前のように目の敵にされることはなくなったが、これはこれで面倒ではある。
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