ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―

鬼霧宗作

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第二話 Q&A【事件編】

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「どうやら、そっちのお盛んなワンちゃんのせいで、うちの犬も発情しちまったのかもしれねぇな」

 銀山と取り巻き連中の乱闘。どちらが勝つのかなんて見るまでもなかった。そういった点では、坂田は銀山のことを信頼していた。

「おいおい、もうちょっと躾けておけよ。やり合うにしても作法ってもんがあるだろ? 作法ってもんが」

 男2人を片手ずつで軽々と持ち上げる銀山。それをそのまま金髪の男のほうへと放り投げる。さすがの坂田でも真似できない、銀山の馬鹿力。あっという間に勝負はついてしまった。

「お前のところの犬は室内飼いなんだろうが、生憎とこいつは手のつけようがない野良犬でなぁ。油断すると飼い主の手まで噛もうとするんだ」

 坂田の言葉に「そうそう、虎視眈々と狙ってんだ――って、俺を犬呼ばわりかよ!」と、面白くもなんともない返しをしてくる銀山。しかし、辺りが微妙な空気になったのが面白くて、坂田は笑いを堪えるので精一杯だった。

「さて、悪いが主導権はこっちが握らせてもらったぜ。どうする? こいつの馬鹿力で落とされるか、それとも素直に知っていることを吐くか……」

 坂田が言い終わる前に、金髪の男が動いた。こちらが反応するよりも――なによりも、本人である銀山が動くよりも早く、金髪の男は銀山のほうへと向かい、そして、銀山の体をすり抜けた。本当にすり抜けたわけではないのだろう。ただ、坂田の目にはそう映ったのである。

「主導権は……どっちが握ったって?」

 金髪の男が坂田に問うと同時に、銀山が片膝をついた。両腕の関節が外れてしまっているらしく、両腕が肩からだらりと垂れていた。

「お前、なにしやがった?」

 銀山の言葉に、金髪の男は笑いながら飴玉をくわえる。スティックの先に飴玉がついているタイプのもの。確かロリポップといったか。

「どんなに強いやつでも、絶対に鍛えられない部分がある。それがどこか知ってるか? 関節だよ、関節。だから、そいつをちょっと外してやったのさ」

 目にも止まらぬ速さで、銀山の関節を外したというのか。とても信じられたものではないが、しかし実際に銀山は一瞬で関節を外されてしまった。

「へぇ、面白い特技を持ってるなぁ。こいつは、お話し合いじゃ分かり合えそうにねぇか」

 この男には聞きたいことが山ほどある。いいや、聞かねばならないことが多すぎる。もし、こいつらが事件に関与していたとしたら、それはそれで面倒なことになるだろう。なんにせよ、まずは相手の口を割らなければ話にならない。
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