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第二話 Q&A【事件編】
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【8】
「ちょっと、どういうつもりですか? いきなり人の家に上がり込んできて!」
ようやくひと段落ついたというのに、それを土足で踏みじられている気にでもなっているのだろう。心情は察するが、しかし可能性がある以上、しっかりと捜査をさせてもらわねばならない。巌鉄は家の人間に対して、一応の説明を繰り返す。
「すいません。令状は出ていませんが、調べなければならないことがありまして」
先行して坂田が階段をのぼりながら、巌鉄の方へと振り返る。
「おっさん、被害者の部屋は2階でいいんだよな?」
現場は犠牲者となった千秋の自宅だった。猟奇的な殺人鬼に娘を殺害され、葬儀のばたばたからようやく解放されたであろう家の中は、やはり多少は荒れていた。
「一体、なんなんですか? 警察だからって好き放題していいわけじゃないでしょ!」
巌鉄に抗議をしているのは、千秋の父親だった。最初は捜査に協力を求める形で、娘の部屋を調べさせて欲しいとお願いしたのであるが、それは真っ向から拒否されてしまった。そこで坂田がなかば無理矢理に家の中に上がり込んで現在にいたる。
「文句があるようでしたら、署のほうまでどうぞ」
坂田のおかげで、どんどん不良刑事になっているような気がする。ここまで来てしまったら、いい人ぶる必要もない。いけるところまでいってしまう。顔を真っ赤にした父親に言ってやった。
「あんたの娘には、クスリの所持及び売買の疑いがかかってるんだ。正式な部署に回してやってもいいんだが、それだと娘の名誉に関わるんじゃないか?」
最低である。自分でやっておきながら、ここまで最低な刑事はいないのではないかと思う。捜査権を持っていないから、このような家宅捜索の際は無理矢理行かねばならないのは分かっているが、しかし心が傷まないと言ったら嘘になる。すっかり沈黙してしまった父親を尻目に「調べるところ調べさせてもらったら帰るから」とだけ断りを入れて、巌鉄も2階に向かった。
普通、個人の部屋というものは2階にあるものだ。刑事の勘でもなんでもなく、そのような傾向が強いからそう考えた。その考えは間違っていなかったらしい。案の定、いかにも女性の部屋とばかりの札がかかった部屋の扉が開いていた。先に坂田が調べ始めたらしい。
「坂田。本当に被害者がクスリのバイヤーをやっていた可能性があるんだな? ここまで強引なことをやって、なにもでてこなかったら、さすがにタダじゃ済まないぞ」
家の人間には聞こえないように声をひそめる。
「ちょっと、どういうつもりですか? いきなり人の家に上がり込んできて!」
ようやくひと段落ついたというのに、それを土足で踏みじられている気にでもなっているのだろう。心情は察するが、しかし可能性がある以上、しっかりと捜査をさせてもらわねばならない。巌鉄は家の人間に対して、一応の説明を繰り返す。
「すいません。令状は出ていませんが、調べなければならないことがありまして」
先行して坂田が階段をのぼりながら、巌鉄の方へと振り返る。
「おっさん、被害者の部屋は2階でいいんだよな?」
現場は犠牲者となった千秋の自宅だった。猟奇的な殺人鬼に娘を殺害され、葬儀のばたばたからようやく解放されたであろう家の中は、やはり多少は荒れていた。
「一体、なんなんですか? 警察だからって好き放題していいわけじゃないでしょ!」
巌鉄に抗議をしているのは、千秋の父親だった。最初は捜査に協力を求める形で、娘の部屋を調べさせて欲しいとお願いしたのであるが、それは真っ向から拒否されてしまった。そこで坂田がなかば無理矢理に家の中に上がり込んで現在にいたる。
「文句があるようでしたら、署のほうまでどうぞ」
坂田のおかげで、どんどん不良刑事になっているような気がする。ここまで来てしまったら、いい人ぶる必要もない。いけるところまでいってしまう。顔を真っ赤にした父親に言ってやった。
「あんたの娘には、クスリの所持及び売買の疑いがかかってるんだ。正式な部署に回してやってもいいんだが、それだと娘の名誉に関わるんじゃないか?」
最低である。自分でやっておきながら、ここまで最低な刑事はいないのではないかと思う。捜査権を持っていないから、このような家宅捜索の際は無理矢理行かねばならないのは分かっているが、しかし心が傷まないと言ったら嘘になる。すっかり沈黙してしまった父親を尻目に「調べるところ調べさせてもらったら帰るから」とだけ断りを入れて、巌鉄も2階に向かった。
普通、個人の部屋というものは2階にあるものだ。刑事の勘でもなんでもなく、そのような傾向が強いからそう考えた。その考えは間違っていなかったらしい。案の定、いかにも女性の部屋とばかりの札がかかった部屋の扉が開いていた。先に坂田が調べ始めたらしい。
「坂田。本当に被害者がクスリのバイヤーをやっていた可能性があるんだな? ここまで強引なことをやって、なにもでてこなかったら、さすがにタダじゃ済まないぞ」
家の人間には聞こえないように声をひそめる。
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