ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―

鬼霧宗作

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第二話 Q&A【解決編】

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「とにかく、詳しい話は署で伺う必要がありそうですね」

 ふと、玄関口の外から声が聞こえた。倉科だった。その姿を見た巌鉄は、バツの悪そうな表情を浮かべる。

「この男、お二人に暴力を振るおうとしていましたね?」

 巌鉄に確認するかのように問い、それに対して巌鉄は小さく頷く。いざとなったら応援体制に入ってもらうつもりではいたのであろう。ただ、おそらく巌鉄が想定していたよりも、倉科の出番が早かったようだ。

「それでは、公務執行妨害の現行犯ですね。お二人からは詳しい事情を後でお聞きしますので」

 捜査一課としてはもうヘマはできなかったのであろう。どうやら、良くも悪くも巌鉄は泳がされたらしい。いずれ、真犯人に接触するであろうことを見越して、マークされていたらしい。

「やれやれ、ちょっとヘマをやらかした後の捜査一課は怖いな。目がギラギラしてやがる」

 泳がされたのをごまかすかのごとく、巌鉄は小さく首を横に振った。

「――まぁ、俺達だけじゃ加藤千秋の父親を追い詰めきれねぇだろうからな。いいタイミングだ」

 ついさっきまで、加藤千秋の父親を詰めていた坂田は、肩の荷を下ろすと同時にため息を漏らした。

 捜査一課としても、全力をあげて例の事件に向かっていたらしい。気がつくと、サイレンこそ鳴らしてはいないが、何台ものパトカーと覆面が集まってきていた。ただの住宅街に何台ものパトカーが駆けつけるのも、なかなか物々しくて見ものではある。

「とりあえず、これで事件解決だな。後は捜査一課がうまいこと捜査をしてくれることだろう」

 きっと、坂田の言葉を信じて、加藤千秋宅に乗り込むのは、巌鉄とて勇気が必要だったのであろう。ならば、最初から捜査一課も一緒に――と思いがちだが、そもそも捜査一課は坂田の言葉を信じて動いたりはしない。ゆえに、巌鉄という存在がほどよい緩衝材となったわけだ。

「うまいこと捜査できるかねぇ。だって、死体がもうひとつあるのに見落としたような連中だぜ」

 坂田が皮肉たっぷりに言うとが、小さくなっていくパトカーは、相変わらず小うるさいサイレンを鳴らし続けていた。

「なんにせよ、今回の事件は二転三転した事件だったな。まさか、ここまでしんどい事件になるとは思ってもいなかった」

 まるで総括のように呟く巌鉄。その姿に、坂田は少しばかり意地悪な返し方をしてやったのであった。

「まだ総括には早いと思うぜ――」
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