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第二話 Q&A【解決編】
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人間というものは普段から理性というものを持っている。その理性に従って、人間の本能的な部分を抑え込みながら生活をしているのだ。それを簡単に崩壊させてしまうのがクスリだ。もっとも身近なもので言うなら酒なんかが当てはまる。たまたま合法であるだけで、酒を飲むと豹変してしまう人間も世の中にはいる。中には性格がまるで変わってしまう人間もいるだろう。合法の酒でもそうなのだから、違法の薬物となれば、さらに理性の崩壊は早くなる。
「クスリを続けていくうちに、なぜか売女に対する嫌悪感を加藤千秋は抱いた。おそらくだが、みずから体を売っていた時代がよほど嫌だったんだろうな。そして、その嫌悪感は自傷行為としてエスカレートしていった」
嫌悪感は彼女自身に向けられた。そして自傷行為も酷くなった。それが、とんでもない方向へと暴走を始めてしまった。
「父親から聞いた話だと、本人が自傷行為に至るのは珍しいことではなかったらしい。本来なら医者にでも連れて行くべきなんだろうが、やってるものがやってるものだからな。医者になんて見せられなかったらしい」
餅は餅屋と言われるように、精神的な分野はそのプロに任せたほうがいい。ただ、プロの目というものは誤魔化せない。その原因が不正なものであれば、遅かれ早かれ見抜かれていたことだろう。
「クスリをやった奴の末路だな。クスリの副作用が肥大し続けて、自分達の力じゃ抑えられなくなる。加藤千秋も体を売る女に対して嫌悪感を抱き続け、それを自己に投影するようになった。このままでは、娘が自傷で死にかねない。そこで父親は代わりの売女を用意した。クスリで狂ってしまった娘の投影先として」
どこからか車のクラックションが聞こえ、歩道橋から見える交差点で事故らしきものが発生した。巌鉄は「おいおい、マジかよ……」とだけ呟くとため息をついた。
「――行かなくていいのかよ? おっさん、警察の人間だろ?」
そう言ってやると、巌鉄は首をゆるく横に振る。
「ありゃ交通課の仕事だよ。交通課に任せておけばいい」
辺りはすっかりと暗くなっていた。とうとう、夜が訪れるらしい。
「で、話がそれたけど、父親は馴染みの売女を呼びつけて、そいつを殺害させることで、娘の自傷行為をやめさせようとしたわけか。それでやめられるなら簡単だけど、なんというか民間療法っていうか、素人の馬鹿な考えだよな」
「クスリを続けていくうちに、なぜか売女に対する嫌悪感を加藤千秋は抱いた。おそらくだが、みずから体を売っていた時代がよほど嫌だったんだろうな。そして、その嫌悪感は自傷行為としてエスカレートしていった」
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「父親から聞いた話だと、本人が自傷行為に至るのは珍しいことではなかったらしい。本来なら医者にでも連れて行くべきなんだろうが、やってるものがやってるものだからな。医者になんて見せられなかったらしい」
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どこからか車のクラックションが聞こえ、歩道橋から見える交差点で事故らしきものが発生した。巌鉄は「おいおい、マジかよ……」とだけ呟くとため息をついた。
「――行かなくていいのかよ? おっさん、警察の人間だろ?」
そう言ってやると、巌鉄は首をゆるく横に振る。
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