ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―

鬼霧宗作

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第二話 Q&A 【エピローグ】

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「別に正義の味方をやりてぇわけじゃねぇ。悪さをしてぇなら、堂々と悪さをすればいいだけだ。隠れて隠蔽しようとするのが気に入らねぇんだよ。悪党は悪党でいやがれって話だ」

 新山が気を利かせてくれたのか、コーヒーカップが坂田と巌鉄の前に並ぶ。

「まぁ、これでも飲んで気持ち落ち着けて」

 巌鉄はコーヒーカップに顔を近づけて「こいつはありがたい。いただきます」とコーヒーを一口。よくもブラックで飲めるものである。坂田は新山が一緒に用意してくれた砂糖とミルクをありったけコーヒーにぶち込んだ。

「マスター、珍しく気が利くじゃねぇか。コーヒーのサービスとか滅多にしねぇのに」

 坂田がカップに口をつけたのを見て「お前、それはもうコーヒーじゃねぇだろ」と、なぜか引き気味に呟く巌鉄。そこに新山が口を挟む。

「あら、サービスなんかじゃないわよ。ちゃんと巌鉄さんに請求するから――」

 それを聞いた巌鉄が、苦笑いを浮かべつつ「経費で落とせるといいけどなぁ」と呟いた。

「それで、結局のところ舞香はどれくらい刑務所に入ることになりそうだ?」

 坂田の気になるところはそこだった。舞香はどこか、刑務所に入っても仕方ないという考えを持っていた。それにくわえて、刑期は長くならないとも踏んでいたようだ。実際のところどうなのか知りたい。

「坂田、刑ってのは簡単に決まるもんじゃねぇんだよ。何度か裁判やってよ、ようやく決まるもんだ。まぁ、下手すれば執行猶予がつくかもな。前科なしの初犯だからよ」

 巌鉄からのテンプレートな答えに、坂田は大きくため息をついた。

「あいつ、加藤千秋の事件にも関与していた可能性が高いんだぞ? だとしたら、さすがに執行猶予じゃ済まないだろ?」

 舞香は加藤千秋の事件にも関与している。しかしながら、それは坂田の推測にすぎず、物的な証拠はない。あるとすれば、逮捕された加藤千秋の父親による証言くらいだろう。

「あのな、立証ってもんをしなきゃいけねぇんだよ。誰がどう見ても犯罪が明らかなのに、不起訴になる事件だってあるくらいだ。それだけ、立証ってのはデリケートで神経使うもんなんだよ。だから、お前の言っていたことを全て事実として立証するのは不可能に近い。結局、確実に立証できるのはクスリの件しかねぇんだ」

 巌鉄はそう言うが、なんだか納得できないし腑に落ちない。しかしながら、きっと世の中というのは、そういう理不尽な仕組みになっているのだろう。
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