ジンクス【ZINKUSU】 ―エンジン エピソードゼロ―

鬼霧宗作

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第二話 Q&A 【エピローグ】

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「随分と偉そうなこと言ってるけどよ、警察の落ち度はどうなったんだ? さすがにあれだけの失態はまずいだろうよ」

 舞香の罪の重さは変わらない。それを知っている上で、坂田はどこかに責任転嫁をしたかった。あれだけのことを計画的にやった人間が――しかも、なんとも思わずに他人を利用した人間が、たかだか数年で出てくるというのは、なんとも面白くないものだ。

「公になれば――な。あの事実を知ってるのは、お前とホテルの管理人くらいなんだよ。悪いが、警察には威厳ってもんが必要でな。ホテルの管理人には口止めをしたし、お前さえ黙っていれば問題ない」

 坂田は思わずため息を漏らした。思わず「あんたら、警察としての矜持みたいなのはねぇのかよ」と本音が漏れる。

「いいか? 警察ってのは絶対的な正義である必要があるんだよ。それに、当たり前だが人を逮捕するってことは、その人間の人生を左右させるんだよ。いざ、捕まえてから間違ってました――なんて口が裂けても言えないし、ましてや今回みたいに、遺体を見落としていましたなんて言えねぇんだ」

 巌鉄の言ってることは、さすがに強引すぎた。少し離れたところで見てるマスターですら、呆れたようにため息を漏らした。

「だから冤罪ってのがあるのよね。私なんて、こんなんだからなのか、やたらと職質されるんだけど、あれなんとかならないの?」

 そればかりはどうにもならない。嫌ならば、もっと完璧に女に化けるか、もしくは外を出歩く時は男であり続けるかだ。中途半端に女装して、それでいながら中途半端に化粧をしているから、不審がられてしまうのだ。マスターの言い分に対して、顔をしかめたつもりだったのだが、どうやら自分の発言に対しての反応だと思ったらしい。巌鉄が続ける。

「それに、死体をひとつ見落としたなんて世間に知られたら大パニックだぞ。誰も警察を信用しなくなるし、そうなったら治安の維持もできなくなる。世の中、知らない方がいいことだってあるんだよ」

 もはや、巌鉄とやり合っても仕方がないだろう。どうせ組織とやらを後ろ盾に、ただ言い逃れを続けるだけだろうから。それを追求したところで坂田にはひとつも得にはならないし、不毛なだけだ。

「まぁ、この際なんだっていい。これ以上どうにもならないんであれば、この話をしたって無駄なだけだからよ」
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