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第二章 動き出す狂気【現在 七色七奈】
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とりあえず、次の行き先は決まったことだし、もう一度同じ映像を見ようとは思わなかった私は、いつでも動けるように準備を始める。専用アダプターを筆頭として、ビデオデッキなどは借り物であるから、忘れて帰るわけにはいかない。
片付けながらも、私の思考はわけの分からない迷路へと迷い込みつつあった。
まずビデオテープだ。赤松朱里から送られてきたテープを起点として、次のビデオテープを探すゲームのようなものが始まってしまっているが、これは一体、何のために行われているのだろうか。単純にビデオテープの内容を見て欲しいのであれば、最初の段階で全てのビデオテープを送ってくればいいだけの話であり、わざわざ小分けにする必要はない。大体、私が変な興味を持たず、かつて住んでいた街に戻ろうとしなかったらどうするつもりだったのか。
くわえて、見知らぬカップルの件。赤松朱里とは小学生までの友人だから知っているが、先ほどのカップルのことは全く知らない。名前が出たところで、何かを思い出すわけでもない。私が単純に忘れているだけ――という可能性は低いだろう。どれだけ思い返しても、カップルの顔にも名前にも見覚えがなかった。
何より恐ろしいのは、その意図が全く分からないことだ。本当にこのビデオテープを私に送りつけてきたのが赤松朱里なのかどうかさえも怪しい。こんなことを私にさせて何がしたいのか。奇妙なビデオテープを見せて、何を伝えたいのか。目的が分からないことほど恐ろしいものはない。
「あ、杉谷――」
これから向かう場所は杉谷という地域……というか、この辺りでそう呼ばれている集落。そして、目的地となる神社は赤松朱里の家の近くだったはず。それならば、実際に赤松朱里の家を訪ねてみるのも悪くないかもしれない。家族の人に話を聞くことができるかもしれないし、もしかすると赤松朱里本人に会うことができるかもしれない。
ビデオデッキなどを片付け終え、ようやく一息がつけると思った頃になって、タイミング悪く大和田が戻ってきた。
「お、もう出る準備は万端って感じだな。ほら――」
大和田はそう言うと、何かを私に投げてくる。ペットボトルのお茶だった。
「お茶を淹れてると時間がかかるからよ。それ、やるよ」
この大和田という男。見た目とは裏腹に気遣いができる男らしい。ちょうど飲み物が欲しかったところだ。私はありがたくお茶を頂戴する。
片付けながらも、私の思考はわけの分からない迷路へと迷い込みつつあった。
まずビデオテープだ。赤松朱里から送られてきたテープを起点として、次のビデオテープを探すゲームのようなものが始まってしまっているが、これは一体、何のために行われているのだろうか。単純にビデオテープの内容を見て欲しいのであれば、最初の段階で全てのビデオテープを送ってくればいいだけの話であり、わざわざ小分けにする必要はない。大体、私が変な興味を持たず、かつて住んでいた街に戻ろうとしなかったらどうするつもりだったのか。
くわえて、見知らぬカップルの件。赤松朱里とは小学生までの友人だから知っているが、先ほどのカップルのことは全く知らない。名前が出たところで、何かを思い出すわけでもない。私が単純に忘れているだけ――という可能性は低いだろう。どれだけ思い返しても、カップルの顔にも名前にも見覚えがなかった。
何より恐ろしいのは、その意図が全く分からないことだ。本当にこのビデオテープを私に送りつけてきたのが赤松朱里なのかどうかさえも怪しい。こんなことを私にさせて何がしたいのか。奇妙なビデオテープを見せて、何を伝えたいのか。目的が分からないことほど恐ろしいものはない。
「あ、杉谷――」
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ビデオデッキなどを片付け終え、ようやく一息がつけると思った頃になって、タイミング悪く大和田が戻ってきた。
「お、もう出る準備は万端って感じだな。ほら――」
大和田はそう言うと、何かを私に投げてくる。ペットボトルのお茶だった。
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この大和田という男。見た目とは裏腹に気遣いができる男らしい。ちょうど飲み物が欲しかったところだ。私はありがたくお茶を頂戴する。
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