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第四章 ミノタウロスはいる【現在 七色七奈】
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「大和田さん、ここ――見覚えありますか?」
私がこの辺りで知っている学校は、自身が通った小学校くらいだ。もちろん、見覚えなんてない。
「ここは……多分だけど、街のほうにある棚田沢中学校じゃないかな?」
学校の全景を捉えた映像は、少しずつ校舎のほうへと近づいていく。まるで、一歩ずつ歩み寄るかのごとく。
またしても画面が一瞬だけ暗くなる。
――ミノタウロスは誰?
少しずつ校舎が近づく。それに伴い、サブリミナル効果を狙ったかのごとく、同じ文言が紛れ込む。
――ミノタウロスは誰?
これまでは単純にテープの場所を教えてくれていただけなのに、その文字列が紛れ込んでしまうため、画面に集中できない。
結局、教員室のプレートを映したところで、いつも通りのテロップが出る。どうやら、次のテープの場所は、どこかの学校の教員室にあるらしい。大和田の言葉通りならば、棚田沢中学校に向かうことになるようだ。
テープが終わり、画面はビデオ待機画面へと戻った。
「大和田さん、棚田沢中学校って?」
私の問いかけには様々な意味があった。どこにあるのか、どんなところなのか、どこをどう走ればいいのか、距離はどれくらいなのか――この場所を離れてしまった私が知っているのは、ごくごく狭い範囲の、ごくごく一部の情報だけだ。
「この辺りの子が通うことになる中学校だよ。さすがにこの辺りに中学校はないから、スクールバスで通うんだけど」
小学校ときて、今度は中学校か。この辺りだけで済むと思っていたテープ探しであるが、しかしどうやら範囲は思っていた以上に広いらしい。
「それにしても、さっきの不気味だったなぁ」
おそらく、何度も紛れ込んだテロップのことを言っているのだろう。大和田に同意して頷くと、私は口を開く。
「えぇ、でも――ミノタウロスは誰? なんて問われてもね。まるで、ミノタウロスが登場人物の中にいるみたい」
私は直感的な所感――いわゆる、私個人の感想を述べたつもりだった。だが、それを口にしてみて、あながち間違ったことは言っていないのではないかと思った。
確か、宝田羽衣と谷惇が出てきた場面で、最後のほうにて牛の顔らしきものが写り込む。あれこそがミノタウロスだというのだろうか。その件について大和田に意見を聞こうと思ったのだが、その大和田自身が奇妙なことを言い出した。
「いや、そこじゃない。赤松朱里がビデオ回してるシーンだよ」
明らかな話の食い違いに、私は思わず首を傾げる。
私がこの辺りで知っている学校は、自身が通った小学校くらいだ。もちろん、見覚えなんてない。
「ここは……多分だけど、街のほうにある棚田沢中学校じゃないかな?」
学校の全景を捉えた映像は、少しずつ校舎のほうへと近づいていく。まるで、一歩ずつ歩み寄るかのごとく。
またしても画面が一瞬だけ暗くなる。
――ミノタウロスは誰?
少しずつ校舎が近づく。それに伴い、サブリミナル効果を狙ったかのごとく、同じ文言が紛れ込む。
――ミノタウロスは誰?
これまでは単純にテープの場所を教えてくれていただけなのに、その文字列が紛れ込んでしまうため、画面に集中できない。
結局、教員室のプレートを映したところで、いつも通りのテロップが出る。どうやら、次のテープの場所は、どこかの学校の教員室にあるらしい。大和田の言葉通りならば、棚田沢中学校に向かうことになるようだ。
テープが終わり、画面はビデオ待機画面へと戻った。
「大和田さん、棚田沢中学校って?」
私の問いかけには様々な意味があった。どこにあるのか、どんなところなのか、どこをどう走ればいいのか、距離はどれくらいなのか――この場所を離れてしまった私が知っているのは、ごくごく狭い範囲の、ごくごく一部の情報だけだ。
「この辺りの子が通うことになる中学校だよ。さすがにこの辺りに中学校はないから、スクールバスで通うんだけど」
小学校ときて、今度は中学校か。この辺りだけで済むと思っていたテープ探しであるが、しかしどうやら範囲は思っていた以上に広いらしい。
「それにしても、さっきの不気味だったなぁ」
おそらく、何度も紛れ込んだテロップのことを言っているのだろう。大和田に同意して頷くと、私は口を開く。
「えぇ、でも――ミノタウロスは誰? なんて問われてもね。まるで、ミノタウロスが登場人物の中にいるみたい」
私は直感的な所感――いわゆる、私個人の感想を述べたつもりだった。だが、それを口にしてみて、あながち間違ったことは言っていないのではないかと思った。
確か、宝田羽衣と谷惇が出てきた場面で、最後のほうにて牛の顔らしきものが写り込む。あれこそがミノタウロスだというのだろうか。その件について大和田に意見を聞こうと思ったのだが、その大和田自身が奇妙なことを言い出した。
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