127 / 203
第五章 時を越えた禁忌【現在 七色七奈】
4
しおりを挟む
「鏑木孝義、細川茜の襲撃に関して、この3人にはアリバイがあるね。ちなみに、他には誰がいたっけ?」
大和田の言葉に、私はチョークを走らせる。
「誰よりも先にミノタウロスの森にやってきたであろう、宝田羽衣と谷惇です。この2人に関しては、生存が曖昧な感じになっています。谷惇は忽然と宝田羽衣の目の前から姿を消した。そして、宝田羽衣自身は、ミノタウロスと思われる人物と遭遇した場面が最期で、それ以降、この両名は登場していません。宝田羽衣は死んだと考えていいでしょうけど」
現時点で登場している人物は、これで全員だ。宝田羽衣はほぼ死亡していることが確定。谷惇については微妙ではあるが、まだ生存している可能性はゼロではない。
書き出した登場人物の名前は全員で9人。このうち、死亡がほぼ確定しているのは、依田由美香、細川茜、鏑木孝義、宝田羽衣の4人。生存が定かではないのが高田富臣と谷惇の2人。生存が確定しており、なおかつアリバイが確実にあるのが、赤松朱里、湯川智昭、丸山夏帆の3人だ。
「となると、ミノタウロスではないことが確定するのは、すでに殺されてしまったと思われる依田由美香、細川茜、鏑木孝義、宝田羽衣の4人だけか」
大和田がふらりと奥のほうに姿を消したと思ったら、新しい缶ビールを片手に戻ってきた。
「赤松朱里、湯川智昭、丸山夏帆にもアリバイがありますから、この3人もミノタウロスではないでしょう」
おそらく犯人ではない人間の名前に丸をつけていく。最終的に名前が丸で囲われなかった人物は2人。すなわち、高田富臣と谷惇の2人である。この2人のどちらかがミノタウロスということになってしまう。
「高田富臣か谷惇のどちらかがミノタウロス――ってことになるか。もしかすると、全く関係のない第三者が犯人って可能性もゼロじゃないだろうが」
大和田の言葉に頷く。確かにB級のホラーなんかではありそうな展開ではある。しかしながら、そうなると、ミノタウロスの正体を問うこと自体がアンフェアになってしまう。
――あの設問をするということは、それなりの根拠があるに違いない。まるで根拠もなしに、ミノタウロスの正体を問うのは、あまりにもお粗末である。
「ビデオテープを見ている限り、おそらくミノタウロスが第三者という着地点にはならないのではないかと私は考えています」
「――となると、改めて明日調べてみないとね。湯川智昭は実在したし、しかもミノタウロスの森で人が死んでいることも認めた。だったら、事件として扱われている可能性が高いはず」
大和田の言葉に、私はチョークを走らせる。
「誰よりも先にミノタウロスの森にやってきたであろう、宝田羽衣と谷惇です。この2人に関しては、生存が曖昧な感じになっています。谷惇は忽然と宝田羽衣の目の前から姿を消した。そして、宝田羽衣自身は、ミノタウロスと思われる人物と遭遇した場面が最期で、それ以降、この両名は登場していません。宝田羽衣は死んだと考えていいでしょうけど」
現時点で登場している人物は、これで全員だ。宝田羽衣はほぼ死亡していることが確定。谷惇については微妙ではあるが、まだ生存している可能性はゼロではない。
書き出した登場人物の名前は全員で9人。このうち、死亡がほぼ確定しているのは、依田由美香、細川茜、鏑木孝義、宝田羽衣の4人。生存が定かではないのが高田富臣と谷惇の2人。生存が確定しており、なおかつアリバイが確実にあるのが、赤松朱里、湯川智昭、丸山夏帆の3人だ。
「となると、ミノタウロスではないことが確定するのは、すでに殺されてしまったと思われる依田由美香、細川茜、鏑木孝義、宝田羽衣の4人だけか」
大和田がふらりと奥のほうに姿を消したと思ったら、新しい缶ビールを片手に戻ってきた。
「赤松朱里、湯川智昭、丸山夏帆にもアリバイがありますから、この3人もミノタウロスではないでしょう」
おそらく犯人ではない人間の名前に丸をつけていく。最終的に名前が丸で囲われなかった人物は2人。すなわち、高田富臣と谷惇の2人である。この2人のどちらかがミノタウロスということになってしまう。
「高田富臣か谷惇のどちらかがミノタウロス――ってことになるか。もしかすると、全く関係のない第三者が犯人って可能性もゼロじゃないだろうが」
大和田の言葉に頷く。確かにB級のホラーなんかではありそうな展開ではある。しかしながら、そうなると、ミノタウロスの正体を問うこと自体がアンフェアになってしまう。
――あの設問をするということは、それなりの根拠があるに違いない。まるで根拠もなしに、ミノタウロスの正体を問うのは、あまりにもお粗末である。
「ビデオテープを見ている限り、おそらくミノタウロスが第三者という着地点にはならないのではないかと私は考えています」
「――となると、改めて明日調べてみないとね。湯川智昭は実在したし、しかもミノタウロスの森で人が死んでいることも認めた。だったら、事件として扱われている可能性が高いはず」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】佐渡ヶ島のエレーナ少佐 (近未来戦記①)
✿モンテ✣クリスト✿
ライト文芸
2025年初冬、ロシア連邦東部軍管区は佐渡ヶ島に侵攻した。
2025年初冬、ウクライナ戦役が膠着状態の中、ロシア連邦東部軍管区(旧極東軍管区)は突如北海道北部と佐渡ヶ島に侵攻。総責任者は東部軍管区ジトコ大将だった。北海道はダミーで狙いは佐渡ヶ島のガメラレーダーであった。これは中国の南西諸島侵攻と台湾侵攻を援助するための密約のためだった。同時に北朝鮮は38度線を越え、ソウルを占拠した。在韓米軍に対しては戦術核の電磁パルス攻撃で米軍を朝鮮半島から駆逐、日本に退避させた。
その中、欧州ロシアに対して、東部軍管区ジトコ大将はロシア連邦からの離脱を決断、中央軍管区と図ってオビ川以東の領土を東ロシア共和国として独立を宣言、日本との相互安保条約を結んだ。
佐渡ヶ島侵攻(通称サドガシマ作戦、Operation Sadogashima)の副指揮官はジトコ大将の娘エレーナ少佐だ。エレーナ少佐率いる東ロシア共和国軍女性部隊二千人は、北朝鮮のホバークラフトによる上陸作戦を陸自水陸機動団と阻止する。
※このシリーズはカクヨム版「サドガシマ作戦(https://kakuyomu.jp/works/16818093092605918428)」と重複しています。ただし、カクヨムではできない説明用の軍事地図、武器詳細はこちらで掲載しております。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
紙の上の空
中谷ととこ
ライト文芸
小学六年生の夏、父が突然、兄を連れてきた。
容姿に恵まれて才色兼備、誰もが憧れてしまう女性でありながら、裏表のない竹を割ったような性格の八重嶋碧(31)は、幼い頃からどこにいても注目され、男女問わず人気がある。
欲しいものは何でも手に入りそうな彼女だが、本当に欲しいものは自分のものにはならない。欲しいすら言えない。長い長い片想いは成就する見込みはなく半分腐りかけているのだが、なかなか捨てることができずにいた。
血の繋がりはない、兄の八重嶋公亮(33)は、未婚だがとっくに独立し家を出ている。
公亮の親友で、碧とは幼い頃からの顔見知りでもある、斎木丈太郎(33)は、碧の会社の近くのフレンチ店で料理人をしている。お互いに好き勝手言える気心の知れた仲だが、こちらはこちらで本心は隠したまま碧の動向を見守っていた。
【完結】ふたつ星、輝いて 〜あやし兄弟と町娘の江戸捕物抄〜
上杉
歴史・時代
■歴史小説大賞奨励賞受賞しました!■
おりんは江戸のとある武家屋敷で下女として働く14歳の少女。ある日、突然屋敷で母の急死を告げられ、自分が花街へ売られることを知った彼女はその場から逃げだした。
母は殺されたのかもしれない――そんな絶望のどん底にいたおりんに声をかけたのは、奉行所で同心として働く有島惣次郎だった。
今も刺客の手が迫る彼女を守るため、彼の屋敷で住み込みで働くことが決まる。そこで彼の兄――有島清之進とともに生活を始めるのだが、病弱という噂とはかけ離れた腕っぷしのよさに、おりんは驚きを隠せない。
そうしてともに生活しながら少しづつ心を開いていった――その矢先のことだった。
母の命を奪った犯人が発覚すると同時に、何故か兄清之進に凶刃が迫り――。
とある秘密を抱えた兄弟と町娘おりんの紡ぐ江戸捕物抄です!お楽しみください!
※フィクションです。
※周辺の歴史事件などは、史実を踏んでいます。
皆さまご評価頂きありがとうございました。大変嬉しいです!
今後も精進してまいります!
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
【完結】サリシャの光 〜憧れの先へ〜
ねるねわかば
恋愛
彼女は進む。過去に囚われた者たちを残して──
大商会の娘サーシャ。
子どもの頃から家業に関わる彼女は、従妹のメリンダと共に商会の看板娘として注目を集めていた。
華々しい活躍の裏で、着実に努力を重ねて夢へと向かうサーシャ。しかし時には心ないことを言う者もいた。
そんな彼女が初めて抱いた淡い恋。
けれどその想いは、メリンダの涙と少年の軽率な一言であっさり踏みにじられてしまう。
サーシャはメリンダたちとは距離をおき、商会の仕事からも離れる。
新たな場所で任される仕事、そして新たな出会い。どこにあっても、彼女が夢を諦めることはない。
一方、光に囚われた者たちは後悔と執着を募らせていき──
夢を諦めない少女が、もがきながら光を紡いでいく軌跡。
※前作「ルースの祈り」と同じ世界観で登場人物も一部かぶりますが、単体でお読みいただけます。
※作中の仕事や制作物、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。
EX級アーティファクト化した介護用ガイノイドと行く未来異星世界遺跡探索~君と添い遂げるために~
青空顎門
SF
病で余命宣告を受けた主人公。彼は介護用に購入した最愛のガイノイド(女性型アンドロイド)の腕の中で息絶えた……はずだったが、気づくと彼女と共に見知らぬ場所にいた。そこは遥か未来――時空間転移技術が暴走して崩壊した後の時代、宇宙の遥か彼方の辺境惑星だった。男はファンタジーの如く高度な技術の名残が散見される世界で、今度こそ彼女と添い遂げるために未来の超文明の遺跡を巡っていく。
※小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様、ノベルバ様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる