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第五章 時を越えた禁忌【現在 七色七奈】
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「残念ながら、彼はタイミング良く亡くなっただけだよ。少なくとも、俺はそう考えることにしておきたい」
やはり、国家権力として屈してしまったことを気にしているのだろう。徐々に語尾が弱々しくなる大和田。もはや、いちいち彼のメンタルには構っていられなかった。
ふと、考える。湯川の遺体はどうなるのかと。平気で警察の介入を拒むような人達が、簡単に死亡届を出すとは思えない。下手をすれば、一度は拒絶した警察の介入を許してしまう可能性があるからだ。
「じゃあ、その話題にはもう触れないようにしましょう。必要に応じて、また触れなければならないかもしれませんけど、その時は許してください」
湯川のことを話していると、どうにも大和田の元気がなくなってしまう気がする。しかも話が元に戻って堂々巡りとなってしまう。湯川の死を一旦切り離して、これまでのことを整理する必要がありそうだ。
「あぁ、なんだか申し訳ない。頭では理解しているつもりなんだけど、自分が不甲斐なくてね」
大和田の言葉に頷くだけで済ませた私は、強引に話を元へと戻した。
「それで、大和田さんはどう思います? ミノタウロスは一体誰なのか? そして、それが分かったところで何が起きるのか? まだまだ分からないことばかりです」
明日、調べ物をしてから、さらに考察をしていくほうが、きっと効率的にはいいのだろう。しかし、なんとなく周囲を漂う空気を払拭するためには、何かを話さずにはいられなかつた。
「ミノタウロスの可能性があるのは高田富臣か谷惇だ。それ以外の人物は殺されてしまったか、もしくは明確なアリバイが存在する。これはきっと、紛れもない事実なんだと思う。これ以上、登場人物さえ増えなければ、どちらが犯人なのかも、少しずつ判明するはずだ」
それはどちらかと言うと、大和田の希望的観測の面が強いように思えた。だが、私の中でそれは疑念に変わりつつあった。こんな簡単でいいのだろうか。消去法で犯人が絞り込めてしまうような内容で問題ないのだろうか。
わざわざビデオテープを私に送りつけ、あらかじめ先回りしてビデオテープを隠し、それを私に探させるという手法をとっている割に、消去法でミノタウロスの正体が分かってしまっていいのだろうか。
私はなんとなく感じていたのだ。この一連の流れの中に、私を嘲笑っているかのような空気が紛れ込んでいることに。奔走する私の姿を見て、誰かがほくそ笑んでいる。
やはり、国家権力として屈してしまったことを気にしているのだろう。徐々に語尾が弱々しくなる大和田。もはや、いちいち彼のメンタルには構っていられなかった。
ふと、考える。湯川の遺体はどうなるのかと。平気で警察の介入を拒むような人達が、簡単に死亡届を出すとは思えない。下手をすれば、一度は拒絶した警察の介入を許してしまう可能性があるからだ。
「じゃあ、その話題にはもう触れないようにしましょう。必要に応じて、また触れなければならないかもしれませんけど、その時は許してください」
湯川のことを話していると、どうにも大和田の元気がなくなってしまう気がする。しかも話が元に戻って堂々巡りとなってしまう。湯川の死を一旦切り離して、これまでのことを整理する必要がありそうだ。
「あぁ、なんだか申し訳ない。頭では理解しているつもりなんだけど、自分が不甲斐なくてね」
大和田の言葉に頷くだけで済ませた私は、強引に話を元へと戻した。
「それで、大和田さんはどう思います? ミノタウロスは一体誰なのか? そして、それが分かったところで何が起きるのか? まだまだ分からないことばかりです」
明日、調べ物をしてから、さらに考察をしていくほうが、きっと効率的にはいいのだろう。しかし、なんとなく周囲を漂う空気を払拭するためには、何かを話さずにはいられなかつた。
「ミノタウロスの可能性があるのは高田富臣か谷惇だ。それ以外の人物は殺されてしまったか、もしくは明確なアリバイが存在する。これはきっと、紛れもない事実なんだと思う。これ以上、登場人物さえ増えなければ、どちらが犯人なのかも、少しずつ判明するはずだ」
それはどちらかと言うと、大和田の希望的観測の面が強いように思えた。だが、私の中でそれは疑念に変わりつつあった。こんな簡単でいいのだろうか。消去法で犯人が絞り込めてしまうような内容で問題ないのだろうか。
わざわざビデオテープを私に送りつけ、あらかじめ先回りしてビデオテープを隠し、それを私に探させるという手法をとっている割に、消去法でミノタウロスの正体が分かってしまっていいのだろうか。
私はなんとなく感じていたのだ。この一連の流れの中に、私を嘲笑っているかのような空気が紛れ込んでいることに。奔走する私の姿を見て、誰かがほくそ笑んでいる。
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