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ケース1 密室殺人事件を妄想する御令嬢【プロローグ】
ケース1 密室殺人事件を妄想する御令嬢【プロローグ】1
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思っていた以上に小柄であり、その整った顔立ちはまるで精巧に作られた人形のようだった。美人――というよりは、きっと可愛いという部類に入るのであろう。いや、綺麗だととも例えることができる。
「あぁ、素敵ですわぁ――。セバスチャン、見てご覧なさい。このボロボロの絨毯」
彼の隣に立っている強面の男は小さく舌打ちをすると「俺はセバスチャンじゃなくて鯖洲だって言ってんだろ?」と、決して彼女には聞こえないような小声で悪態をつく。全身黒づくめの上にサングラスとスキンヘッドときたら、もう、あれだ――テレビ番組でやってる追いかけっこで、タイムリミットになると大量に放出される人である。
「まぁ、このベッド……ハートの形をしているのね? これって、もしかして――回りますの? 小耳に挟んだことがありますわ。これ、下手をすると回るんじゃなくって?」
肩くらいまで伸びた黒い髪。頭の中ほどで輝くはヘアバンドではなく銀のティアラだ。格好はきっと、お姫様をイメージでもしているのだろうか。ヴィジュアル系のライブに行った時に、彼女と同じような格好をしている人を見たことがある。部類として考えると、ゴシックロリータ……ゴスロリと呼ばれる格好になるのだろう。
「お嬢、その辺りのものをいじっても動かないぞ。なんせ、ここは――もう廃墟になってんだからな」
部屋の入り口で佇む、彼と鯖洲。さっきから彼女――とある不動産会社の御令嬢である窓辺野コトリがはしゃいで見て回っているのは、廃墟となったラブホテルの一室である。しかも、ただの廃墟ではない。
「おい、小僧。今のうちに、ここのことを簡単にお嬢に伝えておいたほうがいいぞ。あの様子じゃ、もうしばらくしないうちにゾーンに入るぞ。ゾーンに」
自分は小僧ではない。立派ではないが名前だってある。それにしてもゾーンとはどういうことなのだうか。初めての現場であるから、ここは先輩である鯖洲に従っておくべきだろう。これで鯖洲が窓辺野不動産の人間ではないというのだから、改めて妙な部署である。
「え、えっと――それでは、この物件について、簡単に説明させていただきます」
彼はあらかじめ託されていたファイルを手に取ると、ページをめくって該当物件を探す。この物件に入るための鍵でさえ、該当ページに貼り付けられているという杜撰な管理体制の物件ではあるが、調べてみると、つい最近になって彼が働く会社――窓辺野不動産が買い取った物件のようだった。
「あぁ、素敵ですわぁ――。セバスチャン、見てご覧なさい。このボロボロの絨毯」
彼の隣に立っている強面の男は小さく舌打ちをすると「俺はセバスチャンじゃなくて鯖洲だって言ってんだろ?」と、決して彼女には聞こえないような小声で悪態をつく。全身黒づくめの上にサングラスとスキンヘッドときたら、もう、あれだ――テレビ番組でやってる追いかけっこで、タイムリミットになると大量に放出される人である。
「まぁ、このベッド……ハートの形をしているのね? これって、もしかして――回りますの? 小耳に挟んだことがありますわ。これ、下手をすると回るんじゃなくって?」
肩くらいまで伸びた黒い髪。頭の中ほどで輝くはヘアバンドではなく銀のティアラだ。格好はきっと、お姫様をイメージでもしているのだろうか。ヴィジュアル系のライブに行った時に、彼女と同じような格好をしている人を見たことがある。部類として考えると、ゴシックロリータ……ゴスロリと呼ばれる格好になるのだろう。
「お嬢、その辺りのものをいじっても動かないぞ。なんせ、ここは――もう廃墟になってんだからな」
部屋の入り口で佇む、彼と鯖洲。さっきから彼女――とある不動産会社の御令嬢である窓辺野コトリがはしゃいで見て回っているのは、廃墟となったラブホテルの一室である。しかも、ただの廃墟ではない。
「おい、小僧。今のうちに、ここのことを簡単にお嬢に伝えておいたほうがいいぞ。あの様子じゃ、もうしばらくしないうちにゾーンに入るぞ。ゾーンに」
自分は小僧ではない。立派ではないが名前だってある。それにしてもゾーンとはどういうことなのだうか。初めての現場であるから、ここは先輩である鯖洲に従っておくべきだろう。これで鯖洲が窓辺野不動産の人間ではないというのだから、改めて妙な部署である。
「え、えっと――それでは、この物件について、簡単に説明させていただきます」
彼はあらかじめ託されていたファイルを手に取ると、ページをめくって該当物件を探す。この物件に入るための鍵でさえ、該当ページに貼り付けられているという杜撰な管理体制の物件ではあるが、調べてみると、つい最近になって彼が働く会社――窓辺野不動産が買い取った物件のようだった。
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