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ケース1 密室殺人事件を妄想する御令嬢【出題編】
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「えっと……監視カメラなどは時代的に設置されていなかったみたいですが、一応客が入室した時間と退室した時間は記録されていたみたいです」
ファイルをめくると、おそらくその際の記録を証拠として残したのであろう。レシートのようなものが貼り付けられていた。これはもはや完全なる証拠品。それがどうして不動産屋が所持するファイルに貼り付けられているのか。詮索をするつもりはないが、あまりにも不自然で不可思議だ。
「事件が発覚したのは12月15日の朝10時。当時、このホテルの管理を手伝っていた男性――アルバイトですね。そのアルバイトが、不審な電話を受けました。それは匿名の男性からのもので、その内容は【は棟】で人が死んでいるというものでした。不審に思いながらも【は棟】に内線電話をしましたが誰も出ず。上司にあたる当時のオーナーに相談した結果、オーナーが合流。部屋で首を吊っている女性を発見しました」
事件が起きたのは冬。ラブホテルの経営体制がどうなっているのかは知らないが、基本的に朝昼夜問わずに営業しているのであろう。神妙な面持ちのまま一里之の言葉に耳を傾けているコトリ。一里之はさらに続ける。
「入退室記録によると、その前の利用者が使用したと思われるのが前日の午後11時から当日の朝4時まで。そこから管理をしている男性が部屋の掃除をして、朝の5時には部屋を解放しています。それからしばらくして朝の5時半に件の女性が入室。匿名の電話がかかってきて、午前10時に遺体が発見されたということになります」
モーテル型のホテルとか、どのようにして掃除のタイミングを見計らっているのだろうか。入退室記録が残されているくらいだから、退室すると事務所的なところに通知が行き、そこで待機しているアルバイトなどが掃除をする流れになるのだろう。外の様子から察するに【い棟】【ろ棟】【は棟】の3棟しか見当たらなかったような気もしなくないが。その答えはページをめくった先にあった。
「えっと――ここから徒歩数分程度峠を下ると、ホテルの管理小屋があったみたいです。残念ながら、そちらのほうはすでに取り壊されていて、跡形もないみたいですけど」
なにぶん、事件からおおよそ20年経っているせいで、どこまで信憑性があるのかも分からない。そもそも、自分は何をしているのだろうか――ふと、そんな疑問を抱いてしまった。コトリが何をしたいのかさえ不明なままだ。
ファイルをめくると、おそらくその際の記録を証拠として残したのであろう。レシートのようなものが貼り付けられていた。これはもはや完全なる証拠品。それがどうして不動産屋が所持するファイルに貼り付けられているのか。詮索をするつもりはないが、あまりにも不自然で不可思議だ。
「事件が発覚したのは12月15日の朝10時。当時、このホテルの管理を手伝っていた男性――アルバイトですね。そのアルバイトが、不審な電話を受けました。それは匿名の男性からのもので、その内容は【は棟】で人が死んでいるというものでした。不審に思いながらも【は棟】に内線電話をしましたが誰も出ず。上司にあたる当時のオーナーに相談した結果、オーナーが合流。部屋で首を吊っている女性を発見しました」
事件が起きたのは冬。ラブホテルの経営体制がどうなっているのかは知らないが、基本的に朝昼夜問わずに営業しているのであろう。神妙な面持ちのまま一里之の言葉に耳を傾けているコトリ。一里之はさらに続ける。
「入退室記録によると、その前の利用者が使用したと思われるのが前日の午後11時から当日の朝4時まで。そこから管理をしている男性が部屋の掃除をして、朝の5時には部屋を解放しています。それからしばらくして朝の5時半に件の女性が入室。匿名の電話がかかってきて、午前10時に遺体が発見されたということになります」
モーテル型のホテルとか、どのようにして掃除のタイミングを見計らっているのだろうか。入退室記録が残されているくらいだから、退室すると事務所的なところに通知が行き、そこで待機しているアルバイトなどが掃除をする流れになるのだろう。外の様子から察するに【い棟】【ろ棟】【は棟】の3棟しか見当たらなかったような気もしなくないが。その答えはページをめくった先にあった。
「えっと――ここから徒歩数分程度峠を下ると、ホテルの管理小屋があったみたいです。残念ながら、そちらのほうはすでに取り壊されていて、跡形もないみたいですけど」
なにぶん、事件からおおよそ20年経っているせいで、どこまで信憑性があるのかも分からない。そもそも、自分は何をしているのだろうか――ふと、そんな疑問を抱いてしまった。コトリが何をしたいのかさえ不明なままだ。
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