99 / 391
ケース2 干しかんぴょう殺人事件【出題編】
42
しおりを挟む
ガス会社は、有事の際に対応するため24時間顧客の利用状況を監視するシステムが備えられていたはずだ。
「確か、遺体が発見された時、シャワーが出しっぱなしになっていたんですよね? じゃあ、シャワーはどうして出しっぱなしになっていたのか」
一里之の抱いた疑問の意味を察したのであろう。冥が続いてくれた。
「ごく普通に考えるのであれば、シャワーを浴びている最中に亡くなったように見せかけるため、何者かが出しっぱなしにしたと考えるべきでしょうね」
もし、今回の一件が事故ではなく、第三者による殺人なのであれば、シャワーは犯人が出しっぱなしにしていた可能性が高い。ならば、シャワーが出しっぱなしにされた時間帯さえ分かれば、もしかしたら犯人にたどり着けるのではないかと考えたのだ。
「えぇ、ですから、その時間帯さえ割り出すことができれば、誰が犯人なのか特定するのに役立つかもしれないと思いまして」
一里之の提案を聞いたコトリは「セバスチャン、今すぐに契約していたガス会社に連絡を」と、指示を投げる。しかしながら、視線ごとそれを丸投げしてくる鯖洲。
「いや、どこのガス会社と契約していたのかを調べるのは俺の仕事じゃねぇだろ。それこそ、不動産の人間がやる仕事だ。なぁ、小僧」
相変わらず小僧呼ばわりであるが、しかし残念ながら鯖洲の言い分は正しい。この仕事は一里之が適任である。もっとも、会社に確認をすればいいだけなんだから。
早速会社に電話を入れると、一里之は袴田家が契約していたガス会社を調べる。連絡先を教えてもらって、早速電話をした。
「あの、つかぬことをお聞きしたいのですが――」
電話に担当者らしき人が出ると、一里之は自分の身分を明かして事情を説明する。しばらく待たされたのちに、ようやく新情報が明かされることになった。
「ここのお風呂――ガス式の湯沸かし器を使っていたみたいですけど、使用時間があまりにも長いとリミッターのようなものが作動して湯沸かし器が止まるようになっていたみたいですね。ただ、残念ながらコンロなどのシステムとは別物らしくて、24時間の監視下にあるようなものではなかったみたいです」
別方向からのアプローチ。これならばうまくいくと思ったが、しかし残念。またしても空振りである。
「――また空振りかよ。このままじゃ、ここに何泊することになるか分からねぇなぁ」
予定が潰されたことを根に持っているのだろう。鯖洲がわざとらしく声を上げる。それこそ、コトリに聞こえるようにだ。
「確か、遺体が発見された時、シャワーが出しっぱなしになっていたんですよね? じゃあ、シャワーはどうして出しっぱなしになっていたのか」
一里之の抱いた疑問の意味を察したのであろう。冥が続いてくれた。
「ごく普通に考えるのであれば、シャワーを浴びている最中に亡くなったように見せかけるため、何者かが出しっぱなしにしたと考えるべきでしょうね」
もし、今回の一件が事故ではなく、第三者による殺人なのであれば、シャワーは犯人が出しっぱなしにしていた可能性が高い。ならば、シャワーが出しっぱなしにされた時間帯さえ分かれば、もしかしたら犯人にたどり着けるのではないかと考えたのだ。
「えぇ、ですから、その時間帯さえ割り出すことができれば、誰が犯人なのか特定するのに役立つかもしれないと思いまして」
一里之の提案を聞いたコトリは「セバスチャン、今すぐに契約していたガス会社に連絡を」と、指示を投げる。しかしながら、視線ごとそれを丸投げしてくる鯖洲。
「いや、どこのガス会社と契約していたのかを調べるのは俺の仕事じゃねぇだろ。それこそ、不動産の人間がやる仕事だ。なぁ、小僧」
相変わらず小僧呼ばわりであるが、しかし残念ながら鯖洲の言い分は正しい。この仕事は一里之が適任である。もっとも、会社に確認をすればいいだけなんだから。
早速会社に電話を入れると、一里之は袴田家が契約していたガス会社を調べる。連絡先を教えてもらって、早速電話をした。
「あの、つかぬことをお聞きしたいのですが――」
電話に担当者らしき人が出ると、一里之は自分の身分を明かして事情を説明する。しばらく待たされたのちに、ようやく新情報が明かされることになった。
「ここのお風呂――ガス式の湯沸かし器を使っていたみたいですけど、使用時間があまりにも長いとリミッターのようなものが作動して湯沸かし器が止まるようになっていたみたいですね。ただ、残念ながらコンロなどのシステムとは別物らしくて、24時間の監視下にあるようなものではなかったみたいです」
別方向からのアプローチ。これならばうまくいくと思ったが、しかし残念。またしても空振りである。
「――また空振りかよ。このままじゃ、ここに何泊することになるか分からねぇなぁ」
予定が潰されたことを根に持っているのだろう。鯖洲がわざとらしく声を上げる。それこそ、コトリに聞こえるようにだ。
0
あなたにおすすめの小説
妹のために愛の無い結婚をすることになりました
バンブー竹田
恋愛
「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった」
愛するラルフからの唐突な通告に私は言葉を失ってしまった。
婚約が破棄されたことはもちろんショックだけど、それだけじゃない。
私とラルフの結婚は妹のシエルの命がかかったものでもあったから・・・。
落ちこむ私のもとに『アレン』という大金持ちの平民からの縁談が舞い込んできた。
思い悩んだ末、私は会ったこともない殿方と結婚することに決めた。
氷雨と猫と君〖完結〗
カシューナッツ
恋愛
彼とは長年付き合っていた。もうすぐ薬指に指輪をはめると思っていたけれど、久しぶりに呼び出された寒い日、思いもしないことを言われ、季節外れの寒波の中、帰途につく。
☘ 注意する都度何もない考え過ぎだと言い張る夫、なのに結局薬局疚しさ満杯だったじゃんか~ Bakayarou-
設楽理沙
ライト文芸
☘ 2025.12.18 文字数 70,089 累計ポイント 677,945 pt
夫が同じ社内の女性と度々仕事絡みで一緒に外回りや
出張に行くようになって……あまりいい気はしないから
やめてほしいってお願いしたのに、何度も……。❀
気にし過ぎだと一笑に伏された。
それなのに蓋を開けてみれば、何のことはない
言わんこっちゃないという結果になっていて
私は逃走したよ……。
あぁ~あたし、どうなっちゃうのかしらン?
ぜんぜん明るい未来が見えないよ。。・゜・(ノε`)・゜・。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
初回公開日時 2019.01.25 22:29
初回完結日時 2019.08.16 21:21
再連載 2024.6.26~2024.7.31 完結
❦イラストは有償画像になります。
2024.7 加筆修正(eb)したものを再掲載
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
ワシの子を産んでくれんか
KOU/Vami
ライト文芸
妻に先立たれ、息子まで亡くした老人は、息子の妻である若い未亡人と二人きりで古い家に残された。
「まだ若い、アンタは出て行って生き直せ」――そう言い続けるのは、彼女の未来を守りたい善意であり、同時に、自分の寂しさが露見するのを恐れる防波堤でもあった。
しかし彼女は去らない。義父を一人にできないという情と、家に残る最後の温もりを手放せない心が、彼女の足を止めていた。
昼はいつも通り、義父と嫁として食卓を囲む。けれど夜になると、喪失の闇と孤独が、二人の境界を静かに溶かしていく。
ある夜を境に、彼女は“何事もない”顔で日々を回し始め、老人だけが遺影を直視できなくなる。
救いのような笑顔と、罪のような温もり。
二人はやがて、外の世界から少しずつ音を失い、互いだけを必要とする狭い家の中へ沈んでいく――。
余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした
ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。
しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義!
そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。
「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる