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ケース2 干しかんぴょう殺人事件【解決編】
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あえて一里之が目をそらすと、わざとらしく舌打ちをして「面倒臭ぇなぁ――」と立ち上がる鯖洲。残念ながら、コトリが要望したものはすぐに用意できるようなものではない。すなわち、調達する必要がある。
「小僧。昨日と同じく、そこの会社で領収書きるからな」
そろそろ小僧呼ばわりはやめて欲しいところだが、明らかにイライラしている様子の鯖洲に、そんなことを意見する勇気はなかった。頷くことで返事とすると、鯖洲は小さく鼻で笑い、そして出かけてしまった。
「さて、セバスチャンが帰ってくるまで、ゆっくりお茶でもいただいて待っていましょう」
コトリがそう言う前に、ワンテンポ早くコトリのティーカップにお茶を注ぐ冥は、かなりの手練れだと思う。その辺りの気遣いのセンスが半端ではない。鯖洲はともかく、彼女の場合は雇って大正解の人物だろう。そう考えて、一里之はふと思う。自分はお世話係としての役目を果たしているのだろうかと。
「日中に訪れたはずの犯人が、どうやって死亡推定時刻である夜に被害者を殺害できたのか。先ほども言いましたが、それは簡単な仕掛けを犯人が施して現場を離れたからですわ。それについて、ちょっとだけ補足的な情報が欲しいわね」
改めて一里之のほうへと視線を向けてくるコトリ。
「発見された被害者の遺体――首を吊ったという事実以外に、何か変わったことはないかしら? わたくしの考えが正しければ、後頭部辺りに打撲痕が残っているか、もしくは体内に睡眠薬のようなものが残っているはずですわ」
言われてファイルへと視線を落とすが、しかしそれらしき情報はない。このような際、もう少し踏み込んで調べることはできないのだろうか。資料を用意してくれたのが冥であるため、自然と彼女のほうへと視線が向いた。
「当時、そこまで詳しく調べられていないのではないでしょうか。今になって調べ直すこともできませんし、その辺りのことを知るのは難しいかと」
どうやら踏み込んで調べることはできないらしい。どうにも空振りが多いような気がするのは、過去の事件に向き合っているからであろう。リアルタイムで向き合っているわけではないからこそ、どうしても情報が後出しになってしまうし、限定的にもなってしまう。当時、現場を調べた人間の匙加減ひとつで、解決への難易度が上がってしまうのだ。
「そう――。裏付けが取れれば、わたしの考えが正しい証明にもなると思ったのに」
「小僧。昨日と同じく、そこの会社で領収書きるからな」
そろそろ小僧呼ばわりはやめて欲しいところだが、明らかにイライラしている様子の鯖洲に、そんなことを意見する勇気はなかった。頷くことで返事とすると、鯖洲は小さく鼻で笑い、そして出かけてしまった。
「さて、セバスチャンが帰ってくるまで、ゆっくりお茶でもいただいて待っていましょう」
コトリがそう言う前に、ワンテンポ早くコトリのティーカップにお茶を注ぐ冥は、かなりの手練れだと思う。その辺りの気遣いのセンスが半端ではない。鯖洲はともかく、彼女の場合は雇って大正解の人物だろう。そう考えて、一里之はふと思う。自分はお世話係としての役目を果たしているのだろうかと。
「日中に訪れたはずの犯人が、どうやって死亡推定時刻である夜に被害者を殺害できたのか。先ほども言いましたが、それは簡単な仕掛けを犯人が施して現場を離れたからですわ。それについて、ちょっとだけ補足的な情報が欲しいわね」
改めて一里之のほうへと視線を向けてくるコトリ。
「発見された被害者の遺体――首を吊ったという事実以外に、何か変わったことはないかしら? わたくしの考えが正しければ、後頭部辺りに打撲痕が残っているか、もしくは体内に睡眠薬のようなものが残っているはずですわ」
言われてファイルへと視線を落とすが、しかしそれらしき情報はない。このような際、もう少し踏み込んで調べることはできないのだろうか。資料を用意してくれたのが冥であるため、自然と彼女のほうへと視線が向いた。
「当時、そこまで詳しく調べられていないのではないでしょうか。今になって調べ直すこともできませんし、その辺りのことを知るのは難しいかと」
どうやら踏み込んで調べることはできないらしい。どうにも空振りが多いような気がするのは、過去の事件に向き合っているからであろう。リアルタイムで向き合っているわけではないからこそ、どうしても情報が後出しになってしまうし、限定的にもなってしまう。当時、現場を調べた人間の匙加減ひとつで、解決への難易度が上がってしまうのだ。
「そう――。裏付けが取れれば、わたしの考えが正しい証明にもなると思ったのに」
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