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ケース4 ロンダリングプリンセス誕生秘話【エピローグ】
ケース4 ロンダリングプリンセス誕生秘話【エピローグ】1
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帰りはバスを乗り継いで駅まで向かい、新幹線に乗って帰るつもりだった。まさか千早と斑目が見送りに来てくれるとは思っていなかったし、千早が駅まで送ってくれるとも思わなかった。
「悪いな。送ってもらうだけじゃなくて見送りまで」
駅のホームは盆休み少し前のせいか、人はまばらだった。もう少しすると、ここが人でごった返すことになるのだろう。
「ただ見送りにきたわけではありません。むしろ、見送りはついでみたいなものです」
売店で水を買った千早は、キャップを開けて水を一口。その言葉を受けて、斑目が茶封筒を差し出してきた。
「例の事件について、可能な限りで調べてきました。特に真新しい情報はありませんが、せっかくこっちまで帰ってきたんです。あっちのほうに持ち帰ってください」
受け取った封筒は、見た目より重たく感じた。斑目が必死になってかき集めてくれたのであろう。
「ありがとう斑目さん。活用させてもらうよ、これ」
帰ったきっかけではあったものの、こちらにいざ帰ってきたら帰ってきたで、過去の事件と向き合うことになった。それを解決できてしまったことで満足してしまった自分がいた。地元にまとわりついていた呪縛を解き放ったようなものだから、かなりすっきりしたという印象が強い。もちろん、例の事件について新しい情報があるに越したことはないのだが。
「一里之君、前にも忠告しましたけど気をつけてください。あちらに頼れる警察関係者の方とかいないのですか?」
千早は当たり前のように言ってくれるが、そもそも知り合いに警察関係者がいるほうこそ珍しいのではないか。斑目と知り合ったのも、千早を介してだったわけだし。
「あっちのほうにはいないなぁ。まぁ、色々な意味で心強い味方はいるけどさ」
ふと鯖洲の顔が脳裏をよぎり、思わず笑いそうになってしまった。なんだかんだで頼りにしているということか。
「とにかく、危険を感じたら身を引いてください。斑目さんが用意してくれた資料の中に、私の見解を記したメモも入れてあります。確実ではありませんが、参考にしていただけると。本当ならば答えを提示するべきなのでしょうが、やはり分からないことが多くて」
千早は千早で、限られた情報の中から真相を探ろうとしてくれたようだ。店もあって忙しいだろうに、本当にありがたい。
「悪いな。送ってもらうだけじゃなくて見送りまで」
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「例の事件について、可能な限りで調べてきました。特に真新しい情報はありませんが、せっかくこっちまで帰ってきたんです。あっちのほうに持ち帰ってください」
受け取った封筒は、見た目より重たく感じた。斑目が必死になってかき集めてくれたのであろう。
「ありがとう斑目さん。活用させてもらうよ、これ」
帰ったきっかけではあったものの、こちらにいざ帰ってきたら帰ってきたで、過去の事件と向き合うことになった。それを解決できてしまったことで満足してしまった自分がいた。地元にまとわりついていた呪縛を解き放ったようなものだから、かなりすっきりしたという印象が強い。もちろん、例の事件について新しい情報があるに越したことはないのだが。
「一里之君、前にも忠告しましたけど気をつけてください。あちらに頼れる警察関係者の方とかいないのですか?」
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「あっちのほうにはいないなぁ。まぁ、色々な意味で心強い味方はいるけどさ」
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「とにかく、危険を感じたら身を引いてください。斑目さんが用意してくれた資料の中に、私の見解を記したメモも入れてあります。確実ではありませんが、参考にしていただけると。本当ならば答えを提示するべきなのでしょうが、やはり分からないことが多くて」
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