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ケース5 誕生秘話は惨劇へ【出題編】
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「えぇ、大丈夫ですわ。ちょっと考えごとをしていただけ。それよりも、現場となったキャンプ場のことをもう少しだけ詳しく知りたいですわね。ここまでの道程から考えて、普段からまともに経営されているとは思えないから」
ここにいたるまでの間で手入れされていない点を何度か見てきた。案内看板が立ててあるわけでもないし、おそらく唯一の出入り口となるであろう道は荒れ果てていたわけだ。カーナビなどを当たり前に使う世代でも簡単に辿り着けそうもない場所――経営として成り立っているとは思えない。
「えっと――確か資料に詳しいことが書かれていましたね。読み上げます」
冥は資料を漁りつつ、目的のものを見つけた。彼女のほうがよっぽど車酔いしそうな気がするのであるが大丈夫なのであろうか。
「現場となったキャンプ場は今から数十年前から存在したキャンプ場みたいですね。簡単な炊事場とテントサイトが数点ある程度のキャンプ場になります。そのキャンプ場自体が窓辺野不動産の持ち物となっており、そこの一角にある倉庫が現場となったみたいですね」
いつもは不幸な事故や事件が起きた事故物件を探し出してくるわけだが、今回は皮肉なことに、事故物件に呼ばれてしまったわけだ。しかしながら、分からない点が多い。
「話を聞いた限りだと、そこまで規模の大きなキャンプ場でもないみたいですわね。そんなところにどうして倉庫なんて――」
例えば、もっと規模が大きくて、シーズン中は売店などが展開されような場所であれば、レンタル品や商品の保管にストック場が必要となるだろう。けれども、規模はそこまで大きくはなさそうだし、キャンプ場にいたるまでの過程で整備の不備が散見されるようなキャンプ場に、売店などという立派な施設があるとは思えない。そもそも、ここを経営している人達は、最初から儲けようだなんて思っていなかったのかもしれない。
「それは良く分かりませんが、キャンプ場自体を管理していたのは、地元の町みたいですね。町の所有物だったみたいです。それこそ、オープン当初は地元の人間が集まってアウトドアを楽しむことが主たる目的になっていたみたいです。あー、なるほど、経営もなにも、最初から料金自体取っていなかったみたいですね。見落としていましたが、無料で利用できるキャンプ場だったみたいです。だからこそ、窓辺野不動産も整備に手を回さなかったみたいです」
現状、キャンプ場は窓辺野不動産の持ち物。となると、手入れが行き届いていないのは、窓辺野不動産の落ち度ということになるのか。
ここにいたるまでの間で手入れされていない点を何度か見てきた。案内看板が立ててあるわけでもないし、おそらく唯一の出入り口となるであろう道は荒れ果てていたわけだ。カーナビなどを当たり前に使う世代でも簡単に辿り着けそうもない場所――経営として成り立っているとは思えない。
「えっと――確か資料に詳しいことが書かれていましたね。読み上げます」
冥は資料を漁りつつ、目的のものを見つけた。彼女のほうがよっぽど車酔いしそうな気がするのであるが大丈夫なのであろうか。
「現場となったキャンプ場は今から数十年前から存在したキャンプ場みたいですね。簡単な炊事場とテントサイトが数点ある程度のキャンプ場になります。そのキャンプ場自体が窓辺野不動産の持ち物となっており、そこの一角にある倉庫が現場となったみたいですね」
いつもは不幸な事故や事件が起きた事故物件を探し出してくるわけだが、今回は皮肉なことに、事故物件に呼ばれてしまったわけだ。しかしながら、分からない点が多い。
「話を聞いた限りだと、そこまで規模の大きなキャンプ場でもないみたいですわね。そんなところにどうして倉庫なんて――」
例えば、もっと規模が大きくて、シーズン中は売店などが展開されような場所であれば、レンタル品や商品の保管にストック場が必要となるだろう。けれども、規模はそこまで大きくはなさそうだし、キャンプ場にいたるまでの過程で整備の不備が散見されるようなキャンプ場に、売店などという立派な施設があるとは思えない。そもそも、ここを経営している人達は、最初から儲けようだなんて思っていなかったのかもしれない。
「それは良く分かりませんが、キャンプ場自体を管理していたのは、地元の町みたいですね。町の所有物だったみたいです。それこそ、オープン当初は地元の人間が集まってアウトドアを楽しむことが主たる目的になっていたみたいです。あー、なるほど、経営もなにも、最初から料金自体取っていなかったみたいですね。見落としていましたが、無料で利用できるキャンプ場だったみたいです。だからこそ、窓辺野不動産も整備に手を回さなかったみたいです」
現状、キャンプ場は窓辺野不動産の持ち物。となると、手入れが行き届いていないのは、窓辺野不動産の落ち度ということになるのか。
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