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ケース5 誕生秘話は惨劇へ【出題編】
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父が失踪した直後、コトリの母親は警察へと届け出た。警察が介入するのを待っていたかのごとく、身代金の要求があり、事件は誘拐事件へと切り替えられる。テレビドラマのように、何人もの刑事が家に入り浸るのだとばかり思っていたのだが、家に出入りするのはほんの数人程度だった。今の時代、電話の逆探知をするより、GPSを活用したほうが効率的なのかもしれない。
父が誘拐されてしまったことが発覚してからしばらく。正確な日数は覚えていないが、ほんの数日で事件は急展開を迎えた。コトリの家に待機していた刑事達とは別働隊で動いていた刑事達が、GPSを頼りに父を発見したわけだ。
「GPSを頼りにここに到着した警察の方々は、鍵のかかった倉庫の前にたどり着いた。その際、鍵はかかっていたのよね?」
少し離れた場所で紫煙をくゆらせる鯖洲を眺めつつ冥に問う。
「はい、鍵はかかっていたようです。その場に同行していた鑑識の方を呼んで、鍵をピッキングで開けたようですね」
鍵のかかった扉。体当たりなどで破るというイメージが強いのだが、今やピッキングという技術があり、余計な体力を使う必要はないらしい。
「えっと、現場となった倉庫の鍵は何本あったのかしら? 現場で見つかった鍵だけ?」
わざわざ現場までやって来たというのに、車から外には出ずに状況の整理をする。事前に情報を得ておいて損はない……というのは言い訳であって、実際に父が殺害された現場を見るのが少し怖かった。
「はい、鍵は社長が持っていたものだけですね。スペアが作成されたこともなかったようです」
冥は資料をめくりつつ答えてくれる。膨大な資料から、必要最低限の資料だけを持ち出し、それだけでコトリの知りたいことをピンポイントで答えてくれる。その管理能力はメイドをしているだけではもったいないようにも思える。
「現場は窓ひとつない密室。鍵はお父――社長のポケットの中で見つかっている。そして……」
コトリの言わんとしていることを見透かしたのか、冥と言葉がほとんど被った。
「現場には一里之君がいた」
状況的に見ても、一里之が疑われてしまうのは仕方がないのかもしれない。鍵のかかった密室で、遺体と一緒にいたのだから。
外で煙草を吸っていた鯖洲が戻ってくると運転席のドアを開けて顔を覗かせる。
「現場に行かねぇのか?」
もう少し状況の整理と、心の準備をしたかったのであるが、鯖洲の煙草の匂いに、追い出される形で車を降りることになるコトリ。
父が誘拐されてしまったことが発覚してからしばらく。正確な日数は覚えていないが、ほんの数日で事件は急展開を迎えた。コトリの家に待機していた刑事達とは別働隊で動いていた刑事達が、GPSを頼りに父を発見したわけだ。
「GPSを頼りにここに到着した警察の方々は、鍵のかかった倉庫の前にたどり着いた。その際、鍵はかかっていたのよね?」
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「はい、鍵はかかっていたようです。その場に同行していた鑑識の方を呼んで、鍵をピッキングで開けたようですね」
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わざわざ現場までやって来たというのに、車から外には出ずに状況の整理をする。事前に情報を得ておいて損はない……というのは言い訳であって、実際に父が殺害された現場を見るのが少し怖かった。
「はい、鍵は社長が持っていたものだけですね。スペアが作成されたこともなかったようです」
冥は資料をめくりつつ答えてくれる。膨大な資料から、必要最低限の資料だけを持ち出し、それだけでコトリの知りたいことをピンポイントで答えてくれる。その管理能力はメイドをしているだけではもったいないようにも思える。
「現場は窓ひとつない密室。鍵はお父――社長のポケットの中で見つかっている。そして……」
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状況的に見ても、一里之が疑われてしまうのは仕方がないのかもしれない。鍵のかかった密室で、遺体と一緒にいたのだから。
外で煙草を吸っていた鯖洲が戻ってくると運転席のドアを開けて顔を覗かせる。
「現場に行かねぇのか?」
もう少し状況の整理と、心の準備をしたかったのであるが、鯖洲の煙草の匂いに、追い出される形で車を降りることになるコトリ。
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