315 / 391
ケース5 誕生秘話は惨劇へ【解決編】
32
しおりを挟む
「あの、分からなければ分からないで構わないのですが、その心霊スポット騒ぎがあった時、土地の持ち主は――」
こちらの調査不足で、当時から廃病院が窓辺野不動産の持ち物だった可能性もある。それならば、簡単に人が出入りすることはできない。もっもと、深夜の住宅街に肝試しをしに来るような人達には、土地が誰の所有物かなど考えることはできないだろうが。
「あそこはずっと廃病院の持ち物でね。その持ち主が亡くなっちゃったから、どうするんだろうって話が出ていたのよ。建物もずっと残ったままだったしね」
少なくとも、事件当時の土地の持ち主は、廃病院だったらしい。となると、やはり事件当時は誰でも平気で廃病院に出入りすることが可能だったことになる。やはり、監禁場所として使うにはリスクが高すぎる。
「それに、病院が廃業した理由が、ほら――持ち主の死亡でしょう? 管理する人もいなくなってね、事件が起きた時なんて敷地内も荒れ放題で、ちょっとしたジャングルみたいになっちゃってたのよ。みんな迷惑していたけど、ちゃんとした不動産会社が買い取ってくれて本当に良かったわ。今はただの空き地になってるから」
窓辺野不動産が買い取り、土地を整備した。ジャングルという表現をした辺りから察するに、かなり荒れ果てていたのであろう。だとしたら……。
「敷地が荒れ果てていたということですが、その……程度はどれくらいのものだったのですかね?」
斑目の問いかけに、女性は苦笑いを浮かべながら「業者さんが入った時、車で乗り入れられなくて困っていたから、かなり荒れてたと思うわよ。どうやったら、あんな風になるのかしらねぇ。あ、庭に花壇があったりしたから、そこから植物が――」とマシンガントーク。
事件当時の現場は、車で乗り入れできないほどに荒れていた。これは、車の使用を否定することになるのではないか。これから誘拐をしようとする人間が、果たして車で乗り入れすることができないような場所を監禁場所に選ぶだろうか。
「あの、もうひとつだけお聞きしたいのですが、事件の前後に怪しい車や人物などを見たりしませんでした?」
女性は緩く首を横に振る。
「ほら、こんな場所だからね、昼間は誰かの目があるだろうし、夜は心霊スポット騒ぎで過敏になっていた人が多かったから、不審な車なんて近寄ろうものなら、誰かが必ず気づいていたはずよ。あ、ちょっと時間をもらえるなら、私が近所に確認してみましょうか?」
こちらの調査不足で、当時から廃病院が窓辺野不動産の持ち物だった可能性もある。それならば、簡単に人が出入りすることはできない。もっもと、深夜の住宅街に肝試しをしに来るような人達には、土地が誰の所有物かなど考えることはできないだろうが。
「あそこはずっと廃病院の持ち物でね。その持ち主が亡くなっちゃったから、どうするんだろうって話が出ていたのよ。建物もずっと残ったままだったしね」
少なくとも、事件当時の土地の持ち主は、廃病院だったらしい。となると、やはり事件当時は誰でも平気で廃病院に出入りすることが可能だったことになる。やはり、監禁場所として使うにはリスクが高すぎる。
「それに、病院が廃業した理由が、ほら――持ち主の死亡でしょう? 管理する人もいなくなってね、事件が起きた時なんて敷地内も荒れ放題で、ちょっとしたジャングルみたいになっちゃってたのよ。みんな迷惑していたけど、ちゃんとした不動産会社が買い取ってくれて本当に良かったわ。今はただの空き地になってるから」
窓辺野不動産が買い取り、土地を整備した。ジャングルという表現をした辺りから察するに、かなり荒れ果てていたのであろう。だとしたら……。
「敷地が荒れ果てていたということですが、その……程度はどれくらいのものだったのですかね?」
斑目の問いかけに、女性は苦笑いを浮かべながら「業者さんが入った時、車で乗り入れられなくて困っていたから、かなり荒れてたと思うわよ。どうやったら、あんな風になるのかしらねぇ。あ、庭に花壇があったりしたから、そこから植物が――」とマシンガントーク。
事件当時の現場は、車で乗り入れできないほどに荒れていた。これは、車の使用を否定することになるのではないか。これから誘拐をしようとする人間が、果たして車で乗り入れすることができないような場所を監禁場所に選ぶだろうか。
「あの、もうひとつだけお聞きしたいのですが、事件の前後に怪しい車や人物などを見たりしませんでした?」
女性は緩く首を横に振る。
「ほら、こんな場所だからね、昼間は誰かの目があるだろうし、夜は心霊スポット騒ぎで過敏になっていた人が多かったから、不審な車なんて近寄ろうものなら、誰かが必ず気づいていたはずよ。あ、ちょっと時間をもらえるなら、私が近所に確認してみましょうか?」
0
あなたにおすすめの小説
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
ひ弱な竜人 ~周りより弱い身体に転生して、たまに面倒くさい事にも出会うけど家族・仲間・植物に囲まれて二度目の人生を楽しんでます~
白黒 キリン
ファンタジー
前世で重度の病人だった少年が、普人と変わらないくらい貧弱な身体に生まれた竜人族の少年ヤーウェルトとして転生する。ひたすらにマイペースに前世で諦めていたささやかな幸せを噛み締め、面倒くさい奴に絡まれたら鋼の精神力と図太い神経と植物の力を借りて圧倒し、面倒事に巻き込まれたら頼れる家族や仲間と植物の力を借りて撃破して、時に周囲を振り回しながら生きていく。
タイトルロゴは美風慶伍 様作で副題無し版です。
小説家になろうでも公開しています。
https://ncode.syosetu.com/n5715cb/
カクヨムでも公開してします。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887026500
●現状あれこれ
・2021/02/21 完結
・2020/12/16 累計1000000ポイント達成
・2020/12/15 300話達成
・2020/10/05 お気に入り700達成
・2020/09/02 累計ポイント900000達成
・2020/04/26 累計ポイント800000達成
・2019/11/16 累計ポイント700000達成
・2019/10/12 200話達成
・2019/08/25 お気に入り登録者数600達成
・2019/06/08 累計ポイント600000達成
・2019/04/20 累計ポイント550000達成
・2019/02/14 累計ポイント500000達成
・2019/02/04 ブックマーク500達成
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
菱沼あゆ
キャラ文芸
華族の三条家の跡取り息子、三条行正と見合い結婚することになった咲子。
だが、軍人の行正は、整いすぎた美形な上に、あまりしゃべらない。
蝋人形みたいだ……と見合いの席で怯える咲子だったが。
実は、咲子には、人の心を読めるチカラがあって――。
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
(学園 + アイドル ÷ 未成年)× オッサン ≠ いちゃらぶ生活
まみ夜
キャラ文芸
年の差ラブコメ X 学園モノ X オッサン頭脳
様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。
子役出身の女優、芸能事務所社長、元セクシー女優なども登場し、学園の日常はハーレム展開?
第二巻は、ホラー風味です。
【ご注意ください】
※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます
※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります
※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます
第二巻「夏は、夜」の改定版が完結いたしました。
この後、第三巻へ続くかはわかりませんが、万が一開始したときのために、「お気に入り」登録すると忘れたころに始まって、通知が意外とウザいと思われます。
表紙イラストはAI作成です。
(セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ)
題名が「(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ」から変更されております
それでも俺はあなたが好きです
水ノ瀬 あおい
青春
幼なじみの力也(リキ)から頼み込まれて啓南男子バスケ部のマネージャーになった吉井流星(ヨッシー)。
目に入ったのは睨むようにコートを見つめる女バスのマネージャー。
その姿はどこか自分と似ていると思った。
気になって目で追う日々。
だけど、そのマネージャーは男バスキャプテンのセイに片想いをしていた。
意外と不器用なヨッシーのバスケと恋愛。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる