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DAY4
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佳子は作業台に置いてきた花瓶と花束のところへ戻っていく。
急に自分がすべての言葉を失ったような気がして、響野は植物の茎が切られるパチン、パチンという音を聞いた。切り戻されたことによって花の青くささは先ほどよりも少し強まったようだった。
「病院で過労だと言われたのなら過労なんでしょう。何度も言うけれど、私にはあなたはまともに見える。ただ、今みたいなときに“まとも”でいようとしたら、気力や体力を相当消耗するはずよ。身体のどこかにエネルギー切れの場所が出てきたとしても不思議はないと思うけれど」
もちろん医学的な根拠のある話じゃないけれど。付け加えるようにそう言って、伯母は花ばさみを置いた。
鉄製のはさみが作業台の上に着地する重たい音が響く。続いて聞こえてきた音の様子から、彼女が花を集めて花瓶に生けていることがわかった。
伯母が黒っぽい服ばかりを着る人で良かったな、と響野は思う。
もしも服の趣味も母と同じだったら、母と同じ声で、母と同じように花を生けているこの人が、伯母なのか、母なのかわからなくなっていたかもしれない。
それでは、あまりに佳子に対して申し訳なかった。母は母で、伯母は伯母なのに。
響野はキッチンにいる佳子から顔を隠すようにリビングの窓のほうを見る。
「目のことだけど、できれば治ってほしいけど、無理だったらこのままでいいよ。そんなふうに考えてもまともかな?」
聞こえるか聞こえないかというほどの声になったが、口を閉じたときにキッチンの物音が止んでいたので、自分のつぶやきが佳子の耳に届いたらしいことを響野は悟った。
急に自分がすべての言葉を失ったような気がして、響野は植物の茎が切られるパチン、パチンという音を聞いた。切り戻されたことによって花の青くささは先ほどよりも少し強まったようだった。
「病院で過労だと言われたのなら過労なんでしょう。何度も言うけれど、私にはあなたはまともに見える。ただ、今みたいなときに“まとも”でいようとしたら、気力や体力を相当消耗するはずよ。身体のどこかにエネルギー切れの場所が出てきたとしても不思議はないと思うけれど」
もちろん医学的な根拠のある話じゃないけれど。付け加えるようにそう言って、伯母は花ばさみを置いた。
鉄製のはさみが作業台の上に着地する重たい音が響く。続いて聞こえてきた音の様子から、彼女が花を集めて花瓶に生けていることがわかった。
伯母が黒っぽい服ばかりを着る人で良かったな、と響野は思う。
もしも服の趣味も母と同じだったら、母と同じ声で、母と同じように花を生けているこの人が、伯母なのか、母なのかわからなくなっていたかもしれない。
それでは、あまりに佳子に対して申し訳なかった。母は母で、伯母は伯母なのに。
響野はキッチンにいる佳子から顔を隠すようにリビングの窓のほうを見る。
「目のことだけど、できれば治ってほしいけど、無理だったらこのままでいいよ。そんなふうに考えてもまともかな?」
聞こえるか聞こえないかというほどの声になったが、口を閉じたときにキッチンの物音が止んでいたので、自分のつぶやきが佳子の耳に届いたらしいことを響野は悟った。
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