ポケットのなかの空

三尾

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DAY5

11

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「俺もそういう感じだよ」と水元は言った。
「今の響野をサポートするのに自分が持ってる知識や技術が多少は役に立つと思ってる。でも、それは仕事じゃない。当たり前だけど」
「……水元は、どうして俺を助けてくれるんだ?」
 響野は聞いてみる。今さらの質問のような気もしたが、まだ、きちんとたずねたことがなかったのに気が付いた。
SOSたすけてって言われたからかな」
「それだけか?」
「そうだよ……力になりたいと思った」
 水元は少し身体の向きを変える。
「そんなふうに思う相手って、少なくとも嫌いだったり、ウマが合わなかったりするやつじゃないよ。だから、セクハラとか言われると困るんだ。俺も男だし、そういう話題を持ちだすことが、どれくらい勇気がいるかわかるから」
「気持ち悪いって殴り飛ばされても文句は言えないと思うよ」
「よせよ、そんな言い方」
 思いがけず強い口調でたしなめられた。
「気持ち悪いなんて言ってない。なんなら昨日のだってセクハラとまでは思ってないよ」
 思わず相手のほうに顔を向ける。
 ピントの合わない響野の視線が定まるのを待つように、水元はしばらく黙っていた。
「だけど、今はそういう話をしてもはじまらないと思う」


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