ポケットのなかの空

三尾

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DAY2

25

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「俺は水元に、この家を自由に使ってくれと言えばいいだけだ。でも水元は俺のサポートで労力や時間を使うだろう? 自分の転職もあるのに。せめて謝礼を払うとか、何か本当の意味でWIN-WINになるようにすべきじゃないかと思う」
「いらないよ。友達が困ってるときにお金をもらって力を貸すって変だろ」
「変じゃない。公平フェアにしたいんだ」
 響野が言うと、水元は考えるように少し黙った。
「俺が老人ホームでしていた仕事は、入所者さんの食事と入浴の介助、それと排泄介助だ。他にも移乗トランスとか整容とか色々あるけど、介護っていうのは、つまり相手の生活をサポートすることだから、メインの仕事はその三つになるんだよ。ちなみに響野は全部自分でできるよね?」
「一応……」
「見たところ、たんの吸引とか胃ろうカテーテルからの経管栄養けいかんえいようとかも必要なさそうだよな?」
「……まあな」
 専門用語が一部理解できなかったが響野はうなずく。とりあえず、胃にカテーテルは入っていない。
 水元のかすかな笑い声が聞こえた。
「なら、俺にできることなんてそんなにないよ。家事と、あとは目の代わりをするくらいかな。労力や時間がまったくかからないとは言わないけど、響野が思ってるほど大変でもないから安心しろよ」
 実際の介護はこんなものじゃないしね、と言った友人の声は、相変わらず穏やかでやわらかい。


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