ポケットのなかの空

三尾

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DAY6

46

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「なんだか、プロポーズみたいだね」
「早すぎるか?」
「早さの問題なの?」
 水元の声は苦笑している。困ったような相手の笑い方が告白したときの反応によく似ていて、嫌な記憶を呼び起こされた。
「今度はフラないでくれ」
 響野が頼むと、電話ごしにも関わらず、水元が絶句したのがわかる。
「すごいこと言うな……」
「こんなこと、水元以外に言わないよ」
 お互いの感情を知っている相手だから言える、という意味だったが、口にしてみると妙に薄っぺらく聞こえて、スパムメールの文面みたいだと思った。
「響野さ、モテないって嘘だろ?」
「茶化すなよ」
「茶化してないよ。どちらかと言えば、うらやましいよ。そうやって自分の言いたいことをはっきり言えるところとか」
 響野はスマホを持っていないほうの手で首の後ろをこする。無意識のしぐさだったが、視力がおぼつかないぶん、そんな身体の動きに注意が向いた。自分が緊張をほぐそうとしているのを感じる。
「朝の話だけどな、金の問題なら、たぶん何とかなる。もしも水元が心配してるのがそれだったら」


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