29 / 61
29
しおりを挟む
「結局学園祭前になっちゃいましたね」
エドアールが王都に帰ってる間に騎士団長が暇があるということでリリゼットはクレマンや兄二コルと連れだって騎士団庁舎に来ていた。正確に言うと、倉庫の一つ、盾だけをあつめてある作業場所もある所に皆でいた。クレマンは物珍し気に周りを見ている。
「クレマンは風属性、と。リリゼットちゃんとニコルは聖属性、俺が氷と闇、ルネが炎、…ルネ、だれか土属性と水属性のやついる?実験したいんだけど」
「エド、あなたの心当たり呼んだ方が早い。水はすぐ呼べるけど他に心当たりあるならそれで」
エドアールは暫く考えていたが
「作業進めてて、小一時間で戻ってくる。土属性連れてくる」
エドアールが外に出て行き、皆は作業場に用意された石に力を込めるという話であった。水属性の騎士はすぐに来た。伯爵家の三男坊で魔力量もそこそこある人だった。
「あの、お兄様、石の前の力の残滓は外してしまっても?」
ニコルもリリゼットも当たり前にする石の浄化は聖属性の魔法になるので他のメンバーではできない事だった。ニコルもそれに思い当って、ルネに尋ねる。
「なあ、この石、浄化した方がよくないか?」
ルネも思い当たったようだ。
「そうだな。外れた石は魔物の気を吸ってる場合があるしな。しかしどうやって?」
ニコルは作業対象の石を全部集める。各属性に分けてある石を次々とニコルとリリゼットで浄化していく。ニコルもリリゼットほどではないが魔力量は多い。その金髪がふわりと赤身を帯びて光る度に石が浄化されてる。リリゼットの赤い髪は赤いまま輝く。作業というのにその光景に作業場の男たちは見ほれた。
「おお、やってるな」
この国の重鎮、ダンテス公爵、リーゼの父でエドアールの兄であり現公爵がエドアールに連れられて入ってきた。
「………誰連れてきてるんだよ」
ルネとニコルが小さくぼやき。ダンテス公爵はエドアールほどではないが魔法好きで土魔法のこの国の第一人者であった。
「兄上がちょうど空いてたからね。リーゼが土属性だから借りようとおもったら兄上が休日だっていうから連れてきた」
エドアールは悪びれずに言った。
それからは皆、頭を切り替えて作業にいそしむ。
「この一番大きな石が問題で」
エドアールが皆を集める。
「これ無属性の石だったよな?ルネ」
ルネは頷く。
「で、今無属性の力もってるやついないから…どうせなら全属性乗せられないかなって。兄上とリリゼットちゃんは出力の調整をしつつ周りをコントロールして、他の人間は最大出力で魔力をこめる、と。…ニコルはリリゼットちゃんの補佐できる?」
ニコルはこともなげに言う。
「できる。聖属性内の複数魔力加護を付ける事もあるから。当主と嫡子はその力が持てるからね。………エド先輩狙ってたでしょう?」
「噂は聞いてたからな」
ニコルは息を吐いた。
「じゃ、あと30分休ませて。そのあとから始めましょう」
みな否やはなかった。外から騎士団に勤める少年たちがお茶とお菓子を持って入ってきた。紙で作ったカップと素朴な焼き菓子だったが、疲れた体に染み渡った。はちみつや白い砂糖もあったのでみな紅茶に甘味を付けたりして飲んでいる。紅茶は熱く、量もたっぷりあったのでみな十分に茶を楽しんだ。
「さて、始めるか?」
音頭をとるのはやはりエドアールだった。
エドアールが王都に帰ってる間に騎士団長が暇があるということでリリゼットはクレマンや兄二コルと連れだって騎士団庁舎に来ていた。正確に言うと、倉庫の一つ、盾だけをあつめてある作業場所もある所に皆でいた。クレマンは物珍し気に周りを見ている。
「クレマンは風属性、と。リリゼットちゃんとニコルは聖属性、俺が氷と闇、ルネが炎、…ルネ、だれか土属性と水属性のやついる?実験したいんだけど」
「エド、あなたの心当たり呼んだ方が早い。水はすぐ呼べるけど他に心当たりあるならそれで」
エドアールは暫く考えていたが
「作業進めてて、小一時間で戻ってくる。土属性連れてくる」
エドアールが外に出て行き、皆は作業場に用意された石に力を込めるという話であった。水属性の騎士はすぐに来た。伯爵家の三男坊で魔力量もそこそこある人だった。
「あの、お兄様、石の前の力の残滓は外してしまっても?」
ニコルもリリゼットも当たり前にする石の浄化は聖属性の魔法になるので他のメンバーではできない事だった。ニコルもそれに思い当って、ルネに尋ねる。
「なあ、この石、浄化した方がよくないか?」
ルネも思い当たったようだ。
「そうだな。外れた石は魔物の気を吸ってる場合があるしな。しかしどうやって?」
ニコルは作業対象の石を全部集める。各属性に分けてある石を次々とニコルとリリゼットで浄化していく。ニコルもリリゼットほどではないが魔力量は多い。その金髪がふわりと赤身を帯びて光る度に石が浄化されてる。リリゼットの赤い髪は赤いまま輝く。作業というのにその光景に作業場の男たちは見ほれた。
「おお、やってるな」
この国の重鎮、ダンテス公爵、リーゼの父でエドアールの兄であり現公爵がエドアールに連れられて入ってきた。
「………誰連れてきてるんだよ」
ルネとニコルが小さくぼやき。ダンテス公爵はエドアールほどではないが魔法好きで土魔法のこの国の第一人者であった。
「兄上がちょうど空いてたからね。リーゼが土属性だから借りようとおもったら兄上が休日だっていうから連れてきた」
エドアールは悪びれずに言った。
それからは皆、頭を切り替えて作業にいそしむ。
「この一番大きな石が問題で」
エドアールが皆を集める。
「これ無属性の石だったよな?ルネ」
ルネは頷く。
「で、今無属性の力もってるやついないから…どうせなら全属性乗せられないかなって。兄上とリリゼットちゃんは出力の調整をしつつ周りをコントロールして、他の人間は最大出力で魔力をこめる、と。…ニコルはリリゼットちゃんの補佐できる?」
ニコルはこともなげに言う。
「できる。聖属性内の複数魔力加護を付ける事もあるから。当主と嫡子はその力が持てるからね。………エド先輩狙ってたでしょう?」
「噂は聞いてたからな」
ニコルは息を吐いた。
「じゃ、あと30分休ませて。そのあとから始めましょう」
みな否やはなかった。外から騎士団に勤める少年たちがお茶とお菓子を持って入ってきた。紙で作ったカップと素朴な焼き菓子だったが、疲れた体に染み渡った。はちみつや白い砂糖もあったのでみな紅茶に甘味を付けたりして飲んでいる。紅茶は熱く、量もたっぷりあったのでみな十分に茶を楽しんだ。
「さて、始めるか?」
音頭をとるのはやはりエドアールだった。
87
あなたにおすすめの小説
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
冤罪で家が滅んだ公爵令嬢リースは婚約破棄された上に、学院の下働きにされた後、追放されて野垂れ死からの前世の記憶を取り戻して復讐する!
山田 バルス
恋愛
婚約破棄された上に、学院の下働きにされた後、追放されて野垂れ死からの前世の記憶を取り戻して復讐する!
私の生前がだいぶ不幸でカミサマにそれを話したら、何故かそれが役に立ったらしい
あとさん♪
ファンタジー
その瞬間を、何故かよく覚えている。
誰かに押されて、誰?と思って振り向いた。私の背を押したのはクラスメイトだった。私の背を押したままの、手を突き出した恰好で嘲笑っていた。
それが私の最後の記憶。
※わかっている、これはご都合主義!
※設定はゆるんゆるん
※実在しない
※全五話
お言葉ですが今さらです
MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。
次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。
しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。
アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。
失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。
そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。
お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。
内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。
他社サイト様投稿済み。
異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる