リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの

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 「悪気があったわけじゃない」

ジュリエットは本気で言っている。ジュリエットの言葉にニコルは言う。

「悪気がないならもっと悪いな。改める所がわからないだろうから」

ジュリエットは不満顔で言う。

「そりゃちょっと人数間違う事もあるし。怒られることじゃないと思う」

 ニコルの片眉が上がる。あまりよい兆候ではない。今までニコルはこの年下の幼い妻を甘やかすことはあっても叱ることはなかったのだ。彼女についてきた乳母にも
『旦那様が叱ったらジュリエット様はこの家で一人になってしまいます』
と言っていた。その彼女をジュリエットの家は呼び戻した。理由は、彼女から上がっていた報告書だった。ジュリエットの実家に乳母は生活の様子を報告していて、ジュリエットの実家、領地内の男爵家である、がこの乳母はジュリエットを甘やかしてるだけなのでそちらに置いていてもあまり良いことはないと思うと、乳母を連れて帰っていった。
 それからもジュリエットはあまり変わらなかったようだった。

 「ふむ、リリゼットは数え忘れるのにエド先輩が来てる時は数え忘れた事は一度もないのは何故だ?」

「だってあの方はお客様だもの」

ジュリエットは悪びれず答える。

「じゃ、リリゼットは?」

「あなたの妹でしょ?」

あくまでジュリエットは自分の行動のリリゼットに対する悪意に気が付いていない。ジュリエットはまだ甘やかされた子供に近い考え方をしていた。

「なら俺の妹はお前に無視されていい存在かな?そもそも使用人を置物とかみたいに扱うのはなんでなんだ?俺たちの為にいろんなことをやってくれてるのに何故、『ありがとう』すら言わないんだ?」

ジュリエットからすれば使用人に『ありがとう』なんていうのがわからなかった。そういう仕事をしてお金をもらってるのが使用人だ、と。給料を支払うのは我々なのだから、感謝する必要なんてない、というかそれすらも思っていないのかもしれない。自分たち貴族と使用人は身分が違う、と。しかし、ドルバック家の高級侍女は男爵令嬢などもいて、ジュリエットと同じ爵位持ちの親を持っている侍女もいる。
 ジュリエットはそんなことも頭に残ってなかったようだった。ニコルがこれに気が付いたのは去年のジュスティーヌが帰ってからのジュリエットの行動で気が付いた。それと同時に辞めた侍女、これが男爵家の令嬢で内密にその父親から抗議が来たからでもあった。

 その時にニコルは辞めた元メイドのご令嬢に謝罪をする。彼女は奥様の使用人に対する態度を憤ったりしることなく淡々と教えてくれた。まず名前を呼ばない事、執事長のセリックにたいしても侍女頭のマーサにたいしても「あの」「そこの人」。侍女や執事には「ちょっと」、使用人が個人であり、一人ひとり名前も人格もある、と思ってないのでは、とニコルはその令嬢に言われた。
『私だけ、なら我慢もしますが。あの方の世界には一族、いえ、ニコル様とお子様とユーグ様しかいないようです』
と。
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