リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの

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 「いえ、そういう大層な話ではありません」

リリゼットが言うと菫姫は手に持っていた扇で自分のテーブルをちょんちょんとたたいた。クレマンもリリゼットもその席に着いた。

「リリ、お昼は?」

「あ、まだです。………食堂、混んでましたし」

「ああ、今日の日替わりがお肉のスパイス煮込みで男子が狂喜乱舞してはったよ」

と菫姫が教えてくれる。

「こっちでもあれ、食べれるのに」

と菫姫。カフェテリアでも食堂の日替わりは頼めるらしい。リリゼットはツナサンドとの野菜たっぷりのコンソメを。クレマンは同じコンソメと焼いたサバをはさんだパンにした。

「そのスープおいしそうやね」

といって菫姫もスープを頼む。

 リリゼットは食事をしながらの会話は少し苦手であったが、昼休みの時間は限られている。

「あの、北方の視察の話なんですが」

と自分で切り出した。

「なんや、問題でもあるのん?」

リリゼットは首を横に振って否定した。

「いえ、そういう事ではなく。………甥の一人が騎士学校に行ってまして。彼を視察に同行させられないかと」

クレマンは食べていたものを飲み込んだ。

「甥っ子さんはおいくつなんですか?」

「今は10ですが、視察くらいに11の誕生日を迎えるんです。先の為にも騎士の仕事の一端を見るのは悪くないかと。そしてあの子は革細工の加護をもっているので父がどんな皮を選ぶのか、などという所も彼がドルバックの一員として生きるなら見ておくのも悪くないかと思って」

クレマンはさっと決断した。

「いいですよ、同行者の選定は僕とリーゼとエリクでやってるので。視察にはエリクも参加します。………彼もリリゼット嬢のお父上に革の胸当てや手甲など頼みたいようなんです」

リリゼットはくすっと笑う。

「お父様が伯爵の仕事してた時より個人的な受注は多そう」

と言った。リリゼットは今、帰宅後30分ぐらい兄から帳簿の味方や過去の収支を教えられていた。兄はリリゼットは本宅の『赤毛の家』で暮らすなら、ドルバック家の経営も叩き込んでおこうと思ったようだ。ジュリエットは完全に奥か領地に引っ込んでもらおうと思ったようだった。それと同時にリリゼットを週に1回、マダム・フルールの店に通わせている。若者らしいセンス、マダム向けの、男性向けの…そんな色々なファッションについての学習をマダムに任せたらしい。まだ2回しか行ってなくてリリゼットにはまだまだ未知の館であった。

「領地の帳簿とかみてはるのん?」

菫姫が聞いてくる。

「帰宅後に少し見方を習ってるんです、お兄様から」

「そっか。うちも基礎は習ったわ。クレマンはどうやの?」

「そりゃやってますよ。兄は宰相補に入ったし、次兄は騎士団副長だし。領地に関することは私、となってますからね。………姉の婿に高位貴族がいらっしゃったら、自分は次兄のつてで騎士団の事務でもしますよ」

とクレマンは話す。リリゼットはそうか、結婚でそういう順位もかわったりするんだなと改めて思った。
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