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今日は、非日常だ。
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グギュルル……と、お腹の音が鳴る。外は日が落ち真っ暗だった。
「お腹が空いたか?」
ネオ様は何か頼むか、とルームサービスのメニューを僕に渡してくる。僕はメニューを開き、値段に驚いた。パタン、とメニュー表を閉じてネオ様に返す。自分の所持金じゃ払えない強気な値段設定だった。
「なんだ? 食べたいものがなかったのか」
ネオ様は首を傾げながらメニュー表を開く。ペラペラとメニュー表をめくっていくが、晩ご飯にしては高すぎる。
「あ、あの……僕、近くのコンビニに行ってきます」
慌てて身体を起こせば、腰に激痛が走った。それと、同時にフラリとめまいがする。
「おい」
ネオ様がベッドから落ちようとしていた僕の身体を支えてくれた。
「す、すみません……!」
僕はネオ様の肩を押し返しながら謝る。こんなにも身体が弱っていると思ってなかった。
「大人しくしとけ。食べたいものがあるなら作ってやる」
ネオ様の言葉に僕は驚く。
「ネオ様は、料理をなさるんですか?」
「腹が減ったら作るもんだろ」
キョトンと、ネオ様は僕を見る。
「ネオ様の手料理食べてみたいです」
今なら押せる気がした。どうせ、僕は明日帰らなければならない。連絡先を渡されようとも、僕は僕の日常があるしネオ様にはネオ様の日常がある。今日は『非日常』だ。
「お腹が空いたか?」
ネオ様は何か頼むか、とルームサービスのメニューを僕に渡してくる。僕はメニューを開き、値段に驚いた。パタン、とメニュー表を閉じてネオ様に返す。自分の所持金じゃ払えない強気な値段設定だった。
「なんだ? 食べたいものがなかったのか」
ネオ様は首を傾げながらメニュー表を開く。ペラペラとメニュー表をめくっていくが、晩ご飯にしては高すぎる。
「あ、あの……僕、近くのコンビニに行ってきます」
慌てて身体を起こせば、腰に激痛が走った。それと、同時にフラリとめまいがする。
「おい」
ネオ様がベッドから落ちようとしていた僕の身体を支えてくれた。
「す、すみません……!」
僕はネオ様の肩を押し返しながら謝る。こんなにも身体が弱っていると思ってなかった。
「大人しくしとけ。食べたいものがあるなら作ってやる」
ネオ様の言葉に僕は驚く。
「ネオ様は、料理をなさるんですか?」
「腹が減ったら作るもんだろ」
キョトンと、ネオ様は僕を見る。
「ネオ様の手料理食べてみたいです」
今なら押せる気がした。どうせ、僕は明日帰らなければならない。連絡先を渡されようとも、僕は僕の日常があるしネオ様にはネオ様の日常がある。今日は『非日常』だ。
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