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演じる sideサシャ
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サシャ=ジルヴァールは先日の中庭での事を思い出す度に心臓の位置がわかるような動悸がしていた。
その動悸の原因は、3日前のことであり人によってはたかがキスをしようと顔を近づけてきただけなのにと言われるものであった。
思い出す度に赤くなる顔を、サシャは教科書を顔の前に立てて隠した。
授業中は授業だけに集中できるが、合間の休憩時間や、家で1人で過ごしている間はどうしても思い出してしまうのであった。
嬉しくないわけがない。クラークが自分に対し性的興奮を覚えているということはサシャにとって喜ばしいことである。
しかし中庭で、誰が見ているかも分からない場所で、昼間からあんなみだらな行為をするなど、サシャにとっては信じられないことでもあった。
なんとか思い出さないようにしなくては、そう思っても、どうしてか中庭に行く勇気を持てなかった。
クラークに会いたいとは思う。けれども会いたくないとも思う。相反する気持ちにサシャは振り回されていた。
そんな落ち着かない気持ちの中、休み時間に、後ろの席の生徒達が噂をしていた。
『アーヴィン=イブリックが、銀の髪で紫の瞳を持った文官を探している』
と。 サシャは紫眼と聞いて直ぐに自分だと思い至った。
やはりぶつかったことを根に持っているのだ。恐ろしくて手が震えてきた。
見つかれば何をされるのか分からない。
陰口どころではなくなるかもしれない。
結局、友人もいないサシャは、逃げるようにお昼からでも図書館に行くしかなかった。
学園の図書館はかなり広い。
未だ紙は貴重なものだと言われているのに、1時間では歩ききれないほど広いのだ。
高さも3階建てである。そんな広大な図書館には1人2人、ポツリポツリと生徒がいるくらいで普段は殆どいないことが多い。
サシャはその図書館の奥の奥、丸いテーブルに2つの椅子がある。
窓はないが、コーヒーさえあれば優雅なカフェになりそうな雰囲気を醸し出していた。
クラークへの煩悩、アーヴィンへの怯えを払うべく、図書館に籠ることにしたサシャは、椅子に座って本を開いた。
しばらくすると、眠くなってきてしまった。静かな本をめくる音だけが響く空間に、まぶたが重くなるのは必然だった。
午後も授業はある。ここで寝ては遅刻の危険性がある。
サシャは眠い目を眼鏡の下から擦る。しかし、サシャは優雅で静かで、程よい温度に保たれた図書館の空気には抗えなかった。
「……ぃ、おい! 」
「っ!」
カシャン、という音ともにサシャは顔を起こした。眠気に抗えなかったサシャは机に突っ伏してしまっていたのだ。
誰かに声をかけられ飛び起きた。一体誰だと横を見ると、信じられない人物であった。
「起こして悪い。聞きたいことがある」
「…!」
3日前、あの中庭でぶつかったアーヴィン=イブリックであった。
やはり自分を探していたのだと、直ぐにサシャは席を立とうとした。
しかし、アーヴィンは何故かサシャの肩を掴んでいた。やはり何かぶつかった時の因縁をつけられるのかもしれない。
そう思いつつ、どうしてアーヴィンに自分がバレたのかと思った。3日間バレなかったのに、どうしてアーヴィンは自分を分かったのか。
けれども直ぐに理由は判明した。
自分の肩に乗った1つに括ってある髪を見ると、認識阻害をかけた状態の茶色ではなく白髪であったことにサシャは目を剥いた。
「お前、名前なんて言うんだ?」
アーヴィンの言葉にビクリ、と肩を揺らした。
テーブルの上を見ると眼鏡が置いてあった。
机に突っ伏した時に外れたのだ。サシャはカタカタと震えることしか出来なかった。
アーヴィンの問いに答えるということは、サシャ=ジルヴァールと答えることになる。
あの噂の平々凡々茶色の瞳を持つサシャとは違う。忌々しい紫眼を持った、あの噂のサシャ=ジルヴァールにクラスチェンジすることになるのだ。
「? 名前くらい言えるだろ?」
何も答えず、微かに震えるサシャに、名前くらい直ぐに言えるはずだとアーヴィンは訝しんだ。
「ぁ、あの、気味悪くないのか?」
「お前人の話、はぁ。何が気味が悪いんだよ」
「私の目」
「はぁ? 気味悪くない、綺麗で鮮やかなアメジストだろ」
サシャには信じ難い言葉だった。
この忌々しいとまで言われた瞳をアメジストだと例える目の前の人物が信じられなくて思わず何回も瞬きしてしまった。
アーヴィンはテーブルの向かいに、ドカッと座った。
席に座っていいか尋ねるのがマナーだが、サシャへの扱いなどそんなものか、と思うことにした。
「はーーー…ほんと、お前誰?」
「誰、とは?」
「いやお前のこと誰も知らないんだよ。そんな目立つ容姿しておいて、誰も知らないってことはないだろ」
そしてアーヴィンは信じられない言葉を放った。
「まさか、月の精?」
図書館はもともと静かだった。しかし、アーヴィンが放った言葉で更なる静寂へと変化させた。
どのくらいサシャは黙っていたのかは分からない。
そもそもアーヴィンが何を言ったのか、理解するのに時間がかかった。
たっぷりと時間をとって、アーヴィンが首を傾げた。
「ふっ、ふふ…ふ、あははは!」
サシャはこの世に生まれてから、初めて大笑いした。
目の前に座るあのアーヴィン=イブリックが、自分に対し月の精だとのたまった事実が可笑しくて仕方なかった。
目に涙が溜まるほど一頻り笑い、指で涙を拭った。
アーヴィンの方を見ると、なんだか罰が悪そうな、なんとも言えないような、恥ずかしいような、そんな複雑な顔をしていた。
「な、なんだよ。誰も知らないんだからそう思ってもおかしくねぇよ」
「ふふ、ふは、笑わせないで」
「なぁ、名前教えてくれよ」
まだ笑いながらサシャが話すと、アーヴィンは柔らかな微笑みを携えた顔に変わって、サシャの名前を尋ねた。
目の前の男は一貫して、サシャの名前を知りたがった。
サシャは笑うのをやめた。ピタリ、と笑い声を止めてから、考えた。
サシャの名前を教えれば、サシャ=ジルヴァールの噂も知る所になる。
なんだか、アーヴィンにはサシャ=ジルヴァールだと思われたくない、と感じてしまった。
クラークの時はそんなこと思わなかった。いや、そもそもクラークはサシャの本当の忌々しい姿を見せたことがなかった。
そのままのサシャで良いと、偽りだが本当でありたい姿の茶色の瞳を持つサシャを好きだと言ってくれた。
だが目の前のアーヴィンは、それの全く逆だ。この忌々しい紫の瞳を見ても蔑んだ目で見てこないし、蔑みの言葉もない。
しかしながら、サシャ=ジルヴァールと知られれば、サシャの噂が付いてくることになる。
ともすれば、サシャがやることは1つしかない。
「私はティム。ティム=カンポス」
実在しそうな名前を拝借することだった。
アーヴィンは満足そうに爽やかな笑顔を見せた。こうしてみると、女子が騒ぐのもよく分かる。とサシャは思った。
アーヴィンは爽やかな好青年な割に、真剣になるとどこか大人びた印象をもち、目鼻立ちもよい。どこにいっても彼はモテてしまうだろう。
「ティムな。俺は、アーヴィン=イブリック、よろしくな」
「うん」
こうしてサシャは、別人を演じる学園生活を歩む羽目になってしまったのだ。
その動悸の原因は、3日前のことであり人によってはたかがキスをしようと顔を近づけてきただけなのにと言われるものであった。
思い出す度に赤くなる顔を、サシャは教科書を顔の前に立てて隠した。
授業中は授業だけに集中できるが、合間の休憩時間や、家で1人で過ごしている間はどうしても思い出してしまうのであった。
嬉しくないわけがない。クラークが自分に対し性的興奮を覚えているということはサシャにとって喜ばしいことである。
しかし中庭で、誰が見ているかも分からない場所で、昼間からあんなみだらな行為をするなど、サシャにとっては信じられないことでもあった。
なんとか思い出さないようにしなくては、そう思っても、どうしてか中庭に行く勇気を持てなかった。
クラークに会いたいとは思う。けれども会いたくないとも思う。相反する気持ちにサシャは振り回されていた。
そんな落ち着かない気持ちの中、休み時間に、後ろの席の生徒達が噂をしていた。
『アーヴィン=イブリックが、銀の髪で紫の瞳を持った文官を探している』
と。 サシャは紫眼と聞いて直ぐに自分だと思い至った。
やはりぶつかったことを根に持っているのだ。恐ろしくて手が震えてきた。
見つかれば何をされるのか分からない。
陰口どころではなくなるかもしれない。
結局、友人もいないサシャは、逃げるようにお昼からでも図書館に行くしかなかった。
学園の図書館はかなり広い。
未だ紙は貴重なものだと言われているのに、1時間では歩ききれないほど広いのだ。
高さも3階建てである。そんな広大な図書館には1人2人、ポツリポツリと生徒がいるくらいで普段は殆どいないことが多い。
サシャはその図書館の奥の奥、丸いテーブルに2つの椅子がある。
窓はないが、コーヒーさえあれば優雅なカフェになりそうな雰囲気を醸し出していた。
クラークへの煩悩、アーヴィンへの怯えを払うべく、図書館に籠ることにしたサシャは、椅子に座って本を開いた。
しばらくすると、眠くなってきてしまった。静かな本をめくる音だけが響く空間に、まぶたが重くなるのは必然だった。
午後も授業はある。ここで寝ては遅刻の危険性がある。
サシャは眠い目を眼鏡の下から擦る。しかし、サシャは優雅で静かで、程よい温度に保たれた図書館の空気には抗えなかった。
「……ぃ、おい! 」
「っ!」
カシャン、という音ともにサシャは顔を起こした。眠気に抗えなかったサシャは机に突っ伏してしまっていたのだ。
誰かに声をかけられ飛び起きた。一体誰だと横を見ると、信じられない人物であった。
「起こして悪い。聞きたいことがある」
「…!」
3日前、あの中庭でぶつかったアーヴィン=イブリックであった。
やはり自分を探していたのだと、直ぐにサシャは席を立とうとした。
しかし、アーヴィンは何故かサシャの肩を掴んでいた。やはり何かぶつかった時の因縁をつけられるのかもしれない。
そう思いつつ、どうしてアーヴィンに自分がバレたのかと思った。3日間バレなかったのに、どうしてアーヴィンは自分を分かったのか。
けれども直ぐに理由は判明した。
自分の肩に乗った1つに括ってある髪を見ると、認識阻害をかけた状態の茶色ではなく白髪であったことにサシャは目を剥いた。
「お前、名前なんて言うんだ?」
アーヴィンの言葉にビクリ、と肩を揺らした。
テーブルの上を見ると眼鏡が置いてあった。
机に突っ伏した時に外れたのだ。サシャはカタカタと震えることしか出来なかった。
アーヴィンの問いに答えるということは、サシャ=ジルヴァールと答えることになる。
あの噂の平々凡々茶色の瞳を持つサシャとは違う。忌々しい紫眼を持った、あの噂のサシャ=ジルヴァールにクラスチェンジすることになるのだ。
「? 名前くらい言えるだろ?」
何も答えず、微かに震えるサシャに、名前くらい直ぐに言えるはずだとアーヴィンは訝しんだ。
「ぁ、あの、気味悪くないのか?」
「お前人の話、はぁ。何が気味が悪いんだよ」
「私の目」
「はぁ? 気味悪くない、綺麗で鮮やかなアメジストだろ」
サシャには信じ難い言葉だった。
この忌々しいとまで言われた瞳をアメジストだと例える目の前の人物が信じられなくて思わず何回も瞬きしてしまった。
アーヴィンはテーブルの向かいに、ドカッと座った。
席に座っていいか尋ねるのがマナーだが、サシャへの扱いなどそんなものか、と思うことにした。
「はーーー…ほんと、お前誰?」
「誰、とは?」
「いやお前のこと誰も知らないんだよ。そんな目立つ容姿しておいて、誰も知らないってことはないだろ」
そしてアーヴィンは信じられない言葉を放った。
「まさか、月の精?」
図書館はもともと静かだった。しかし、アーヴィンが放った言葉で更なる静寂へと変化させた。
どのくらいサシャは黙っていたのかは分からない。
そもそもアーヴィンが何を言ったのか、理解するのに時間がかかった。
たっぷりと時間をとって、アーヴィンが首を傾げた。
「ふっ、ふふ…ふ、あははは!」
サシャはこの世に生まれてから、初めて大笑いした。
目の前に座るあのアーヴィン=イブリックが、自分に対し月の精だとのたまった事実が可笑しくて仕方なかった。
目に涙が溜まるほど一頻り笑い、指で涙を拭った。
アーヴィンの方を見ると、なんだか罰が悪そうな、なんとも言えないような、恥ずかしいような、そんな複雑な顔をしていた。
「な、なんだよ。誰も知らないんだからそう思ってもおかしくねぇよ」
「ふふ、ふは、笑わせないで」
「なぁ、名前教えてくれよ」
まだ笑いながらサシャが話すと、アーヴィンは柔らかな微笑みを携えた顔に変わって、サシャの名前を尋ねた。
目の前の男は一貫して、サシャの名前を知りたがった。
サシャは笑うのをやめた。ピタリ、と笑い声を止めてから、考えた。
サシャの名前を教えれば、サシャ=ジルヴァールの噂も知る所になる。
なんだか、アーヴィンにはサシャ=ジルヴァールだと思われたくない、と感じてしまった。
クラークの時はそんなこと思わなかった。いや、そもそもクラークはサシャの本当の忌々しい姿を見せたことがなかった。
そのままのサシャで良いと、偽りだが本当でありたい姿の茶色の瞳を持つサシャを好きだと言ってくれた。
だが目の前のアーヴィンは、それの全く逆だ。この忌々しい紫の瞳を見ても蔑んだ目で見てこないし、蔑みの言葉もない。
しかしながら、サシャ=ジルヴァールと知られれば、サシャの噂が付いてくることになる。
ともすれば、サシャがやることは1つしかない。
「私はティム。ティム=カンポス」
実在しそうな名前を拝借することだった。
アーヴィンは満足そうに爽やかな笑顔を見せた。こうしてみると、女子が騒ぐのもよく分かる。とサシャは思った。
アーヴィンは爽やかな好青年な割に、真剣になるとどこか大人びた印象をもち、目鼻立ちもよい。どこにいっても彼はモテてしまうだろう。
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