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番外編
友達 side エメ
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新しい恋愛は、苦しいものだった
エメ=デュリュイはそんな恋愛も楽しんでいた。生来前向きに生きていたエメは、辛くとも今のこの関係を楽しむことに決めたのだ。
しかし、クラーク=アクセルソンは、逆に苦しんでいるようだった。
クラークはとても真面目で誠実な人間だった。学園の時はアーヴィンの影に隠れていたのか、実は今、騎士団の中で結婚したい男1位に輝いているらしい。
これは文官で同期の女子からの情報だった。
エリートコースをつき進み、真面目で実直。騎士にしては穏やかで、少し地味でも優しさの滲み出る笑顔にやられる女子は多いようだった。
エメは世間の評価通りのクラークに納得せざる得なかった。
何度か飲みに行って分かる、その通りの人格に性格、立ち居振る舞い。クラークは評価通りの人間を体現していた。
「えー!いいなー!エメ、クラークさんと友達なの?」
「ああ、ディランが紹介してくれてな」
「はぁ? じゃ、そういう事なの?」
「ジニー、そういう事って?」
女友達と3人で集まって、昼食を食堂でとっていた。 同期は何人かいるが、この3人で集まることが多い。
1人はジニー。三つ編みで可愛い女の子。
もう1人はターニャ。ボブで綺麗な女の子。
しかしどちらの欠点も、エメと同じく地雷男子を呼ぶことが多い友人たちだった。
「だから、恋人候補ってこと!」
「ジニー、違う違う。本当に友達としてだ」
「あら。でもエメのタイプじゃない?」
「やめろよターニャ……いや、その通りなんだけどさ」
ターニャに指摘され、俯くしか出来なかった。
「ああーあの穏やかで優しい感じ、エメのタイプだよねぇ。はー羨ま。ずるーい」
「ディランと友達になれば? あいつ友達めちゃくちゃ多いから紹介してくれるぞ」
「ディランて女の子大好きですって顔に書いてあるからちょっと嫌なんだよねぇ」
「ディランはどうでもいいとして、エメ。どうなの?」
ターニャにそう言われ、エメは本心を言うことに決めた。
「まぁ…俺は、好きになるよ、そりゃ。噂通りの人間だぞ。真面目で誠実。その上一途。良い所しか見つからなくて逆に怖いくらいだ」
「いやーん。エメにまた良い男がとられるー」
「ジニー、大丈夫よ。ダメ男吸引器だから、きっとなにかしらクラークさんにもあるわよ」
なんにも大丈夫じゃない。だいたい、ダメ男を捕まえる時は大抵なにか前兆がある。
既婚者の時は連絡が遅かったり、浮気男の時はやたらめったら時間を気にしていたり、ストーカー男の時は私物が無くなったり、緊縛男の時は目がギラついていた。
クラークにはそういった前兆はなにも見られなかった。
「ひでぇな、ターニャ。クラークはそんなんじゃないって」
「あら。この間の自画自賛男の時も同じこと言ってたわよ?」
何も言い返せなかった。
ジニーは楽しそうに俺を見て言う。
「でも、クラークさんはどう思ってるの?友達ってエメが言うってことは、そうなの?」
「そうだよ、ジニー。クラークは俺を恋愛対象だとは思ってない」
「ディランの勘も外れたのかしら?」
それは確かにそうだ。クラークにとっては、友人をただ紹介されたようなもので、恋人候補というわけでもないだろう。
俺にとってはとても有意義な紹介で、ディランの人の見る目に感動を覚えたくらいだった。
「女の子を見る目は腐ってるけど、友人を見る目はあると思うよぉ? 」
「やけにディランの肩を持つな?」
「あはは。こないだ、違う友達もディランの紹介で付き合ったって言ってたからね。意外と面倒見が良い所があるよねぇ」
ディランの評価が厳しいジニーも、ディランの特技は認めているようだった。
ターニャは頬杖をついて俺を微笑みながら言う。
「なら大丈夫そうね。エメ、もう少し頑張れば?」
「いやー…ほんとそういう感じじゃなくてさ。そもそも、前の恋人のハードルが山並みに高くて」
「クラークさんの元恋人ってサシャ=ジルヴァールだっけ?本当はめちゃくちゃ美人だったって人ねぇ」
「俺と真逆なんだよー!」
ガバッとテーブルにつっ伏すと、ああー…と2人から哀れみの声が上がる。
「本物の姿を見たことないからよく分かんないけど、月の精?みたいな人でしょう? 見てみたいわね」
「俺は見たくねぇー…絶対挫ける自信あるー」
「ありゃ。本当にクラークさんに惚れちゃったのぉ? 」
「自分のタイプ全部当てはまる奴が目の前に現われてみろよ。惚れない方が難しいだろ。恋人がいたならまだしも」
「でも、エメは楽しそうね。いつもそう。エメの恋愛は明るくて楽しそうだわ」
ターニャは俺の顔を見て、心底辛くなさそうなのが伝わっているようだった。
「どっちかってと。クラークの方が苦しんでるな」
「え?! 月の精とエメで揺れてるの?!」
「って言うより、自分の嗜好にブレがあるのが怖いんじゃないか?」
「それって、美人と可愛いを比べてるってこと?難儀な性格の人ね。好きなら好き、嫌いなら嫌いじゃダメなのかしら」
「だから真面目なんだよ」
「やーん、良いなーエメ。そんな人落とすの楽しそうで」
「落とすとか、落とさないとかじゃねーよ」
エメがそういうと、2人はキョトンとした。
当然、エメがクラークを落とそうと躍起になるのが目に浮かんでいたんだろう。けれど、エメはそんなつもりはなかった。
「友達の方が良さそうだ。俺は俺で勝手に好きだけど、押し付けるつもりはない。好きな奴が苦しむのは見ててつらいからな」
友人なら、友人のままで良い。
傍に居るだけで満足してるのだ。
例えクラークが違う人を好きになったとしても、苦しくなるかもしれないが、仕方の無いことだ。
想いを伝えて、自己満足するのだけはしたくなかった。
「…エメのそういう所が、ダメ男を作るのよ」
「そうそう。そういう健気ぇな所」
「2人に言われたくねー」
エメ=デュリュイはそんな恋愛も楽しんでいた。生来前向きに生きていたエメは、辛くとも今のこの関係を楽しむことに決めたのだ。
しかし、クラーク=アクセルソンは、逆に苦しんでいるようだった。
クラークはとても真面目で誠実な人間だった。学園の時はアーヴィンの影に隠れていたのか、実は今、騎士団の中で結婚したい男1位に輝いているらしい。
これは文官で同期の女子からの情報だった。
エリートコースをつき進み、真面目で実直。騎士にしては穏やかで、少し地味でも優しさの滲み出る笑顔にやられる女子は多いようだった。
エメは世間の評価通りのクラークに納得せざる得なかった。
何度か飲みに行って分かる、その通りの人格に性格、立ち居振る舞い。クラークは評価通りの人間を体現していた。
「えー!いいなー!エメ、クラークさんと友達なの?」
「ああ、ディランが紹介してくれてな」
「はぁ? じゃ、そういう事なの?」
「ジニー、そういう事って?」
女友達と3人で集まって、昼食を食堂でとっていた。 同期は何人かいるが、この3人で集まることが多い。
1人はジニー。三つ編みで可愛い女の子。
もう1人はターニャ。ボブで綺麗な女の子。
しかしどちらの欠点も、エメと同じく地雷男子を呼ぶことが多い友人たちだった。
「だから、恋人候補ってこと!」
「ジニー、違う違う。本当に友達としてだ」
「あら。でもエメのタイプじゃない?」
「やめろよターニャ……いや、その通りなんだけどさ」
ターニャに指摘され、俯くしか出来なかった。
「ああーあの穏やかで優しい感じ、エメのタイプだよねぇ。はー羨ま。ずるーい」
「ディランと友達になれば? あいつ友達めちゃくちゃ多いから紹介してくれるぞ」
「ディランて女の子大好きですって顔に書いてあるからちょっと嫌なんだよねぇ」
「ディランはどうでもいいとして、エメ。どうなの?」
ターニャにそう言われ、エメは本心を言うことに決めた。
「まぁ…俺は、好きになるよ、そりゃ。噂通りの人間だぞ。真面目で誠実。その上一途。良い所しか見つからなくて逆に怖いくらいだ」
「いやーん。エメにまた良い男がとられるー」
「ジニー、大丈夫よ。ダメ男吸引器だから、きっとなにかしらクラークさんにもあるわよ」
なんにも大丈夫じゃない。だいたい、ダメ男を捕まえる時は大抵なにか前兆がある。
既婚者の時は連絡が遅かったり、浮気男の時はやたらめったら時間を気にしていたり、ストーカー男の時は私物が無くなったり、緊縛男の時は目がギラついていた。
クラークにはそういった前兆はなにも見られなかった。
「ひでぇな、ターニャ。クラークはそんなんじゃないって」
「あら。この間の自画自賛男の時も同じこと言ってたわよ?」
何も言い返せなかった。
ジニーは楽しそうに俺を見て言う。
「でも、クラークさんはどう思ってるの?友達ってエメが言うってことは、そうなの?」
「そうだよ、ジニー。クラークは俺を恋愛対象だとは思ってない」
「ディランの勘も外れたのかしら?」
それは確かにそうだ。クラークにとっては、友人をただ紹介されたようなもので、恋人候補というわけでもないだろう。
俺にとってはとても有意義な紹介で、ディランの人の見る目に感動を覚えたくらいだった。
「女の子を見る目は腐ってるけど、友人を見る目はあると思うよぉ? 」
「やけにディランの肩を持つな?」
「あはは。こないだ、違う友達もディランの紹介で付き合ったって言ってたからね。意外と面倒見が良い所があるよねぇ」
ディランの評価が厳しいジニーも、ディランの特技は認めているようだった。
ターニャは頬杖をついて俺を微笑みながら言う。
「なら大丈夫そうね。エメ、もう少し頑張れば?」
「いやー…ほんとそういう感じじゃなくてさ。そもそも、前の恋人のハードルが山並みに高くて」
「クラークさんの元恋人ってサシャ=ジルヴァールだっけ?本当はめちゃくちゃ美人だったって人ねぇ」
「俺と真逆なんだよー!」
ガバッとテーブルにつっ伏すと、ああー…と2人から哀れみの声が上がる。
「本物の姿を見たことないからよく分かんないけど、月の精?みたいな人でしょう? 見てみたいわね」
「俺は見たくねぇー…絶対挫ける自信あるー」
「ありゃ。本当にクラークさんに惚れちゃったのぉ? 」
「自分のタイプ全部当てはまる奴が目の前に現われてみろよ。惚れない方が難しいだろ。恋人がいたならまだしも」
「でも、エメは楽しそうね。いつもそう。エメの恋愛は明るくて楽しそうだわ」
ターニャは俺の顔を見て、心底辛くなさそうなのが伝わっているようだった。
「どっちかってと。クラークの方が苦しんでるな」
「え?! 月の精とエメで揺れてるの?!」
「って言うより、自分の嗜好にブレがあるのが怖いんじゃないか?」
「それって、美人と可愛いを比べてるってこと?難儀な性格の人ね。好きなら好き、嫌いなら嫌いじゃダメなのかしら」
「だから真面目なんだよ」
「やーん、良いなーエメ。そんな人落とすの楽しそうで」
「落とすとか、落とさないとかじゃねーよ」
エメがそういうと、2人はキョトンとした。
当然、エメがクラークを落とそうと躍起になるのが目に浮かんでいたんだろう。けれど、エメはそんなつもりはなかった。
「友達の方が良さそうだ。俺は俺で勝手に好きだけど、押し付けるつもりはない。好きな奴が苦しむのは見ててつらいからな」
友人なら、友人のままで良い。
傍に居るだけで満足してるのだ。
例えクラークが違う人を好きになったとしても、苦しくなるかもしれないが、仕方の無いことだ。
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「2人に言われたくねー」
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