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7.デート
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カミーユ先生が迎えに来て、お出かけする予定だから心が弾む。
今日は二人で観劇を楽しむつもりだ。
カミーユ先生は、お父様との話し合いで、無事にお出かけの承諾を得たらしい。
「貴族の称号にこだわるお父様を、どうやって納得させたの?」
白衣を脱いで、ジャケットに白のフリルのついたシャツ、ズボンと言った貴族風の服装で現れたカミーユ先生に尋ねる。
「その話はきちんと話せる時が来たら、説明するよ。
今はまだ調整中なんだ。
でも、今日は医師としてではなく、一人の男としてデートを楽しみたいと思っている。
だから、これからはカミーユと呼んでほしい。」
「わかりました、カミーユ様。
私はお父様の許可があるなら、一緒に観劇を楽しむだけですわ。」
「それじゃあ、行こうか。
どうぞ、シャノン。」
「ありがとう。」
カミーユ様が腕を差し出してくれるので、私は杖を持っていない方の手で、彼の腕をしっかりと掴む。
こうすれば、ゆっくりだけれど転ばずに歩くことができる。
カミーユ様は、後ろに控えたテッドにも声をかける。
「テッドも久しぶりだね。」
「はい、ご無沙汰しておりました。」
「最近、武術を習っているそうだね?」
「はい。
その方がシャノン様のお役に立てそうなので。」
「君は相変わらず一生懸命だね。」
カミーユ様は笑いながら言った。
「はい、動ける限りシャノン様に支えます。」
「そうか。
ありがとう。」
「ふふ、どうしてカミーユ様がお礼を?」
「そうだね。
テッドの君への気持ちが嬉しくてね。」
「そうですか。
私もテッドがいてくれて、本当に良かったと思っているの。
あの事故から、ずっと二人で生きてきた来たから。」
馬車から降りた私達は、ゆっくりながら劇場を歩く。
杖をついている私は、周りの人達より少し目立っているかもしれないけれど、それよりも事故後、こうやって観劇できたのがとても嬉しい。
「カミーユ様、今日は誘っていただきありがとうございます。
一人ならば、もうここへ来ようとも思いませんでした。
だから、こうして来られてとても嬉しいですわ。」
「実は、僕は観劇が初めてなんです。
僕は今まで仕事ばかりしてきましたから。
もし、知らずに無作法なことをしてしまっていたら、教えてください。
どうやら僕達は、周りの人達に注目されているみたいで心配だよ。」
「ふふ、今のところは大丈夫ですわ。
きっとカミーユ様が素敵だから、注目されているんですわ。
そのジャケットを来たカミーユ様は、とっても素敵な貴族に見えますもの。
医師姿の時も素敵でしたけれど。」
「シャノンは、そんな風に僕のことを思ってくれていたの?
初めて聞いたよ。」
「ええ、事故後、目が覚めて最初にカミーユ先生と会った時から、素敵なお医者様だと思っていましたよ。」
「本当に?
それは人生で一番嬉しい言葉かもしれない。」
「ふふ、大げさですわ。」
「大げさなんかじゃないよ。
本気でそう思っているんだ。」
劇場の席に座っていると、友人のローレッタが話しかけて来た。
「シャノン、久しぶり。
観劇できるようになったのね?
素晴らしいわ。」
「ええ、エスコートしてもらえば何とかね。」
「事故後、手紙を渡すだけで、遠慮してしまって直接会いには行けなかったの、ごめんね。」
「いいのよ。
何て言葉をかけていいのかわからない気持ちは私もわかるわ。
事故だけでなく、婚約破棄の件もあったしね。」
「そうなの。」
「じゃあ、僕達は時間まで飲み物を飲んで来るから、ここで二人で話しているといい。」
カミーユ様が提案する。
「テッドも行こう。
ここなら安全だし、女性同士の積もる話もあるだろうから。」
「カミーユ様、お気遣いありがとう。」
「いや、気にしないで。」
カミーユ様とテッドは、ロビーに姿を消した。
「カミーユ先生、シャノン様のこと本気なんですね。」
「ああ、シャノンが退院した後、ぽっかりと心に穴が空いたようだったんだ。
毎日シャノンに会えるのが当たり前で、それがどれほど幸福であるか、その時は気がつかなかったんだ。
あれから、治療院で働いていても、シャノンに会えない日が続くと、やりがいを感じなくなってしまった。
デートに誘えるようになった今では、次に会える日を楽しみに仕事をしているよ。
僕はシャノンと結婚して、仕事が終わったら、彼女に会える生活を送りたい。
そうすれば、仕事だってもっと頑張れる。」
「カミーユ先生の気持ちは、薄々気がついていたので、驚きはしませんでしたが、オーティス伯爵を納得させるために、貴族になるのですね。」
「ああ、そのつもりだ。
今、進めている最中なんだ。
僕は、シャノンとの結婚に必要ならば、あらゆる手を尽くす。
その覚悟はできているよ。」
「だったら、僕はもう何も言いません。
ただ、シャノン様と過ごす際に、気をつけてほしいことが二つあります。
今でもシャノン様を思っているクロード卿と、妹のリオノーラ様には特に注意を払ってください。
クロード卿はシャノン様を全く諦めていないし、リオノーラ様は蛇のような恐ろしい女性です。
シャノン様はどちらにも心を開いているので気にしておらず、全く警戒していません。
リオノーラ様はクロード卿に絡まりつき、彼がシャノン様に気持ちが残っているから、彼女に嫌がらせをするかもしれない。」
「妹さんが?」
「はい、僕はあの事故もリオノーラ様の仕業じゃないかと疑う時があります。
証拠はありませんが。
だから、僕も気をつけますが、シャノン様をくれぐれもよろしくお願いします。」
「ああ、わかった。」
カミーユとテッドは、お互いに目を合わせ頷いた。
二人は治療院にいた時から、シャノンに対する思いも共感し合って来たし、お人よしで、足の悪い彼女を守る大変さも理解している。
「それにしても、テッドが武術を習っていることには驚いた。
成人してから始めるとなると、大変だったんじゃないか?」
「はい、想像の通りです。
僕は元々御者なので、シャノン様を抱き上げるために筋力をつけるところまでは容易かったのですが、さすがに武術となると、習いに出なければならなくて、今必死に習得しているところです。」
「君には本当に頭が下がるよ。」
今日は二人で観劇を楽しむつもりだ。
カミーユ先生は、お父様との話し合いで、無事にお出かけの承諾を得たらしい。
「貴族の称号にこだわるお父様を、どうやって納得させたの?」
白衣を脱いで、ジャケットに白のフリルのついたシャツ、ズボンと言った貴族風の服装で現れたカミーユ先生に尋ねる。
「その話はきちんと話せる時が来たら、説明するよ。
今はまだ調整中なんだ。
でも、今日は医師としてではなく、一人の男としてデートを楽しみたいと思っている。
だから、これからはカミーユと呼んでほしい。」
「わかりました、カミーユ様。
私はお父様の許可があるなら、一緒に観劇を楽しむだけですわ。」
「それじゃあ、行こうか。
どうぞ、シャノン。」
「ありがとう。」
カミーユ様が腕を差し出してくれるので、私は杖を持っていない方の手で、彼の腕をしっかりと掴む。
こうすれば、ゆっくりだけれど転ばずに歩くことができる。
カミーユ様は、後ろに控えたテッドにも声をかける。
「テッドも久しぶりだね。」
「はい、ご無沙汰しておりました。」
「最近、武術を習っているそうだね?」
「はい。
その方がシャノン様のお役に立てそうなので。」
「君は相変わらず一生懸命だね。」
カミーユ様は笑いながら言った。
「はい、動ける限りシャノン様に支えます。」
「そうか。
ありがとう。」
「ふふ、どうしてカミーユ様がお礼を?」
「そうだね。
テッドの君への気持ちが嬉しくてね。」
「そうですか。
私もテッドがいてくれて、本当に良かったと思っているの。
あの事故から、ずっと二人で生きてきた来たから。」
馬車から降りた私達は、ゆっくりながら劇場を歩く。
杖をついている私は、周りの人達より少し目立っているかもしれないけれど、それよりも事故後、こうやって観劇できたのがとても嬉しい。
「カミーユ様、今日は誘っていただきありがとうございます。
一人ならば、もうここへ来ようとも思いませんでした。
だから、こうして来られてとても嬉しいですわ。」
「実は、僕は観劇が初めてなんです。
僕は今まで仕事ばかりしてきましたから。
もし、知らずに無作法なことをしてしまっていたら、教えてください。
どうやら僕達は、周りの人達に注目されているみたいで心配だよ。」
「ふふ、今のところは大丈夫ですわ。
きっとカミーユ様が素敵だから、注目されているんですわ。
そのジャケットを来たカミーユ様は、とっても素敵な貴族に見えますもの。
医師姿の時も素敵でしたけれど。」
「シャノンは、そんな風に僕のことを思ってくれていたの?
初めて聞いたよ。」
「ええ、事故後、目が覚めて最初にカミーユ先生と会った時から、素敵なお医者様だと思っていましたよ。」
「本当に?
それは人生で一番嬉しい言葉かもしれない。」
「ふふ、大げさですわ。」
「大げさなんかじゃないよ。
本気でそう思っているんだ。」
劇場の席に座っていると、友人のローレッタが話しかけて来た。
「シャノン、久しぶり。
観劇できるようになったのね?
素晴らしいわ。」
「ええ、エスコートしてもらえば何とかね。」
「事故後、手紙を渡すだけで、遠慮してしまって直接会いには行けなかったの、ごめんね。」
「いいのよ。
何て言葉をかけていいのかわからない気持ちは私もわかるわ。
事故だけでなく、婚約破棄の件もあったしね。」
「そうなの。」
「じゃあ、僕達は時間まで飲み物を飲んで来るから、ここで二人で話しているといい。」
カミーユ様が提案する。
「テッドも行こう。
ここなら安全だし、女性同士の積もる話もあるだろうから。」
「カミーユ様、お気遣いありがとう。」
「いや、気にしないで。」
カミーユ様とテッドは、ロビーに姿を消した。
「カミーユ先生、シャノン様のこと本気なんですね。」
「ああ、シャノンが退院した後、ぽっかりと心に穴が空いたようだったんだ。
毎日シャノンに会えるのが当たり前で、それがどれほど幸福であるか、その時は気がつかなかったんだ。
あれから、治療院で働いていても、シャノンに会えない日が続くと、やりがいを感じなくなってしまった。
デートに誘えるようになった今では、次に会える日を楽しみに仕事をしているよ。
僕はシャノンと結婚して、仕事が終わったら、彼女に会える生活を送りたい。
そうすれば、仕事だってもっと頑張れる。」
「カミーユ先生の気持ちは、薄々気がついていたので、驚きはしませんでしたが、オーティス伯爵を納得させるために、貴族になるのですね。」
「ああ、そのつもりだ。
今、進めている最中なんだ。
僕は、シャノンとの結婚に必要ならば、あらゆる手を尽くす。
その覚悟はできているよ。」
「だったら、僕はもう何も言いません。
ただ、シャノン様と過ごす際に、気をつけてほしいことが二つあります。
今でもシャノン様を思っているクロード卿と、妹のリオノーラ様には特に注意を払ってください。
クロード卿はシャノン様を全く諦めていないし、リオノーラ様は蛇のような恐ろしい女性です。
シャノン様はどちらにも心を開いているので気にしておらず、全く警戒していません。
リオノーラ様はクロード卿に絡まりつき、彼がシャノン様に気持ちが残っているから、彼女に嫌がらせをするかもしれない。」
「妹さんが?」
「はい、僕はあの事故もリオノーラ様の仕業じゃないかと疑う時があります。
証拠はありませんが。
だから、僕も気をつけますが、シャノン様をくれぐれもよろしくお願いします。」
「ああ、わかった。」
カミーユとテッドは、お互いに目を合わせ頷いた。
二人は治療院にいた時から、シャノンに対する思いも共感し合って来たし、お人よしで、足の悪い彼女を守る大変さも理解している。
「それにしても、テッドが武術を習っていることには驚いた。
成人してから始めるとなると、大変だったんじゃないか?」
「はい、想像の通りです。
僕は元々御者なので、シャノン様を抱き上げるために筋力をつけるところまでは容易かったのですが、さすがに武術となると、習いに出なければならなくて、今必死に習得しているところです。」
「君には本当に頭が下がるよ。」
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