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10.結婚式
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それからしばらくして、シャノンとカミーユは教会で結婚式を挙げた。
事故に遭い傷ついた私が、今ではこんな幸せな結婚を迎えるなんて、夢のようだ。
もしかしたら、結婚することは一生できないのではないかと、病室で泣いていた私に教えてあげたかった。
あなたは、傷があっても、愛してくれる人が見つかると。
その人は私のすべてを受け入れて、支えてくれる知識と覚悟があり、私のために「どんな困難も共にしよう。」と言ってくれると。
純白のウェディングドレスを身に纏い、隣に立つカミーユ様を見上げる。
優しい笑顔で見つめ返してくれるカミーユ様。
真っ白いタキシードを着て、どんな時も私を支えてくれようと、腕を差し出すカミーユ様に私の愛が止まらない。
彼と出会うために、あの事故があったのだとしたら、それもまた運命だと思う。
夜に行われた結婚披露パーティーでは、二人で練習したダンスを披露した。
ゆっくりとしたテンポの大人のための、ダンスである。
カミーユ様は初めてダンスを習うところから始めて、今では誰よりも女性が憧れるダンスをする。
何故なら、私は相変わらず足を引きずるし、ふらつく。
だから、ダンスをすると、時々転倒しそうになるのだ。
そのたびに、カミーユ様は素早く私を抱き上げ、私の足を地面から離して支えてくれる。
私達のダンスは、常にカミーユ様が片方の手は必ず私の腰を支えるという密着スタイルである。
ダンスをしたいという私の希望を叶えるために、カミーユ様は上半身と体幹の運動をテッドに負けないぐらい懸命に行い、今のダンスの形になった。
「テッドと共に編み出した。」と言われた時は、私がダンスをしたいと言ってしまったからと、申し訳ない思いでいっぱいになった。
けれども、その方法で実際にダンスを踊ってみると、ふらつくたびに持ち上げられるので、楽しくてたまらない。
治療院の中庭で、三人で運動をしていた頃のようなのだ。
こうして私は支えられて来たことを思うと、そのたびに幸せが込み上げてくる。
彼に身を任せれば、安心して踊れるから、ただダンスを楽しめばいいと思えるのだ。
だから、数曲のみではあるけれど、カミーユ様に二人でダンスを踊りたいと言われた時は、涙が溢れそうになった。
この方法は、ふらつくたびに持ち上げないとならないので、男性側に負担が多いダンスなのは、すぐにわかる。
それでも、そこまでして私と踊ろうとしてくれるカミーユ様の気持ちがとても嬉しかったから。
二人のダンスを披露した後、会場からは割れんばかりの大きな拍手と女性達の憧れの声が上がる。
だって、私達のダンスにはお互いの密着と抱き上げがセットだから。
こんなダンスは、愛が無ければ成し得ないもので、このダンスをしてくれる人は自分を愛していると身体で表現しているも同じ。
「僕の愛は伝わった?」
「ええ、とっても。
私も愛しているわ。」
「君と出会えて幸せだ。
いつまでも二人で生きていこう。」
事故をきっかけに、最も困難な時期を共に過ごして今がある。
だからこそ、支えてくれる優しさも、感謝の気持ちを伝える大切さも、誰よりも理解している。
二人でいる限り、どんな困難があっても幸せは続いていくと、お互い信じている。
そして、カミーユ様はいつまでも私を愛で包んでくれる。
「僕がいるから大丈夫だよ。」と。
その頃、クロードは祖父が眠る墓地にいて、祖父の墓に花をたむけていた。
「お祖父様、はじめまして。
僕は孫のクロードです。
直接お会いしたことがないので、今までこちらに来なくてすみません。」
エバンス侯爵家の墓地は王都を見渡す丘の上にある。
今日は穏やかな風が吹き、青空が広がっているが、ここに今訪れているのは僕一人だった。
愛するシャノンを失って、リオノーラと婚約させられて、苦悩の日々の中、カミーユ先生の言葉から、テッドと内密に会って話を聞いた。
事故の原因となった犬の群れを、誰が馬車の前に追いやって、あのような事故につながったか、影を使って調査していた。
そして、シャノンの結婚式の数日前に、リオノーラの指示で、金銭目的の牛飼いの男が、犬を操って事故を起こしたと白状した。
リオノーラは長年僕のことが好きで、シャノンを疎ましく思い、事故を装って亡き者にしようとしたと泣きながら話した。
その話を聞いているうちに、怒りが我慢できず、その場で思わず殴ろうとしたが、直前でシャノンの顔が頭に浮かび、振り下ろそうとした手を止めた。
こんな女のせいで、僕はたった一人の愛する人と結婚できなかった。
もちろんオーティス伯爵と話をつけて、婚約破棄したのは言うまでもない。
ただ、その頃にはもう、シャノンの瞳はカミーユ先生しか写しておらず、僕に向けたことのない女の目で、カミーユ先生をうっとりと見ていた。
その瞬間、すべてを悟った。
僕は間に合わなかったと。
こんなに好きなのに、その思いは永遠にシャノンに届かない。
愕然としながらも、彼女の幸せを願うならば、諦めざるを得なかった。
いま、無理矢理シャノンを奪ったとしても、彼女に恨まれる未来しか思い浮かばない。
そして、シャノンが心を痛めるからと、オーティス伯爵に懇願されて、リオノーラを処刑することはできずに、遠い領地へ二度と戻らないと約束させて、追いやった。
その代わりに、シャノンの子供が産まれたら、僕の子供が望めば、その子供と婚約させることを約束させた。
僕はこの先、侯爵家当主になる者として政略結婚は免れない。
けれども、未来の子供に僕の思いを託したいと思ったのだ。
その時やっと、お祖父様がどのような思いで、「僕が望むオーティス伯爵家の娘と結婚させてあげたい。」と願っていたか、自分の痛む心を通して、初めてわかったのだ。
この思いは、オーティス伯爵家の娘なら、どの女でも同じだろうと考える父上にはわからないだろう。
「いつかきっと子供を通してでも、愛するオーティス伯爵家の女性と結ばれたい。」と言う儚い願いは。
だから、シャノンの結婚式である今日、同じ思いをしたであろうお祖父様の墓地を訪れた。
もし、僕が父上よりも力があれば、傷物になろうとシャノンと婚約破棄することは、絶対になかった。
すべては、僕の力不足のせいだ。
「お祖父様、僕達同じですね。
何故か、エバンス侯爵家の男はオーティス伯爵家の女性を渇望するんですね。
全員ではないけれど。
約束します、お祖父様。
僕は必ず強くなってみせます。
そして、生まれて来る子供が望むオーティス伯爵家の娘と、絶対に結婚させます。
子供を通して、いつか僕達のこの願いを叶えると誓います。」
いつか彼女を手に入れるまで。
了
事故に遭い傷ついた私が、今ではこんな幸せな結婚を迎えるなんて、夢のようだ。
もしかしたら、結婚することは一生できないのではないかと、病室で泣いていた私に教えてあげたかった。
あなたは、傷があっても、愛してくれる人が見つかると。
その人は私のすべてを受け入れて、支えてくれる知識と覚悟があり、私のために「どんな困難も共にしよう。」と言ってくれると。
純白のウェディングドレスを身に纏い、隣に立つカミーユ様を見上げる。
優しい笑顔で見つめ返してくれるカミーユ様。
真っ白いタキシードを着て、どんな時も私を支えてくれようと、腕を差し出すカミーユ様に私の愛が止まらない。
彼と出会うために、あの事故があったのだとしたら、それもまた運命だと思う。
夜に行われた結婚披露パーティーでは、二人で練習したダンスを披露した。
ゆっくりとしたテンポの大人のための、ダンスである。
カミーユ様は初めてダンスを習うところから始めて、今では誰よりも女性が憧れるダンスをする。
何故なら、私は相変わらず足を引きずるし、ふらつく。
だから、ダンスをすると、時々転倒しそうになるのだ。
そのたびに、カミーユ様は素早く私を抱き上げ、私の足を地面から離して支えてくれる。
私達のダンスは、常にカミーユ様が片方の手は必ず私の腰を支えるという密着スタイルである。
ダンスをしたいという私の希望を叶えるために、カミーユ様は上半身と体幹の運動をテッドに負けないぐらい懸命に行い、今のダンスの形になった。
「テッドと共に編み出した。」と言われた時は、私がダンスをしたいと言ってしまったからと、申し訳ない思いでいっぱいになった。
けれども、その方法で実際にダンスを踊ってみると、ふらつくたびに持ち上げられるので、楽しくてたまらない。
治療院の中庭で、三人で運動をしていた頃のようなのだ。
こうして私は支えられて来たことを思うと、そのたびに幸せが込み上げてくる。
彼に身を任せれば、安心して踊れるから、ただダンスを楽しめばいいと思えるのだ。
だから、数曲のみではあるけれど、カミーユ様に二人でダンスを踊りたいと言われた時は、涙が溢れそうになった。
この方法は、ふらつくたびに持ち上げないとならないので、男性側に負担が多いダンスなのは、すぐにわかる。
それでも、そこまでして私と踊ろうとしてくれるカミーユ様の気持ちがとても嬉しかったから。
二人のダンスを披露した後、会場からは割れんばかりの大きな拍手と女性達の憧れの声が上がる。
だって、私達のダンスにはお互いの密着と抱き上げがセットだから。
こんなダンスは、愛が無ければ成し得ないもので、このダンスをしてくれる人は自分を愛していると身体で表現しているも同じ。
「僕の愛は伝わった?」
「ええ、とっても。
私も愛しているわ。」
「君と出会えて幸せだ。
いつまでも二人で生きていこう。」
事故をきっかけに、最も困難な時期を共に過ごして今がある。
だからこそ、支えてくれる優しさも、感謝の気持ちを伝える大切さも、誰よりも理解している。
二人でいる限り、どんな困難があっても幸せは続いていくと、お互い信じている。
そして、カミーユ様はいつまでも私を愛で包んでくれる。
「僕がいるから大丈夫だよ。」と。
その頃、クロードは祖父が眠る墓地にいて、祖父の墓に花をたむけていた。
「お祖父様、はじめまして。
僕は孫のクロードです。
直接お会いしたことがないので、今までこちらに来なくてすみません。」
エバンス侯爵家の墓地は王都を見渡す丘の上にある。
今日は穏やかな風が吹き、青空が広がっているが、ここに今訪れているのは僕一人だった。
愛するシャノンを失って、リオノーラと婚約させられて、苦悩の日々の中、カミーユ先生の言葉から、テッドと内密に会って話を聞いた。
事故の原因となった犬の群れを、誰が馬車の前に追いやって、あのような事故につながったか、影を使って調査していた。
そして、シャノンの結婚式の数日前に、リオノーラの指示で、金銭目的の牛飼いの男が、犬を操って事故を起こしたと白状した。
リオノーラは長年僕のことが好きで、シャノンを疎ましく思い、事故を装って亡き者にしようとしたと泣きながら話した。
その話を聞いているうちに、怒りが我慢できず、その場で思わず殴ろうとしたが、直前でシャノンの顔が頭に浮かび、振り下ろそうとした手を止めた。
こんな女のせいで、僕はたった一人の愛する人と結婚できなかった。
もちろんオーティス伯爵と話をつけて、婚約破棄したのは言うまでもない。
ただ、その頃にはもう、シャノンの瞳はカミーユ先生しか写しておらず、僕に向けたことのない女の目で、カミーユ先生をうっとりと見ていた。
その瞬間、すべてを悟った。
僕は間に合わなかったと。
こんなに好きなのに、その思いは永遠にシャノンに届かない。
愕然としながらも、彼女の幸せを願うならば、諦めざるを得なかった。
いま、無理矢理シャノンを奪ったとしても、彼女に恨まれる未来しか思い浮かばない。
そして、シャノンが心を痛めるからと、オーティス伯爵に懇願されて、リオノーラを処刑することはできずに、遠い領地へ二度と戻らないと約束させて、追いやった。
その代わりに、シャノンの子供が産まれたら、僕の子供が望めば、その子供と婚約させることを約束させた。
僕はこの先、侯爵家当主になる者として政略結婚は免れない。
けれども、未来の子供に僕の思いを託したいと思ったのだ。
その時やっと、お祖父様がどのような思いで、「僕が望むオーティス伯爵家の娘と結婚させてあげたい。」と願っていたか、自分の痛む心を通して、初めてわかったのだ。
この思いは、オーティス伯爵家の娘なら、どの女でも同じだろうと考える父上にはわからないだろう。
「いつかきっと子供を通してでも、愛するオーティス伯爵家の女性と結ばれたい。」と言う儚い願いは。
だから、シャノンの結婚式である今日、同じ思いをしたであろうお祖父様の墓地を訪れた。
もし、僕が父上よりも力があれば、傷物になろうとシャノンと婚約破棄することは、絶対になかった。
すべては、僕の力不足のせいだ。
「お祖父様、僕達同じですね。
何故か、エバンス侯爵家の男はオーティス伯爵家の女性を渇望するんですね。
全員ではないけれど。
約束します、お祖父様。
僕は必ず強くなってみせます。
そして、生まれて来る子供が望むオーティス伯爵家の娘と、絶対に結婚させます。
子供を通して、いつか僕達のこの願いを叶えると誓います。」
いつか彼女を手に入れるまで。
了
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