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次の日、目を覚ますと自分が使っているベッドの中だった。
そのすぐそばにはタイラー様がいて、すでに目を覚まし私を見つめていた。
「おはよう、マリア、ぐっすり寝れたようだね。」
「おはようございます、タイラー様。
あれっ、私、どうしてここに?
ごめんなさい、帰りの馬車で寝てしまって。
それに、どうして今まで起きなかったのでしょうか?
きっとタイラー様に、ご迷惑をおかけしましたよね?」
「迷惑だなんて思っていないよ。
昨日のパーティーの祝杯で酔ってしまったんだね。」
「すみません、口をつける程度にしたつもりですが、お酒は今まで飲んだことがなかったのでこうなるとは、わかりませんでした。
私、お酒にかなり弱いんですね。」
「飲み慣れていないから酔いがまわったんだよ。
その後、ダンスも踊ったし、王都に来てからの疲れも溜まっていたのだろう。」
「それにしても、私どうやってこのベッドまで来たのですか?」
「それは、もちろん僕が運んだんだよ。
僕はマリアを抱いて歩くと、めちゃくちゃ遅いし、力もまだ弱いから、ロドルフに支えられながらだけど、他の誰とも君を抱く役目を代わりたくなかったんだ。」
「そうだったんですね。
すみません。
私、その間も全然起きなかったのですね。」
「ああ、僕とロドルフが大騒ぎしながら運んでいても、君はスヤスヤと気持ち良さそうに寝ていたんだ。
今思い出すと、ちょっと笑えるよ。
君には、お酒に慣れるまで僕がいない時は、外で飲むのを控えてもらうかな。」
そう言って、タイラー様は笑う。
「はい、約束します。」
私は、そんな優しい彼に苦笑いするしかなかった。
なんて恥ずかしいの。
その様子を邸の者達は、微笑ましく見守っていたのだろう。
そう思っただけで、顔が熱くなる。
こちらの邸の人達の前では、令嬢らしく振る舞いたかったのに、早速、失敗してしまったわ。
「昨日は色々あったけど、馬車の中でマリアを初めて抱きしめられたし、その後も抱っこして運んだり、寝顔も久しぶりに見れた。
僕にとっては、とても素敵な一日の締めくくりだったよ。
マリアは、以前僕の傷に練り薬を塗ってくれたことがあったけど、僕から君に触れたのは、手を繋ぐことぐらいだからね。
昨日は、君が心配で思わず抱きしめてしまったけれど、嫌じゃなかったかい?」
「そんなタイラー様がすることで、嫌なことなんてありません。」
「だったら、嬉しいよ。
僕は、ブツブツがずっとあった体だから、嫌がられるんじゃないかって、ずっと気にしていたんだ。」
「タイラー様、それは今更ですよ。
タイラー様の体に練り薬を塗っている時点で、私はタイラー様を受け入れています。」
「そうなんだ?
あの頃から?
マリアの口からそんな言葉を聞けるなんて、嬉しすぎて夢みたいだよ。」
そう言った次の瞬間に、タイラー様の表情がふと引き締まる。
「でも、ここからはちゃんと話をしたいんだ。
僕は部屋を出るから、着替えたら僕の部屋に来てほしい。」
さっきまでの穏やかな笑みとは違い、真剣な眼差しでそう言うと、タイラー様は部屋を出て行った。
今日は、波乱の幕開けになる。
私はそう気づいていた。
タイラー様の居室に行くと、タイラー様とロドルフが私を待っていてくれて、一緒にテーブルを囲み、朝食を食べる。
「今日は、食堂で皆さんとご一緒じゃないんですね。」
私が何となくそう尋ねると、タイラー様とロドルフは、顔を見合わせて頷いた。
「朝食の後、お茶を飲みながら、これから先の大切な話をしよう。」
タイラー様はそれ以上何も語らないけれど、私の中でじわじわと悪い予感が広がっていく。
私は不安になりながらも朝食を終え、侍女達が食器を片付けて部屋を出て、三人だけになるとタイラー様は口を開いた。
「昨日のことだけど、ダンスを踊っている時に、兄から何を言われたの?」
「…。」
私は、タイラー様に、カーステン様から何を言われたのか、彼に伝えていいのか迷い黙り込んでしまう。
昨日のカーステン様の話を無かったことにしてしまいたいのに。
「予想はついているんだ。
何しろそれが原因で、朝から邸中、大騒ぎなんだよ。」
「えっ?」
「この階は、僕達しか使ってないから、この通り静かだけど。」
私達は、タイラー様の足の負担を考慮して、一階の奥まった部屋を使っているため、周りには私達に関係する使用人達しかいない。
「そうだったんですね。」
「兄に、もう一度やり直そうと言われたんだろ?
僕も父も兄の性格は熟知しているからわかるけど、兄は美しい人や物に強く惹かれるんだ。
だから父は会ったこともないのに、君を兄の婚約者に選んだ。
美しいと評判の少女であれば、兄が気にいるはずだからね。
けれど、君が妾の子なら兄には不釣り合いで、クライトン侯爵家を継ぐ者の伴侶として認められない。
一方、僕は寝たきりだったから、妾の子でも美しい令嬢の方が僕の癒しになると父は考えたんだ。
その時、父なりに最善を尽くしたつもりだったのかもしれない。
君には、失礼な話だけれども。
でも、実際に会ってみると、君の美しさは想像を遥かに超えていて、僕も父も兄に見せない方が良いって、直感的に思ったんだよ。
父は君を兄から隠そうとして、僕と別邸に追いやったのさ。
しばらく経って、お互いの婚約者とうまくやっていたら、兄も諦めると思っていたんだろう。
だけど、思った以上に兄の美しい人に対する執着心は根深かったようで、僕達の懸念は現実になってしまった。
自分達から婚約破棄したのに、美しいという理由だけで取り戻そうとしている。
もちろん婚約破棄を決めたのは父の意思だ。
それでも、兄はクライトン侯爵家のために、政略結婚の必要性をわかっていて、納得しているはずだった。
何故ならそれによって地位や名誉、財産も手にすることができるのだから。
けれども、兄は朝一番でハリエットに婚約破棄すると騒ぎ、父に直談判しに行ったらしい。
ハリエットは、顔の良し悪しで兄に捨てられそうになって泣き叫ぶし、父は案の定、激怒している。
正式に決まったことなのに、当主の決定に逆らうなんて、貴族として到底許されないことだからね。
でもこれは、ある意味避けられない事態だったのかもしれない。
兄は努力家だし、一見物腰も柔らかいけれど、頑固なところもある。
今、父が兄をなだめようとしているけれど、君は兄の理想そのものだから、そう簡単には諦めないだろう。」
私は、そっと息を吐いた。
でも、私はタイラー様でなければ嫌なの。
それをどうしたら、カーステン様に伝えることができるのだろう?
そもそも、私の意見など聞いてもらえないの?
嫌だ。
今回の件だけは、私の意見をしっかりと言わせていただくわ。
黙って従うだけの私には戻らない。
振り回されるのは、もうウンザリ。
しっかりと話をする。
タイラー様と過ごすようになって、自分の意見を言うことも、受け入れられることも知った私は、ただ婚約破棄を受け入れたあの頃と違う。
でも、その前に私のせいで巻き込まれて、つらい思いをしている妹が気にかかる。
「そうですか。
私はハリエットが心配だわ。
妹と話をしてきてもいいですか?」
「ああ、もちろんだよ。
でも、その前に話したいことがある。
僕の話を聞いてくれるかい?」
「はい。」
「君のこれからのことだ。
僕は、マリアのことが好きだ。
このまま結婚したいと思っている。
でも、君は兄と結婚することもできるんだ。
どちらが良いか、ゆっくり考えてほしい。
僕は療養が長かったから、学院にも通っていないし、走ったり踊ったりするようになることもこれからだ。
その上、君を守るために必要な、最低限の武術を身につけるにはさらに時間がかかるだろう。
対して、兄と結婚すれば、君がかつて思い描いていた華やかな生活を取り戻すことができる。
兄と君が結婚したいと強い意志を見せたら、僕では当主を継ぐのにまだ不十分だから、父も兄の意志を認めざるを得ないかもしれない。
そうなれば君は、一度は掴みかけた侯爵当主夫人という立ち場を改めて手に入れることができるんだよ。
王都の社交会で、妾の子などと一切言われない強い地位だ。
もし、誰かがそんなことを口にすれば、社交会から追放できるだけの力を持つだろう。
だけど、僕を選んだとしても、次男だからただの侯爵夫人という肩書しかあげられない。
僕は、最初から僕よりいい人と出会えたら、その人を選んでと言ったよね。
その思いは今も変わらない。
だから、どちらがいいかマリアが決めていい。
僕に遠慮はいらないからね。」
そう言うと、タイラー様は私を真っ直ぐ見つめる。
私はすぐにあなたが好きだと反論したい。
でも、タイラー様の瞳は、あの時の海のように澄んでいて、その言葉に嘘偽りがないことを示している。
きっとあなたは、この答えに至るまで、じっくりと考えて私のためにこの話をしてくれている。
カーステン様が私の結婚を勝手に歪めようとするこんな時でも、あなたは変わらずに私の自由を尊重しようとするのね。
そんなあなたが大好きなの。
今、この場で感情のまま私が話をしても、タイラー様は納得しないだろう。
あなたが私を案じる時、一歩も引かないのは、私が一番わかっている。
それは、あなたが私を大切にしてくれているからで、今までもそうだった。
だからこそ、あなたをすぐに説得するのは困難なのだろう。
「わかりました。」
私は、タイラー様の居室を後にした。
そのすぐそばにはタイラー様がいて、すでに目を覚まし私を見つめていた。
「おはよう、マリア、ぐっすり寝れたようだね。」
「おはようございます、タイラー様。
あれっ、私、どうしてここに?
ごめんなさい、帰りの馬車で寝てしまって。
それに、どうして今まで起きなかったのでしょうか?
きっとタイラー様に、ご迷惑をおかけしましたよね?」
「迷惑だなんて思っていないよ。
昨日のパーティーの祝杯で酔ってしまったんだね。」
「すみません、口をつける程度にしたつもりですが、お酒は今まで飲んだことがなかったのでこうなるとは、わかりませんでした。
私、お酒にかなり弱いんですね。」
「飲み慣れていないから酔いがまわったんだよ。
その後、ダンスも踊ったし、王都に来てからの疲れも溜まっていたのだろう。」
「それにしても、私どうやってこのベッドまで来たのですか?」
「それは、もちろん僕が運んだんだよ。
僕はマリアを抱いて歩くと、めちゃくちゃ遅いし、力もまだ弱いから、ロドルフに支えられながらだけど、他の誰とも君を抱く役目を代わりたくなかったんだ。」
「そうだったんですね。
すみません。
私、その間も全然起きなかったのですね。」
「ああ、僕とロドルフが大騒ぎしながら運んでいても、君はスヤスヤと気持ち良さそうに寝ていたんだ。
今思い出すと、ちょっと笑えるよ。
君には、お酒に慣れるまで僕がいない時は、外で飲むのを控えてもらうかな。」
そう言って、タイラー様は笑う。
「はい、約束します。」
私は、そんな優しい彼に苦笑いするしかなかった。
なんて恥ずかしいの。
その様子を邸の者達は、微笑ましく見守っていたのだろう。
そう思っただけで、顔が熱くなる。
こちらの邸の人達の前では、令嬢らしく振る舞いたかったのに、早速、失敗してしまったわ。
「昨日は色々あったけど、馬車の中でマリアを初めて抱きしめられたし、その後も抱っこして運んだり、寝顔も久しぶりに見れた。
僕にとっては、とても素敵な一日の締めくくりだったよ。
マリアは、以前僕の傷に練り薬を塗ってくれたことがあったけど、僕から君に触れたのは、手を繋ぐことぐらいだからね。
昨日は、君が心配で思わず抱きしめてしまったけれど、嫌じゃなかったかい?」
「そんなタイラー様がすることで、嫌なことなんてありません。」
「だったら、嬉しいよ。
僕は、ブツブツがずっとあった体だから、嫌がられるんじゃないかって、ずっと気にしていたんだ。」
「タイラー様、それは今更ですよ。
タイラー様の体に練り薬を塗っている時点で、私はタイラー様を受け入れています。」
「そうなんだ?
あの頃から?
マリアの口からそんな言葉を聞けるなんて、嬉しすぎて夢みたいだよ。」
そう言った次の瞬間に、タイラー様の表情がふと引き締まる。
「でも、ここからはちゃんと話をしたいんだ。
僕は部屋を出るから、着替えたら僕の部屋に来てほしい。」
さっきまでの穏やかな笑みとは違い、真剣な眼差しでそう言うと、タイラー様は部屋を出て行った。
今日は、波乱の幕開けになる。
私はそう気づいていた。
タイラー様の居室に行くと、タイラー様とロドルフが私を待っていてくれて、一緒にテーブルを囲み、朝食を食べる。
「今日は、食堂で皆さんとご一緒じゃないんですね。」
私が何となくそう尋ねると、タイラー様とロドルフは、顔を見合わせて頷いた。
「朝食の後、お茶を飲みながら、これから先の大切な話をしよう。」
タイラー様はそれ以上何も語らないけれど、私の中でじわじわと悪い予感が広がっていく。
私は不安になりながらも朝食を終え、侍女達が食器を片付けて部屋を出て、三人だけになるとタイラー様は口を開いた。
「昨日のことだけど、ダンスを踊っている時に、兄から何を言われたの?」
「…。」
私は、タイラー様に、カーステン様から何を言われたのか、彼に伝えていいのか迷い黙り込んでしまう。
昨日のカーステン様の話を無かったことにしてしまいたいのに。
「予想はついているんだ。
何しろそれが原因で、朝から邸中、大騒ぎなんだよ。」
「えっ?」
「この階は、僕達しか使ってないから、この通り静かだけど。」
私達は、タイラー様の足の負担を考慮して、一階の奥まった部屋を使っているため、周りには私達に関係する使用人達しかいない。
「そうだったんですね。」
「兄に、もう一度やり直そうと言われたんだろ?
僕も父も兄の性格は熟知しているからわかるけど、兄は美しい人や物に強く惹かれるんだ。
だから父は会ったこともないのに、君を兄の婚約者に選んだ。
美しいと評判の少女であれば、兄が気にいるはずだからね。
けれど、君が妾の子なら兄には不釣り合いで、クライトン侯爵家を継ぐ者の伴侶として認められない。
一方、僕は寝たきりだったから、妾の子でも美しい令嬢の方が僕の癒しになると父は考えたんだ。
その時、父なりに最善を尽くしたつもりだったのかもしれない。
君には、失礼な話だけれども。
でも、実際に会ってみると、君の美しさは想像を遥かに超えていて、僕も父も兄に見せない方が良いって、直感的に思ったんだよ。
父は君を兄から隠そうとして、僕と別邸に追いやったのさ。
しばらく経って、お互いの婚約者とうまくやっていたら、兄も諦めると思っていたんだろう。
だけど、思った以上に兄の美しい人に対する執着心は根深かったようで、僕達の懸念は現実になってしまった。
自分達から婚約破棄したのに、美しいという理由だけで取り戻そうとしている。
もちろん婚約破棄を決めたのは父の意思だ。
それでも、兄はクライトン侯爵家のために、政略結婚の必要性をわかっていて、納得しているはずだった。
何故ならそれによって地位や名誉、財産も手にすることができるのだから。
けれども、兄は朝一番でハリエットに婚約破棄すると騒ぎ、父に直談判しに行ったらしい。
ハリエットは、顔の良し悪しで兄に捨てられそうになって泣き叫ぶし、父は案の定、激怒している。
正式に決まったことなのに、当主の決定に逆らうなんて、貴族として到底許されないことだからね。
でもこれは、ある意味避けられない事態だったのかもしれない。
兄は努力家だし、一見物腰も柔らかいけれど、頑固なところもある。
今、父が兄をなだめようとしているけれど、君は兄の理想そのものだから、そう簡単には諦めないだろう。」
私は、そっと息を吐いた。
でも、私はタイラー様でなければ嫌なの。
それをどうしたら、カーステン様に伝えることができるのだろう?
そもそも、私の意見など聞いてもらえないの?
嫌だ。
今回の件だけは、私の意見をしっかりと言わせていただくわ。
黙って従うだけの私には戻らない。
振り回されるのは、もうウンザリ。
しっかりと話をする。
タイラー様と過ごすようになって、自分の意見を言うことも、受け入れられることも知った私は、ただ婚約破棄を受け入れたあの頃と違う。
でも、その前に私のせいで巻き込まれて、つらい思いをしている妹が気にかかる。
「そうですか。
私はハリエットが心配だわ。
妹と話をしてきてもいいですか?」
「ああ、もちろんだよ。
でも、その前に話したいことがある。
僕の話を聞いてくれるかい?」
「はい。」
「君のこれからのことだ。
僕は、マリアのことが好きだ。
このまま結婚したいと思っている。
でも、君は兄と結婚することもできるんだ。
どちらが良いか、ゆっくり考えてほしい。
僕は療養が長かったから、学院にも通っていないし、走ったり踊ったりするようになることもこれからだ。
その上、君を守るために必要な、最低限の武術を身につけるにはさらに時間がかかるだろう。
対して、兄と結婚すれば、君がかつて思い描いていた華やかな生活を取り戻すことができる。
兄と君が結婚したいと強い意志を見せたら、僕では当主を継ぐのにまだ不十分だから、父も兄の意志を認めざるを得ないかもしれない。
そうなれば君は、一度は掴みかけた侯爵当主夫人という立ち場を改めて手に入れることができるんだよ。
王都の社交会で、妾の子などと一切言われない強い地位だ。
もし、誰かがそんなことを口にすれば、社交会から追放できるだけの力を持つだろう。
だけど、僕を選んだとしても、次男だからただの侯爵夫人という肩書しかあげられない。
僕は、最初から僕よりいい人と出会えたら、その人を選んでと言ったよね。
その思いは今も変わらない。
だから、どちらがいいかマリアが決めていい。
僕に遠慮はいらないからね。」
そう言うと、タイラー様は私を真っ直ぐ見つめる。
私はすぐにあなたが好きだと反論したい。
でも、タイラー様の瞳は、あの時の海のように澄んでいて、その言葉に嘘偽りがないことを示している。
きっとあなたは、この答えに至るまで、じっくりと考えて私のためにこの話をしてくれている。
カーステン様が私の結婚を勝手に歪めようとするこんな時でも、あなたは変わらずに私の自由を尊重しようとするのね。
そんなあなたが大好きなの。
今、この場で感情のまま私が話をしても、タイラー様は納得しないだろう。
あなたが私を案じる時、一歩も引かないのは、私が一番わかっている。
それは、あなたが私を大切にしてくれているからで、今までもそうだった。
だからこそ、あなたをすぐに説得するのは困難なのだろう。
「わかりました。」
私は、タイラー様の居室を後にした。
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物語が始まらなかった物語。
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唐突に書きたくなって(*ノ▽ノ*)
こーゆー話が山程あって、その内の幾つかに奇跡が起きて転生令嬢とか、主人公が逞しく乗り越えたり、とかするんだなぁ……と思うような話です(  ̄ー ̄)
19日13時に最終話です。
ホトラン48位((((;゜Д゜)))ありがとうございます*。・+(人*´∀`)+・。*
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