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17.夜会への招待状
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楽しい旅から別邸に戻った後、タイラー様の歩行状況はどんどん良くなり、今では走るや踊る以外であれば、ゆっくりだがすべてのことができるようになっていた。
いつものように二人で手を繋いで庭園を散歩していると、これはお世話なのか、ただのカップルの手繋ぎデートなのか、もうわからない。
タイラー様は、顔のブツブツが消えてから、お顔が数段美しくなったので、日増しに私は、彼に見つめられると胸が高鳴り、意識せずにはいられない。
それだけではなく、以前のぎこちない立ち振る舞いが、いつの間にか美しい貴族の所作に変わって、さらに私を夢中にさせる。
でも、それを直接伝えるのは恥ずかしくて、タイラー様には内緒にしていた。
「タイラー様、もう安定して歩けるようになったから、歩く時に手を繋ぐのはやめますか?」
実は彼が、いつまでも私にお世話をされたくないと、内心では思っているかもしれないので、一応確認のために聞いてみた。
すると、
「絶対にダメ。
僕の歩行訓練の意欲を奪うようなことを言ってはいけないよ。」
と珍しく強く拒否された。
こんなに否定されたのは、高熱を出している時は近づかないと約束させられた時と、護衛の数の話以来だった。
私は少し驚きながらも、多分タイラー様は、私と手を繋ぐのが好きなんだと思う。
だから、もうこれはカップルの散歩なのでしょう。
そう受け止めて、今日も彼とのデートを続ける。
だって私も、恥ずかしさはあっても、彼から求められる嬉しさは、私が欲しかったものそのもので。
そんなある日、王都のクライトン侯爵から、タイラー様宛に書状が届く。
それを見て、タイラー様はみるみる険しい表情を浮かべる。
「マリア、僕達は王都に戻らないといけなくなった。
第一王子がご成婚されるそうだ。
だから、貴族は全員、ご成婚披露パーティーに出席しなければならない。
僕は、療養中だから無理しなくていいとあるが、兄とマリアの妹さんが、父の邸にいる。
君は、彼らと一緒にパーティーに出席しなければならないから、僕も行くよ。
父上にもう歩行は問題ないと伝えているが、まだ信じきれていないのだろう。」
「そうですか。
一人では不安なので、タイラー様も一緒に来て頂けるなら心強いです。」
「急いで僕達の夜会用の衣装を作ろう。」
「はい。」
その日から、半年後のご成婚披露パーティーまでに、揃いのドレスやタキシード、王都で着るドレスなど、数着揃えて作った。
スミレ色を基調としたドレスは、私の気持ちを華やかせる。
タイラー様と並び、夜会に行けるだなんて、かつて寝たきりの婚約者様だと落ち込んだ過去の私に教えてあげたい。
まだ彼は、ダンスまではできないけれど、夜会でのエスコートはもう心配がないレベルなのだ。
妾の子だから今まで慎んでいたけれど、貴族令嬢として婚約者と夜会に行けるようになったことが、嬉しくてたまらない。
その頃の私は、もうカーステン様のことは、過去のこととして何とも思っていなかった。
しかし、私の華やぐ思いとは裏腹に、タイラー様は、私が初めてカーステン様と会うことを、とても気にしているように思えた。
王都に向かう日が近づくにつれ、タイラー様の表情が日増しに固くなり、私も不安を感じ始める。
そして、その理由は、王都に着いてカーステン様と会った時にわかるのだった。
いつものように二人で手を繋いで庭園を散歩していると、これはお世話なのか、ただのカップルの手繋ぎデートなのか、もうわからない。
タイラー様は、顔のブツブツが消えてから、お顔が数段美しくなったので、日増しに私は、彼に見つめられると胸が高鳴り、意識せずにはいられない。
それだけではなく、以前のぎこちない立ち振る舞いが、いつの間にか美しい貴族の所作に変わって、さらに私を夢中にさせる。
でも、それを直接伝えるのは恥ずかしくて、タイラー様には内緒にしていた。
「タイラー様、もう安定して歩けるようになったから、歩く時に手を繋ぐのはやめますか?」
実は彼が、いつまでも私にお世話をされたくないと、内心では思っているかもしれないので、一応確認のために聞いてみた。
すると、
「絶対にダメ。
僕の歩行訓練の意欲を奪うようなことを言ってはいけないよ。」
と珍しく強く拒否された。
こんなに否定されたのは、高熱を出している時は近づかないと約束させられた時と、護衛の数の話以来だった。
私は少し驚きながらも、多分タイラー様は、私と手を繋ぐのが好きなんだと思う。
だから、もうこれはカップルの散歩なのでしょう。
そう受け止めて、今日も彼とのデートを続ける。
だって私も、恥ずかしさはあっても、彼から求められる嬉しさは、私が欲しかったものそのもので。
そんなある日、王都のクライトン侯爵から、タイラー様宛に書状が届く。
それを見て、タイラー様はみるみる険しい表情を浮かべる。
「マリア、僕達は王都に戻らないといけなくなった。
第一王子がご成婚されるそうだ。
だから、貴族は全員、ご成婚披露パーティーに出席しなければならない。
僕は、療養中だから無理しなくていいとあるが、兄とマリアの妹さんが、父の邸にいる。
君は、彼らと一緒にパーティーに出席しなければならないから、僕も行くよ。
父上にもう歩行は問題ないと伝えているが、まだ信じきれていないのだろう。」
「そうですか。
一人では不安なので、タイラー様も一緒に来て頂けるなら心強いです。」
「急いで僕達の夜会用の衣装を作ろう。」
「はい。」
その日から、半年後のご成婚披露パーティーまでに、揃いのドレスやタキシード、王都で着るドレスなど、数着揃えて作った。
スミレ色を基調としたドレスは、私の気持ちを華やかせる。
タイラー様と並び、夜会に行けるだなんて、かつて寝たきりの婚約者様だと落ち込んだ過去の私に教えてあげたい。
まだ彼は、ダンスまではできないけれど、夜会でのエスコートはもう心配がないレベルなのだ。
妾の子だから今まで慎んでいたけれど、貴族令嬢として婚約者と夜会に行けるようになったことが、嬉しくてたまらない。
その頃の私は、もうカーステン様のことは、過去のこととして何とも思っていなかった。
しかし、私の華やぐ思いとは裏腹に、タイラー様は、私が初めてカーステン様と会うことを、とても気にしているように思えた。
王都に向かう日が近づくにつれ、タイラー様の表情が日増しに固くなり、私も不安を感じ始める。
そして、その理由は、王都に着いてカーステン様と会った時にわかるのだった。
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