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213 金色
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シャルウィは箱の泥を洗い流した後、その存在を確かめるかのようにザネクとルキアスに視線を投げる。二人が頷きを返すのを確かめてから箱に視線を落として蓋に手を添える。そして持ち上げた。小さくパキンと音がして開く蓋。
中にはそれそのものが光っているかのような煌めきが見えた。いつもの赤い瓶の半分にも満たない小ささだが、煌めきは比較にならない程に強い。
「き! 金色だわ!」
「おおっ!」
「やった!」
「これは間違いなく神薬よーっ!」
シャルウィは手放しで喜んだ。両手を広げてザネクとルキアスに抱き付く。
両手を広げて?
ルキアスの目は放物線を描く煌めきを見た。
「えええっ!」
慌てて『傘』をそっちへ向かわせるが、時既に遅し。チャポンと水音が響いた。
「ちょっと、何やってんの!?」
ルキアスは叫んだ。
「どうしたって言うのよ?」
「おまっ! シャルウィ、手! 手!」
ザネクも異変に気付いた。
「手? 手がどうしたの?」
シャルウィは広げた自分の両手を見る。ワキワキと握ったり広げたりを繰り返す。
血の気が引いた。
「ど……、どこ? 神薬、どこ?」
「さっき、あっちにチャポンと」
ルキアスは指で放物線を描いた後、煌めきの落ちた辺りを指し示す。この辺りは見るからに深い沼だから回収は絶望的だ。
「え……、マジ……?」
「うん」
シャルウィの顔を流れる滝のような冷や汗。彼女は頭を抱えて突っ伏した。
「い嫌あああああぁぁぁぁ!!!!!!」
耳をつんざくような悲鳴が木霊する。
その悲鳴の中、ルキアスは誰かの溜め息を聞いた気がした。ザネクの様子を窺ってみるが、そんな様子は無い。気のせいか。そう思った瞬間、ザネクの向こうに人影を見た。ボブウェーブ茶髪でひらひらのミニスカートを穿いた少女だ。少女は右手の親指を立てた後、それを下に向けて振り下げる。
(ヨーコ、怒ってる? どうして?)
ルキアスは惑乱だ。神を名乗る少女から「ダンジョンの攻略が遅い」とまたお小言を貰うのか。いや、それならもっと早くお小言を貰っても良い筈だ。このタイミングでなければならない意味が判らない。
(いや、もしかして……)
シャルウィは「呼ばれた」と言った。そしてその先に在ったのが神薬らしきもの。落としてしまったから正体は判らず仕舞いだが。
しかし状況的に理解せずにいられない。
(ヨーコが都合してくれたんだ!)
何の気まぐれかは判らないがヨーコが手を貸してくれたのだ。それをシャルウィがうっかりでふいにした。
(もう一回なんてお願いできないよね……)
ルキアスは頭を抱えたくなった。
「どうした? ルキアス?」
「あ、うん。帰ろうか」
「そうだな」
二人は返事をする気力も無いらしいシャルウィを引き摺るようにしながらダンジョンを出る。
するとその途端。
「ルキアスちゃん! 待ってたのよ!」
メイナーダの声がした。
中にはそれそのものが光っているかのような煌めきが見えた。いつもの赤い瓶の半分にも満たない小ささだが、煌めきは比較にならない程に強い。
「き! 金色だわ!」
「おおっ!」
「やった!」
「これは間違いなく神薬よーっ!」
シャルウィは手放しで喜んだ。両手を広げてザネクとルキアスに抱き付く。
両手を広げて?
ルキアスの目は放物線を描く煌めきを見た。
「えええっ!」
慌てて『傘』をそっちへ向かわせるが、時既に遅し。チャポンと水音が響いた。
「ちょっと、何やってんの!?」
ルキアスは叫んだ。
「どうしたって言うのよ?」
「おまっ! シャルウィ、手! 手!」
ザネクも異変に気付いた。
「手? 手がどうしたの?」
シャルウィは広げた自分の両手を見る。ワキワキと握ったり広げたりを繰り返す。
血の気が引いた。
「ど……、どこ? 神薬、どこ?」
「さっき、あっちにチャポンと」
ルキアスは指で放物線を描いた後、煌めきの落ちた辺りを指し示す。この辺りは見るからに深い沼だから回収は絶望的だ。
「え……、マジ……?」
「うん」
シャルウィの顔を流れる滝のような冷や汗。彼女は頭を抱えて突っ伏した。
「い嫌あああああぁぁぁぁ!!!!!!」
耳をつんざくような悲鳴が木霊する。
その悲鳴の中、ルキアスは誰かの溜め息を聞いた気がした。ザネクの様子を窺ってみるが、そんな様子は無い。気のせいか。そう思った瞬間、ザネクの向こうに人影を見た。ボブウェーブ茶髪でひらひらのミニスカートを穿いた少女だ。少女は右手の親指を立てた後、それを下に向けて振り下げる。
(ヨーコ、怒ってる? どうして?)
ルキアスは惑乱だ。神を名乗る少女から「ダンジョンの攻略が遅い」とまたお小言を貰うのか。いや、それならもっと早くお小言を貰っても良い筈だ。このタイミングでなければならない意味が判らない。
(いや、もしかして……)
シャルウィは「呼ばれた」と言った。そしてその先に在ったのが神薬らしきもの。落としてしまったから正体は判らず仕舞いだが。
しかし状況的に理解せずにいられない。
(ヨーコが都合してくれたんだ!)
何の気まぐれかは判らないがヨーコが手を貸してくれたのだ。それをシャルウィがうっかりでふいにした。
(もう一回なんてお願いできないよね……)
ルキアスは頭を抱えたくなった。
「どうした? ルキアス?」
「あ、うん。帰ろうか」
「そうだな」
二人は返事をする気力も無いらしいシャルウィを引き摺るようにしながらダンジョンを出る。
するとその途端。
「ルキアスちゃん! 待ってたのよ!」
メイナーダの声がした。
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