生活魔法は万能です

浜柔

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249 間違えた気が

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「左から魔物!」

 丁字路の手前で『鏡』を使う前から警告を発したのはシャルウィだ。警告通りに魔物が現れる。事前の警告のお陰か、討伐は今まで以上にスムーズに終わった。
 ルキアスはシャルウィに感心しきりだ。銃弾を補充しながらシャルウィを褒める。銃は命綱でもあるのだから、関心事があっても銃弾補充は欠かさない。半ば無意識に補充するようになっている。

「シャルウィって凄いね! 見えない魔物が判るんだ!」
「ふふん……。もっと褒めていいのよ?」

 シャルウィは自分の胸を軽く叩きながら答えた。

「うん。凄い凄い。だけど、どうやったら魔物が来るって判るの?」

 ルキアスはそこが不思議だった。

「そんなの勘に決まってるじゃない」
「勘?」
「ちょっと違うけどそんなようなもので判るのよ」
「そうなの?」

 ルキアスはザネクに振った。しかしザネクも首を傾げるのでよく判らないままだった。
 この勘のようなものに関してはダンジョンに滞在した時間が関係するので腕が立つ立たないとは少し違う面がある。当然リュミアも知っているが、今のルキアス達に話してどうこうなるものではないので話していない。

「それってどうやったらできるようになる?」
「知らないわ。気付いたら判るようになってたんだもの」
「そうなんだ……。ありがとう」

 ルキアスは釈然としないながらも話を切り上げた。シャルウィにしつこく尋ねても何か判るとは思えなかったのだ。
 そして昼食休憩の時にルキアスはザネクにこそっと話し掛けた。

「ねぇ、ぼく達……もしかしたらぼくだけかもだけど、何か勘違いしてる気しない?」
「ああ、俺もどこかで間違えた気がする」

 ルキアスが詳しく説明する前にザネクはそう答えた。ザネクもシャルウィの索敵には思うところがあったのだ。

「どこで間違えたんだろう?」
「あるとしたら第四階層だな。楽をし過ぎた」

 通常なら地面か水面か判らない道を歩き、水中から不意に現れる魔物を対処しながら進むのだが、空を飛んで全部ショートカットしてしまった。ここで何かの感覚が鍛えられるのであれば、機会を逸したことになる。

「そうだね……。だけどあそこを空を飛ばずにやり直す気になれる?」
「無理だな」

 ザネクは嫌そうに頭を振って即答した。今更しなくて良い苦労を泥塗れになってする気にはならない。何かの感覚が鍛えられるとしても、第四階層でなければならない理由は無いだろう。

「この階層で頑張る方がいいぜ」
「だよね。でもそうするとぼく達早まったよね?」

 エリリースとシャルウィをパーティーに加えるのではなく、探索を半日だけにしてでも二人で挑むべきだった。強いられる緊張を克服した先に得られる力があるのかも知れないのだから。

「ああ。だが今更外れて貰う訳にもな?」
「だよねー」
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