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282 飛べるようになった?
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「こんなもんかな」
ルキアスは試し撃ちを切り上げた。
「もういいのか?」
「うん。こなせるようにじゃなくて、感覚を掴むだけだから。それに流れ弾がちょっと怖いんだ」
「流れ弾?」
「威力のある弾丸だと見えない遠くまで飛んで誰かに当たったりしそうで」
的を上に外した弾丸は竹林のかなり奥の竹を揺らした。
「あー、確かにそうだ。この階層の探索者は防具も頼りないから万が一当たったら洒落にならないな」
そう答えるザネクは何故か身体が左右に揺れている。ルキアスはその動きを瞳を左右させて追っていたが、不審に過ぎた。
「ところでザネク、何で揺れてるの?」
ザネクは足下を指差すことで応えた。ルキアスがその足下を見れば、『傘』らしき輪郭線がザネクの足の下で小さく光っている。
「『傘』?」
「おう。こうやって地面に押し付けたら立ち止まってても練習になるからな」
「そうなんだ?」
「何、きょとんとしてんだ。ルキアスの話があったから思い付いた方法だぞ」
ルキアスはザネクに雪の上を『傘』で歩いた話をベクロテまでの道中の雑談で話していた。ルキアス自身は「そうだっけ?」と忘れる程度の軽い話である。
「そうなんだ」
ルキアスはそんな話まで憶えていたのかと益々感心するが、それはそれとして、ザネクの『傘』の様子も気になった。
「もしかしてもう飛べるようになった?」
するとザネクがにやりと笑う。
「見てろよ」
ザネクは一旦『傘』を消し、地面から僅かに浮いた位置で上に向けて再度差す。そしてへっぴり腰になりながらも上に乗った。そのへっぴり腰が少し恥ずかしかったのか顔を赤らめる。
「ま、まあ、まだ乗るのは上手くねぇし、まだルキアスみたいに内側にも乗れないが、外側なら行けるぜ」
「ほんと!? でもいつの間に……?」
「そりゃ、ルキアスが蒸気銃を改造してる間だ」
「そっか。そうだよね……」
ルキアスはまたがっくりと肩を落とした。とんだところで差を付けられた気分だ。
ともあれここでの用は済んだ。後は帰るのみだ。ザネクは『傘』に乗ったまま帰路に就く。
ただ、その速度はルキアスがゆっくり、時に立ち止まって合わせなければならないほどに遅かった。実用にはもう少しのようだ。
ルキアスは試し撃ちを切り上げた。
「もういいのか?」
「うん。こなせるようにじゃなくて、感覚を掴むだけだから。それに流れ弾がちょっと怖いんだ」
「流れ弾?」
「威力のある弾丸だと見えない遠くまで飛んで誰かに当たったりしそうで」
的を上に外した弾丸は竹林のかなり奥の竹を揺らした。
「あー、確かにそうだ。この階層の探索者は防具も頼りないから万が一当たったら洒落にならないな」
そう答えるザネクは何故か身体が左右に揺れている。ルキアスはその動きを瞳を左右させて追っていたが、不審に過ぎた。
「ところでザネク、何で揺れてるの?」
ザネクは足下を指差すことで応えた。ルキアスがその足下を見れば、『傘』らしき輪郭線がザネクの足の下で小さく光っている。
「『傘』?」
「おう。こうやって地面に押し付けたら立ち止まってても練習になるからな」
「そうなんだ?」
「何、きょとんとしてんだ。ルキアスの話があったから思い付いた方法だぞ」
ルキアスはザネクに雪の上を『傘』で歩いた話をベクロテまでの道中の雑談で話していた。ルキアス自身は「そうだっけ?」と忘れる程度の軽い話である。
「そうなんだ」
ルキアスはそんな話まで憶えていたのかと益々感心するが、それはそれとして、ザネクの『傘』の様子も気になった。
「もしかしてもう飛べるようになった?」
するとザネクがにやりと笑う。
「見てろよ」
ザネクは一旦『傘』を消し、地面から僅かに浮いた位置で上に向けて再度差す。そしてへっぴり腰になりながらも上に乗った。そのへっぴり腰が少し恥ずかしかったのか顔を赤らめる。
「ま、まあ、まだ乗るのは上手くねぇし、まだルキアスみたいに内側にも乗れないが、外側なら行けるぜ」
「ほんと!? でもいつの間に……?」
「そりゃ、ルキアスが蒸気銃を改造してる間だ」
「そっか。そうだよね……」
ルキアスはまたがっくりと肩を落とした。とんだところで差を付けられた気分だ。
ともあれここでの用は済んだ。後は帰るのみだ。ザネクは『傘』に乗ったまま帰路に就く。
ただ、その速度はルキアスがゆっくり、時に立ち止まって合わせなければならないほどに遅かった。実用にはもう少しのようだ。
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