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411 指輪
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「アダマントを弄れるなら、ちょっと指輪を作ってみてくれないか?」
タイラクが顔に似合わないことを言った。
「指輪ですか!? そんな大層な物は無理です。輪っかになるだけで……」
「輪っかで構わねぇよ。指に填められさえすればそれでいい」
「それなら……」
ルキアスは理由が判らないまま作業に取り掛かった。これを請け負っても損は無い。魔物の大発生が終わるまでにはまだまだ時間が残されている。
まずはアダマントの塊から指輪に必要な分量を千切る。ただ、これだけでも少々時間が掛かる。アダマントを『捏ね』るのはそう容易いものではないのだ。
だから集中し続けるのは難しい。だが『捏ね』るのを片手間に続けるのは可能だ。
「アダマントの指輪って何か意味があるんですか?」
「知らないのか? アダマントはある種の魔法を籠めたらその魔法を魔力が無くなるまで放ち続けるんだ」
「マジですか!? どんな魔法を籠められるんですか!?」
「そりゃおめぇ……、『治癒』だとか……、何だっけ?」
タイラクはメイナーダに投げた。
「偉そうに言っててそれってどうなのかしらね?」
「いや、ほら、俺が魔法を籠めるんじゃねぇからさぁ」
「はいはい。言い逃れは見苦しいわ」
メイナーダが窘めると、タイラクは拗ねたようにそっぽを向いた。その仕草はどこか可愛らしかった。ごついおっさんなのに。
だがメイナーダはタイラクを無視してルキアスを見る。
「籠めるだけならどんな魔法でも籠められるのよ。でも考えてもみてちょうだい。『火魔法』なんて籠めたら熱くて誰も触れなくなるわ。触れるように加工しても、使う時には火を噴き出すから投げ付けるのでもなければ使う人が火傷しちゃうのよ。投げ付けたんじゃ失くしちゃうかも知れなくて使い捨て覚悟になっちゃうわ。使い捨てにするにはアダマントは高価だから普通はしないわね」
「なるほど。それじゃ、『湧水』を籠めたら『湧水』を使えない人でも水が出せるってことですか?」
「そうなるけど、『湧水』で言えば水を止めたり出したりできなくて魔力が無くなるまで水が出っぱなしで不便よね」
籠めた以上の魔力を出せないので、魔法によっては効率が悪かったり不便だったりすると言う。
「使い方が難しそうですね」
「実用できる魔法を数えた方が早いかも知れないわね」
話をしている間にアダマントを千切り終えた。
これを輪にするのだが、穴を空けるのは現実的でない。アダマントを細長く伸ばし、輪に曲げて繋ぎ目を『捏ね』付ける。
そうして無骨な指輪状の何かが出来上がった。
タイラクが顔に似合わないことを言った。
「指輪ですか!? そんな大層な物は無理です。輪っかになるだけで……」
「輪っかで構わねぇよ。指に填められさえすればそれでいい」
「それなら……」
ルキアスは理由が判らないまま作業に取り掛かった。これを請け負っても損は無い。魔物の大発生が終わるまでにはまだまだ時間が残されている。
まずはアダマントの塊から指輪に必要な分量を千切る。ただ、これだけでも少々時間が掛かる。アダマントを『捏ね』るのはそう容易いものではないのだ。
だから集中し続けるのは難しい。だが『捏ね』るのを片手間に続けるのは可能だ。
「アダマントの指輪って何か意味があるんですか?」
「知らないのか? アダマントはある種の魔法を籠めたらその魔法を魔力が無くなるまで放ち続けるんだ」
「マジですか!? どんな魔法を籠められるんですか!?」
「そりゃおめぇ……、『治癒』だとか……、何だっけ?」
タイラクはメイナーダに投げた。
「偉そうに言っててそれってどうなのかしらね?」
「いや、ほら、俺が魔法を籠めるんじゃねぇからさぁ」
「はいはい。言い逃れは見苦しいわ」
メイナーダが窘めると、タイラクは拗ねたようにそっぽを向いた。その仕草はどこか可愛らしかった。ごついおっさんなのに。
だがメイナーダはタイラクを無視してルキアスを見る。
「籠めるだけならどんな魔法でも籠められるのよ。でも考えてもみてちょうだい。『火魔法』なんて籠めたら熱くて誰も触れなくなるわ。触れるように加工しても、使う時には火を噴き出すから投げ付けるのでもなければ使う人が火傷しちゃうのよ。投げ付けたんじゃ失くしちゃうかも知れなくて使い捨て覚悟になっちゃうわ。使い捨てにするにはアダマントは高価だから普通はしないわね」
「なるほど。それじゃ、『湧水』を籠めたら『湧水』を使えない人でも水が出せるってことですか?」
「そうなるけど、『湧水』で言えば水を止めたり出したりできなくて魔力が無くなるまで水が出っぱなしで不便よね」
籠めた以上の魔力を出せないので、魔法によっては効率が悪かったり不便だったりすると言う。
「使い方が難しそうですね」
「実用できる魔法を数えた方が早いかも知れないわね」
話をしている間にアダマントを千切り終えた。
これを輪にするのだが、穴を空けるのは現実的でない。アダマントを細長く伸ばし、輪に曲げて繋ぎ目を『捏ね』付ける。
そうして無骨な指輪状の何かが出来上がった。
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