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554 かき氷
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「あの、どうかしました?」
ルキアスが頭を抱えてしゃがみ込んでいる店主らしき女性に声を掛けると、鉢巻き姿でシャツを腕捲りしたその女性は顔を上げて喫驚をその顔一杯に表現した。
「お……、お客さんですか?」
「はい。そのつもりだったんですけど……」
「す、すいません。氷がその……、無くてですね……」
話を聞けば、氷を保管していた魔道具の魔石が切れているのに気付かずにいたらしい。
しかしかき氷が食べられそうにないと判ると、ユアがどことなくしょんぼりした様子を見せる。感情が殆ど表情に出ないユアだが、ルキアスには何故かそれが判った。
となれば何とかしてやりたくなりもする。
「あの、氷があれば、かき氷を作って貰えますか?」
「え? え、ええ! 勿論氷があれば作りますよ。氷があればですけどね!」
彼女は自棄になったように答えた。「あるなら出してみろ」とでも言いたげな様子だ。
だがそれなら話は早い。
「氷を作ってもいい器があったら貸してください」
彼女は訝しそうにしながらも四角い鉄の容器をルキアスの目の前に置いた。
「これが氷の容器よ」
ルキアスは一つ頷いて魔法を唱える。
「『湧水』……、『冷却』」
ルキアスは『湧水』で水を張り、それを『冷却』して氷にした。
「何と! お兄さんは氷の魔法を使えるのですか!?」
目の前で氷が出来たのだから女性のテンションは爆上がりだ。
「こんなに速く透き通った完璧な氷を作れるなんてお兄さん、ただ者ではありませんね!?」
「え、いえ、その……」
彼女はルキアスの手を取った。
「お兄さん、アルバイトしませんか? 売上の半分をアルバイト代に出しますよ!」
氷が無ければかき氷屋は商売できず、収入はゼロになる。それなら売上収入が半分になってもゼロより良いと言う。
元の原価率が三割程度だから売上の半分を渡しても利益が出るとかどうとかの話に関してはルキアスにはピンと来なかった。
「えっと、じゃあ、まあ、お手伝いします」
見捨てたら後味が悪くなりそうに感じたルキアスは手伝いを承諾し、この日一日はずっと氷を作り続けた。
季節は既に夏。道行く人は皆、氷に心惹かれたようであった。
ルキアスが頭を抱えてしゃがみ込んでいる店主らしき女性に声を掛けると、鉢巻き姿でシャツを腕捲りしたその女性は顔を上げて喫驚をその顔一杯に表現した。
「お……、お客さんですか?」
「はい。そのつもりだったんですけど……」
「す、すいません。氷がその……、無くてですね……」
話を聞けば、氷を保管していた魔道具の魔石が切れているのに気付かずにいたらしい。
しかしかき氷が食べられそうにないと判ると、ユアがどことなくしょんぼりした様子を見せる。感情が殆ど表情に出ないユアだが、ルキアスには何故かそれが判った。
となれば何とかしてやりたくなりもする。
「あの、氷があれば、かき氷を作って貰えますか?」
「え? え、ええ! 勿論氷があれば作りますよ。氷があればですけどね!」
彼女は自棄になったように答えた。「あるなら出してみろ」とでも言いたげな様子だ。
だがそれなら話は早い。
「氷を作ってもいい器があったら貸してください」
彼女は訝しそうにしながらも四角い鉄の容器をルキアスの目の前に置いた。
「これが氷の容器よ」
ルキアスは一つ頷いて魔法を唱える。
「『湧水』……、『冷却』」
ルキアスは『湧水』で水を張り、それを『冷却』して氷にした。
「何と! お兄さんは氷の魔法を使えるのですか!?」
目の前で氷が出来たのだから女性のテンションは爆上がりだ。
「こんなに速く透き通った完璧な氷を作れるなんてお兄さん、ただ者ではありませんね!?」
「え、いえ、その……」
彼女はルキアスの手を取った。
「お兄さん、アルバイトしませんか? 売上の半分をアルバイト代に出しますよ!」
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元の原価率が三割程度だから売上の半分を渡しても利益が出るとかどうとかの話に関してはルキアスにはピンと来なかった。
「えっと、じゃあ、まあ、お手伝いします」
見捨てたら後味が悪くなりそうに感じたルキアスは手伝いを承諾し、この日一日はずっと氷を作り続けた。
季節は既に夏。道行く人は皆、氷に心惹かれたようであった。
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