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563 バラスト
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フヨヨンは銃の設計図の直しとモックアップの再作成に二日を要した。
「バラストを差し替えられる設計にしたからね。これならどの階層でも使えるよ」
フヨヨンが提示するモックアップはバラストを銃本体の上から被せ、半ば吊り下げる形で左右に丸く大きく出っ張らせている。銃本体上面自体を後座させることでこのバラストも外装を除いて後座する構造だ。今装着しているのは張りぼてだが、実機では三種類の重さのバラストを用意すると言う。
だが、前にも増してずんぐりしたのが否めない。
「えっと、あの、これ……」
ルキアスはモックアップを手渡されても困惑するばかりであった。あまりにずんぐりし過ぎて正面に向けて撃つことはできてもそれ以外の方向、左にさえ撃てそうにない。
「あらあらフヨヨンったら、そのお団子みたいな銃は何? ルキアスちゃんも扱い辛そうにしてるじゃない」
「いやいやこれはだね。バラストを外すことで浅層で、バラストを付けることで深層で活躍できる優れものだよ」
「扱い辛かったら肝心の深層で使えないでしょ」
「ぼくも元の形の方がまだ……」
ルキアスは視線を逸らしながら言った。浅層から深層まで同じ銃で使い回せるに越したことはなく、習熟に使う弾丸は安い方が良いので、フヨヨンの努力は有り難い。だが深層で使える銃を作ろうとしているのだから、浅い階層で使えなくても深層での使い勝手が良くなければ困る。厚意を無下にするような言動は取りづらいものの、言わなければもっとダメな方向に行ってしまいそうだと思われた。
「ぐぬぬ……」
「おかしな欲を出すから出来上がりがおかしくなっちゃうのよ。深層に合わせて銃をもっと長く大きくするか、短くするなら銃の先からお尻まで同じ太さにして極力凸凹を減らすかしたらどうかしら?」
「むむ……」
フヨヨンは頭を掻いた。
「ルキアス君は今メイナーダが言ったのではどっちが好みかい?」
「好みって言うか、扱い慣れたのに近いのは短い方ですね」
蒸気銃はタンクの部分で特に太いが、全体的に太く、長さは短い。これならフヨヨンの作ったモックアップと似たようなものだが、モックアップはその蒸気銃を明らかに上回る太さが部分的にあったのが致命的だったのだ。
「……その線でやり直してみるよ」
また差し戻しである。
「バラストを差し替えられる設計にしたからね。これならどの階層でも使えるよ」
フヨヨンが提示するモックアップはバラストを銃本体の上から被せ、半ば吊り下げる形で左右に丸く大きく出っ張らせている。銃本体上面自体を後座させることでこのバラストも外装を除いて後座する構造だ。今装着しているのは張りぼてだが、実機では三種類の重さのバラストを用意すると言う。
だが、前にも増してずんぐりしたのが否めない。
「えっと、あの、これ……」
ルキアスはモックアップを手渡されても困惑するばかりであった。あまりにずんぐりし過ぎて正面に向けて撃つことはできてもそれ以外の方向、左にさえ撃てそうにない。
「あらあらフヨヨンったら、そのお団子みたいな銃は何? ルキアスちゃんも扱い辛そうにしてるじゃない」
「いやいやこれはだね。バラストを外すことで浅層で、バラストを付けることで深層で活躍できる優れものだよ」
「扱い辛かったら肝心の深層で使えないでしょ」
「ぼくも元の形の方がまだ……」
ルキアスは視線を逸らしながら言った。浅層から深層まで同じ銃で使い回せるに越したことはなく、習熟に使う弾丸は安い方が良いので、フヨヨンの努力は有り難い。だが深層で使える銃を作ろうとしているのだから、浅い階層で使えなくても深層での使い勝手が良くなければ困る。厚意を無下にするような言動は取りづらいものの、言わなければもっとダメな方向に行ってしまいそうだと思われた。
「ぐぬぬ……」
「おかしな欲を出すから出来上がりがおかしくなっちゃうのよ。深層に合わせて銃をもっと長く大きくするか、短くするなら銃の先からお尻まで同じ太さにして極力凸凹を減らすかしたらどうかしら?」
「むむ……」
フヨヨンは頭を掻いた。
「ルキアス君は今メイナーダが言ったのではどっちが好みかい?」
「好みって言うか、扱い慣れたのに近いのは短い方ですね」
蒸気銃はタンクの部分で特に太いが、全体的に太く、長さは短い。これならフヨヨンの作ったモックアップと似たようなものだが、モックアップはその蒸気銃を明らかに上回る太さが部分的にあったのが致命的だったのだ。
「……その線でやり直してみるよ」
また差し戻しである。
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