透明の「扉」を開けて

美黎

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22の扉 生成の場

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 二人がいろんな方向に話を飛ばしているのを観ながら
 ホクホクと おかわりの支度する。


昼下がりに差し掛かった窓の陽は
 そんな私達を優しく包み照らしているし
時々「過激な方向へ飛ぶ話題」をも 中和し宥めてくれている。

 そんな暖かな光の 中、
 アラルは体が解れたリラックスからか
 普段彼女が使わない様な言葉遣いで 沢山話しているけれど。

なんだか「出会った頃の虚勢」がここへ来て かなり薄れたことが感じ取れて、とても嬉しく 思うんだ。


そう、そのいろは
 「マッサージ後だから」だけでなく「彼女のに対する姿勢」も表していて
今のアラルからは「あの頃なかった色」が 沢山感じられる。

勿論、その立場上 沢山の経験を経て来た「今」なのだろうけど
 「その機会チャンスをモノにするのかしないのか」は個人の意思によるものであり、「ただ そこにいるだけ」では色は得られぬし
なにも変わりはしない。

 だけど 彼女の言葉遣いの変化は「いろんなコミュニケーションを取っていること」を表していて
様々な面での「壁の崩れ」 それを示している。

 そして
レナはレナで「いつもの調子」であるが、
「その聡さ」と「どちらも知っている立場」で
アラルの様な子と、神殿の皆や畑の者達を 上手く繋いでいるのだろう。

 会話の端々から「その様子」が伝わってきて
彼女も また「繋ぐ者なのだなぁ」と
 喜びを感じている自分を 胸に手を当てて 感じる。


「   どうぞ。 これも。」

「ありがとう。」
「悪いわね。ヨルも食べてね?」

「 うん。」

 そうして
 二人にも お茶を配して。

そのついでにアラルのお土産であろうお菓子も、箱からお皿に配る。

そしてその「しれっと他人のお土産を配る自分」にウケつつも、止まらない会話を聴きながら
 「アラルの位置」「レナの位置」
 そして「私の位置」を感じつつ、
 ふわりと「全体の位置」を 展開してゆく。


 そう この「構図」は 
 「以前から展開されている 参加してもしなくとも良い現実世界の構図」で
 「私の立ち位置」、
 みんなが守ってくれる「境界線」があるところで
且つ「私が自分の仕事をする場面」だ。


      なるほど?


 そう思って展開して気が付いたけれど。

確かには「みんなの協力を得て」
 「観照者の立場を維持しており」、
その上で「自分のできることは何か、と動いていて」
 「自分の役割を見つけ」、「今 こうして世界を観照している」。

 そして思うに

 この「観照」というのは 勿論「観る」ということだけれども
 この位置では「観る」が 一番大切で
 「言う」でも「聞く」でも「動かす」でもなく

 "観ることにより 世界の流れを創る"

  それが ほんとうな気が する。


   
   ふむ?

  して  「それ」は  なんでだ?


   まあ 「もっと 奥がある」
     「今 また 上がれる」って こと
             なんだろうけど 。



「    ふむ ?」

が「そう感じた」ならば
 「そう思わせるなにかがある」「働いている」のは確かで
それはきっと「せかいの矛先」であるし
 「これがお前の方向だ」という「わたしの導き」でもある。

だから そのままじっと 二人の話を聴きながら。

 「耳は 会話」
 「意識は 虚空スペース

その両方を展開して、ゆっくりと お茶を飲んでいた。



「だけど結局。「そうならなかった」から、文句を言ってるわけでしょう?」

「まあ、そうなんだけどね。あれだけ持ち上げておいて、今は手のひら返しよ。分かりやすくて手間がない、っていう意味で言えばいいんだけどね。それを受け入れる長老達もどうなってるのか、私にはよく分からない。」

「ああ、「どの面下げて」って思うものね。あれって不思議よね?そんなコロコロと寝返る?気持ちが変わる人を信用できるのかしら。」

「だから「信用してる」「してない」じゃないのよね、きっと。自分の味方の数として数えているだけの、数字に過ぎないのよ。……そう思って見ると、いろんな事が違って見えるし、なんだか世界って全然別の物に見える。私達がこれまで言われてきた事、それもどこまでが本当なのか。」

「…うん。それはね。私も思うわ……私は自分の状況から、そう思ってやってきたから自然ではあるけどね、この流れが。アラルはそう思うだけで凄いよ。向こうはまだ殆ど、翻弄されてるばかりだし。」

「………そうね。「なんで?」「どうしてこんな」、って声の方が多いものね。」

「そうよ。まだ青天の霹靂中で、しかもそこにも至ってない人だっている。意外と環境変わってない人も多いからか、気付かないのかしら?予言の事って一応、「発表」、されたんでしょう?」

「うん。礼拝時に知らせてある筈だから、大人は皆知ってる筈よ。」

「…だよね。まあ、だからって普通は「どうしようか」なんて思わないか。………フフッ、でも、ヨルなんて全然関係ないところから、こうして本当の事を追って行って。結局、「神」?に、なってるんだもの。人生、何が起こるか分からないし、自分が求めてるものなんて意外と身近にあるんだろうね。ずっと疑問に思ってきたことがその答えなのかもって、私もこの頃思うわ。」

「…………成る程?」

 
 くるりと、私を見る アラルの瞳が。

 「ヨルがずっと追ってきたものって?」と
  「過去の点」を追いかけているけれど

 私はそれをニッコリと眺めるだけで
 何故だかレナが「私の言いそうな答え」を話し続けて いる。


「なんて言うのか、身近な、疑問。「どうして自分だけ」とか「なんで駄目なのか」とか、私達って生きてるだけであれこれ言われるじゃない?その、全部と言ってもいいくらい、理不尽な理由?があって。まあ、妥当なのもあるけど、理由なんて無いものとか、要らないものが殆どよ。それを一個一個、潰していくのよね。この子がやってるのを見て思うわ…昔は私もヨルが、外から来たからできる、と思ってたけど。そうじゃ、ないのよね、この子はどこでもそうで、自分のやりたい事をできる限り理想の形でやってる、だけ。」

「…そんなこと、できるのって思いがちだけど…。」

「そう、実際、出来ちゃうのよ。」
「わかる。」

「それが、「チカラ」とか「身分」とか、まあいろんな「持ってる条件の所為」だと思ってたけど。結局関係ないのよね。」

「確かに私も「持ってる条件」で言えば、持ってる方だもの。…成る程、だから関係ないんだ。そういうことじゃ、ない。」

「うん。」


   そう

   そうなの

 だから「予言どうこう」、とかじゃ なくて。


 ほんとうこたえ
  「そこから始まる疑問」、「沢山のなんで」を
  突き詰めていくことで見えてくるし

  そもそも「その予言」は ここで視ればわかるけど
 多分
 「せかいのスパンで折り返しを表現した場合の位置」、「ごうの時」
   
  「大きな揺らぎの転換点」
 あの「私達の波が 交わるところ」なんだ

 
  まあ
  「なんもないところを表現」すれば、解り辛い
   うん
 それで私も苦戦してる
  まあ  それはいいとして。


    結局 「そういうこと」 なの

   ぜんぶ「意思」 「意図」  
   「どう したいか」なんだよね
    

    うん。



 真剣に話している二人の間にて。

 は 聞いている様な
       聞いていない様な
  曖昧なかたちで 間に存在している。


そして「脳内相槌」を展開しながらも

 こうして「自分のやってきたこと」が道標になり
 "「入り口」と成れていること"

 それを眺めて。


  "観たい景色の ひとつ"がに気付いて押印し、
  「自分の果たす役割」を眺め
  それを踏んでまた、昇り
 「より高い位置で またその役割を果たす」のだ。


    なる ほど?

   そういう 感じ  ?



 だから
  「観る」ということが 重要である、

「そう感じた自分」と「このまとめ」、
 その二つがピタリと嵌ったことに 感心して。

 「その 感覚」のを掴む為、
  再びお茶を 飲み始めたのである。








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