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22の扉 生成の場
変化
しおりを挟む「物語」は 実際「いつでも別のところへ連れて行ってくれる」、
とても便利な「ツール」である。
「せかいからのこたえが まだの時」や
「スペースがごちゃごちゃしている時」
「待ち時間」
最近は殆どないけれど
「不毛な思考に取り憑かれている時」とか。
基本、私は「読む」のが好きだし「いつでもダイブできる」からして
気が向いた時に図書館へ向かうことは ずっと前からの習慣である。
そして「気分転換」
それも時と場合によるもので、「広い景色」「何もないところ」へ出た方がいい時もあれば
こうして「なにか」に籠る方がいい時も ある。
それは勿論「経験により導き出される 自分取説」で
何度もやって「感覚で会得しているもの」である。
そう
実際 「本を読んで気分転換しよう」と実行し
余計に頭が詰まってボーッとしてしまうこと
それを何度か経験して、私も今ここなのだ。
そんな経験を経て図書館へ向かっている足は
「きっとそこに行けばスッキリすること」も わかっている。
だから その感覚に素直に従い
不意に出て来た鼻歌に、気分を良くして。
「 よし。 ♪ 」
ポンとひとつ跳ね 扉の前に向き直って
先ずは
「こんにちは」と、軽やかに 挨拶をした。
「 ♪ 」
軽やかなステップで 白い空間へ、入る。
変わらず「乾いた静かな質感」で 私を迎えてくれるここは
訪れた者を優しく包み込むなにかがある様で
それが「なん」なのだろうと、ゆっくりと歩きながら スペースの中をくるくると探る。
ああ 。 なるほど?
そして「私に集中している矢印」
それに気付いて納得するけれど
ここは「図書館」、即ち「読まれるための本達があるところ」で
「みんな」は「手に取られる瞬間」までしっとりと待っているし
その「仄かな矢印」は私に向けられている ものだ。
勿論「その矢印」にも「遠慮がちなもの」や
「読んで読んでとアピールしているもの」、
「特定の人を選ぶもの」や
「自分の完成度にうっとりしている本」など
沢山の種類が ある。
「 そう思ってみると。 やっぱり面白いな。 それに、不思議。」
確かに「この感覚」は 以前は感じなかったものであり、
「拡がった私が新たに感じられる様になった範囲」だ。
そして確かに「これ」は
ずっと以前からあった矢印で、私がそれに気付かなかっただけなのも わかる。
だから それを心地よく感じながら
「あっちから向けられているもの」と
「私が発しているもの」、
それが「合うところ」を探していると
「ちゃんと引き合う角度」が判り、自分の探しているものが「あるところ」が感じられる。
そう、「沢山の矢印を受けながら移動している私」が
「ピタリと嵌る角度」
「お互いの光が通る瞬間」があって、
ちゃんとセンサーが「ここだよ」って 反応するのである。
「 て いうか。 なるほど?」
だから「成る程 こうなってたのか」
そう思って。
そのまんま、呼ばれている方向へ スーッと導かれて行った。
あれ?
あそこの扉 って
緑 だった っけ ? ?
矢印の先へ向かって歩いている私の眼に入ったのは
「色は違えど 元が何色だったかは思い出せない扉」だ。
まあ
だけど
扉の色が違ったからと言って、何か支障があるわけでもない。
とりあえずは「こんにちは」と言って。
相手の様子を見てみたのだけど
なんだかキャラが変わっているのは 気の所為ではないだろう。
「いらっしゃいませ」
「 あっ、どうも。 いらっしゃいました。」
えっ なにそれ
どういう かんじ? ?
「お店風」なのか
「単に丁寧」なのか
そんな想像がくるくると回り始める私の前で 扉は構わず話し続けている。
「この中にはご所望の物もご用意しておりますが、勿論そうでない物も沢山あります。その、どれもは貴方が利用できる財産であり、有効活用できるもの。ごゆるりとご利用下さいませ。」
「 ありがとう。」
成る程 これは。
多分
きっと
「私が変化したから起きている変化」で「現実に現れている事象」
そう、私は「もう 主である」からして
「ここに謎はない」し
「なんでも使えて」、
「有効活用して 自分の目的を果たすためのところ」なんだ。
だから 扉ももう「謎掛けみたいなこと」は言わないし
この図書館全体が私に向いていて、
矢印が感じられ
なんだかあったかいし 自分の一部になった様な 気がするんだ。
なるほど ?
しかし
「それ」は 実際
そうなんだろう 。
今
実際に
自分の体から「感覚の触手」を出して、スルスルと確かめてみるけれど
「ここが私の一部」なのは確かに事実で
もっと言えば「すべては私の一部」、そういうことでも ある。
そしてそれは
「私のもの」とか
「私が創った」とか
ある角度から視れば「それもそう」だけれど
そういうことではなくて、
「私がせかいだから どれもこれも私の一部」という「大元が同じだから そう言える」ということだ。
そう、「その繋がり」に気付いたから
わかったから
それを感じられたから、
「私の一部に なった」ので ある。
「 成る程。 これが。 実際の範囲が拡がると いうこと 」
思えば 以前の私は。
「ぜんぶ自分という感覚」「なにとも話せる絶対感」はあったけれど、
「その繋がりが視えなかったから」、
それがファンタジーだと思っていた。
「自分の 想像」
「御伽話の中」
そんな感じで区切られていて、実際自分の感じていることを観ようとしていなかったのだ。
「 なる ほど。 フィルターか 」
そう
それは
「ほんとう」なのに
「この目に見えないから」
「実際に音として聞こえないから」
「触れられないから」と言って 「ないもの」として扱い
埋もれされていた 感覚
ここで視れば「どれだけ自分が体感」「物質頼り」になっていたのかがようくわかり、「すべては初めからあった」のが よく、わかる。
そうなんだ
やはり「初めっから 表も裏も私の目の前にあって」、
ただ 自分が区別していただけ
「目に見えるものは ある」
「目に見えないものは ない」と
生きる過程で学んできただけなのだ。
「 なる ほど。 ちょっと、じゃあ お邪魔します。」
「どうぞ」
そして「その色々」に心底納得した私は
大きく息を吐いて ぐるりとスペースを囲い込むと。
一旦、休憩する為に座りたくなって
「椅子があるであろう、禁書室」の扉を
静かに潜ったので ある。
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